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【フリーランス、仕事術】クライアントに報酬見直し交渉してますか?

どうもー、ドイツ在住、フリーランスのプログラマーArisaです。
今日はすでにフリーランスとして駆け出している人向けの記事です。

さて、唐突ですが、皆さんはクライアントとちゃんとお金の話、していますか?

もっと言うと、クライアントに「私の報酬額、見直してもっと上げてください」って話せてますか?

クライアントにお金の話はちょっとしにくいなあと、思っている人が多いのではないかと案件受注、納品のサポートをしたり、レクチャーしたりして最近思うようになりました。

事実、私も初めの頃は一度決めた報酬額がしばらくして多少見合わなくなっても、話にくいと思っていたお金の話や、ましてや交渉をするよりも我慢を選んでいました。
そして初めの頃は単発の仕事で関係が終わるクライアントが多く、初めて継続したお仕事をもらうクライアントができて、この悩みが見えてきたので、経験がなく、争いを避けようとすることだけ考えてチャンスを逃していました。

ここで言いたいのは、「勇気を出して、報酬額上げてください!と頼めば、運が良いと上げてもらえますよ」ということでは全くなく、

「ある程度の期間の業務で成果を上げてきていて、当初決めた報酬額よりも価値のある働きをしているとクライアントも認めていることがわかれば、相談をすると良いですよ」

ということです。

では、一体どうやって、クライアントに切り出すのが難しい、報酬額見直しを自然に持ちかけるのでしょうか?
これには少し考え方を変える必要があり、ワークラーフバランスと業務の効率化にもう少し考え方を傾けると、報酬見直しを聞き入れてもらいやすくなります。

また、もしあなたが誰かを雇う立場の人であれば、この報酬見直しは、業務の適任者や、業務内容の効率化を図るためでもあり、受託者だけでなく、雇用する側にとってもメリットのあることであるということを紹介します。

※ 今回の記事は、私が個人でサポートを提供している、フリーランスのエンジニア向け、案件受注&納品サポートで、サポート利用者の方に有料で個別サポートをする際に提供する一部の内容を含むものです。
そのため、一部有料とさせていただきました。
※ 全ての内容が全ての方に参考になるわけではありませんので、ご了承ください。
参考になると判断された部分のみをご参考にいただければ幸いです。


1. 報酬見直しの検討を持ちかけることにより、成果に伴う報酬の考え方に共感してくれる人かどうかをフィルタリング

これは主には受託者サイドの視点になりますが、働き方に関して、

受注する人の立場  <  依頼するクライアントの立場

と、無意識に思っていませんか?

「お金をもらっている」
「口約束とは違って、責任重大」
「クライアントが仕事をくれなくなっては次の仕事探しが大変」

など、フリーランスで駆け出しの頃であれば、少なくとも誰もが一度は思いますし、私もそう思っていました。

私も、上のような関係でクライアントを認識してお仕事をしていた時は、自分の立場を対等として見ていないので、クライアントにもそう認識されていたと思いますし、そういう関係で仕事を「与えたい」クライアントに必然的に出会ってしまったように思います。

でも、ちょっと立ち止まりましょう。
もし、上の関係性が、以下のようであればどうでしょうか?

受注する人の立場  =  依頼するクライアントの立場

こうなると、

「お金をもらっているといっても、私もクライアントに、私の労働力とスキルを提供している。」

「口約束とは責任感は違うが、スーパーマンではないので、人間できることと、やってみてできないとわかることがある。」

「今のクライアント以外にも、私のスキルを必要とするクライアントは、アプローチをかけていないだけで、たくさんいる。」

と、考えることもできませんか?

実際、仕事をする上で、報酬見直しを持ちかけやすいのは、圧倒的に対等な立場同士である後者です。
つまり、この関係性なのかどうかを見極める参考の1つとして、一定期間仕事をしているクライアントに、例の相談を持ちかけるのです。

ただし、いきなり報酬を上げろとだけ言われて良い気分になる人は少ないので、自分でも一定期間成果を上げることができて、報酬アップに相当する自覚があるのであれば、報酬見直しの相談をしましょう。

そうすれば、クライアントも上がっている成果を認めてくれる人なのかどうかもわかりますし、クライアントにあなたが貢献していることを思い出させるきっかけにもなります。

ここで重要なのは、報酬見直し、つまり収入額の見直しを相談していますが、同時に、この相談を持ちかけることによって、クライアントがあなたのことを対等な立場で見てくれているかどうかということと、長く仕事をしたい人かどうかをフィルタリングしているんです。

たとえ予算に余裕のないクライアントで、報酬見直しは難しいと言われても、その代わりに上がった成果に対して、何かしら別の形で見直しをしてくれることもあります。

今まで徴収していた手数料をなくしてくれたり、自分の興味のあるプロジェクトに回してくれたり、困った時に助っ人を紹介してくれたり。
こういうお金に代わる報酬も、報酬見直しを相談するから実現できるのです。

クライアントがあなたのことを対等な立場で仕事をしている人として見てくれなければ、そういったことはあまり考えてはくれないでしょう。
もしかすると関係がぎくしゃくするかもしれません。

実は、報酬見直しの提案をした時に「あれ?」と思う疑問がとても大事なのです。
対等な関係ではなさそうだなと、もし思うのであれば、それはそのクライアントにとっても、あなたにとっても、心地よい関係で仕事をすることは難しい、要するに合わない関係同士だったということなのかもしれません。

合わないことがわかった場合や、以前から報酬が見合っていない、報酬の割に時間が取られるなど、何かしら自分にとって気にかかることが解決しないのであれば、そこは正直に契約を切って、他にもっと自分と合うクライアントとの時間を割くほうが有意義です。


2. 報酬見直しは、報酬額を上げるだけでなく、業務内容見直しと効率化でもある

こちらに関しては、人を雇う立場にある人にも、参考になる内容かと思います。

どちらの立場にせよ、報酬見直しの提案をしたり、されたりした場合、必ずしも見直しというのは、報酬額を上げることだけではありません。

どういうことかというと、「見直し」なので、多すぎず少なすぎず、きちんと現状の業務によって得られた成果に値する報酬なのかどうかというのを、見積もり当初からの変化を考慮して再検討することが、本来の「見直し」です。

ということは、クライアントからすれば、もしかすると客観的に見ても、成果が上がっていない、もしくは相場とも照らし合わせて、現状の報酬未満でもよかったと判明した時には、報酬額の見直しをすることにより、不必要に払っていた報酬額を適切な金額に見直すこともできます。

そして、この提案を、双方が客観的にお互い考えることができ、どういう理由で、見直し後の金額で検討したいのかをきちんと話し合う機会を設けることができるので、より、クライアントにとっては親身になって業務をしたい人なのかどうかをフィルタリングできるのです。

実際、私は、「この業務は私がする必要はない」と思ったり、他に適任者が見つけた場合や、相場と見合わず多すぎる報酬の業務に関しては、どれだけ良い報酬額をいただいていても、報酬見直しと業務見直しを兼ねて、他の適任者に私がいただいていた報酬額で依頼をすることを提案したり、相場を提示して報酬額を相場に合わせて下げるように相談することは、よくあります。

理由は、クライアントのためでもあり、自分のためでもあるからです。

特にweb開発業務は、クライアントによっては相場がわからないクライアントも多く、こちらが相場を言わなければ、相場よりも高い報酬額で見積もりすることも十分可能です。

個人開発なのに相場よりも多すぎるくらい取る人も見かけます。
クライアントが気がつかなければ多く報酬をもらってもいいやという気持ちで仕事をされて、完成した納品物が使えないものだったと相談されたこともあります。
非常に残念なことですし、私はそんなことをしてまでお金は欲しくないです。

対等な関係にこだわるのには、クライアントの満足度も大きく関与してくるという理由があります。
どれだけ私が自分と価値観や働き方に関して合わないクライアントは契約途中でもバッサリ切ることを徹底していても、その代わり、自分と価値観や働き方が合う、対等の立場で仕事をしてくれるクライアントには、私自身の専門分野の相場は正直に伝えますし、多すぎる報酬は理由を説明して見直してもらいます。

一緒に仕事をする人や、仕事を依頼する人が、相場も教えずに高い値段で報酬をもらい続けていたことが判明したらどうですか?
私だったら、そういう人に仕事は与えませんし、信頼を無くします。
つまり、クライアントからすれば、親身になって対等な立場で考えてくれなかったということになり、うまく続かないということになります。

そうなれば、継続してもらえていたはずの仕事も、そこで終わりです。

クライアントにとっても、受注者側との対等な関係というのは、親身になって効率化や業務見直しをしてくれる受注者に恵まれるというメリットがあるのです。
親身になって業務内容見直しや効率化をしてくれて、必要な資金を適切な人材に渡すことができ、業務と報酬とのバランスを見直してくれる受注者は、クライアントからすればできるだけ長く仕事をしたいですし、別のお仕事も依頼したくなったりすることもあります。

こうなるとwin-winですね。
クライアントにとっても良いですし、受注者からしてもお仕事にも困らず、新しいお仕事の話までチャンスは増えるし、長く一緒に仕事ができるクライアントとの信頼関係が深まるわけですから、報酬見直しの相談というきっかけづくりは、どちらから提案をしても悪くはないわけです。


3. まとめ

いかがでしたか?

クライアントに報酬見直しの相談を持ちかけるメリットは、受注者だけでなく、クライアントにも資金の無駄を省き、信頼関係も深まり、新しいプロジェクトの可能性も大きくなりますし、安定した人材で業務の効率化を図ることができることを紹介しました。

もちろん受注者側も、継続した仕事の確保には困らず、むしろ新しい仕事の話も増え、合うクライアントを見つけ、長く安定した信頼関係で安定した報酬を得ることができますし、お金以外の報酬だってあります。

実際、私もこのことに気がついたおかげで、人生で一番仕事を一緒に長くしているクライアントの人たちとは、今でも新しい仕事の話や、面白いプロジェクトの話、そして両者が合意をした報酬で、精神衛生上、とても健康で快適な関係と信頼関係を保てています。

収入以外の報酬も、例えば私の場合、ドイツでフリーランスのビザを取得するまでに、無名の町での取得に非常に悩まされたので、弁護士の方や保険の手続きなどのエキスパートを、クライアントの人脈から紹介してもらうこともできました。

あるいは、興味のあった講師をしているスクールのシステム開発のフロント部分をチームで開発する機会も与えていただいたり、興味のあったスタートアップの立ち上げから運営に関わることで、いつか自分の独自サービス開発の役に立つ経験も与えていただいています。

そしてもちろん収入面も、適切な金額と業務内容で心地よく仕事できる環境があります。

話し合いをすることなしに、こちらの意図や相手の意図を知ることはできません。
話しにくいかも、クライアントに気を害されないかと心配する必要はないんです。

なぜなら、価値観や働き方、相場に合わないクライアントに割く時間ほど、受注者側にとってもったいないことはないですし、クライアントにとっても、価値観、働き方、取り組んでいる仕事内容や予算に合わない受注者との時間と労力ほど省きたいものはないからです。

「自立と自由を求めてフリーランスになったのに、なぜ仕事や営業に拘束されて、お金も思うように入らないのだろう?」

そう思うのであれば、試してみる価値はあると思います。
たとえ今メインの仕事がなくなっても、それは今後相性の合うクライアントと出会うまでのアプローチや経験値を積むまでの時間になるわけですし、クライアントにとっても、より適任者に出会うための体制を整える時間にもなるわけです。

今目の前にあるものや人だけが全てではないことを、自分の考えに囚われがちな人にこそ、私もそうだった経験を交えて伝えたかったので、参考になれば幸いです。

全ての人に参考になるわけではないので、参考になる部分のみ参考にしていただければ嬉しいです。

今回の記事は、私が個人でサポートを提供している、フリーランスのエンジニア向け、案件受注&納品サポートで、サポート利用者の方に有料で個別サポートをする際に提供する一部の内容を含むので、有料の記事とさせていただきました。

ご購入いただき、最後まで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
そして1人でも多くの良い関係をお仕事でも築くことができるよう、また、理想の仕事環境に近づくことができるよう、願っています。

では、

ちゅーす。


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