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125ccのバイクで日本一周【117日目】 奈良県天理市〜和歌山県新宮市

奈良での楽しい日々も終わり、本日は和歌山県へ向かいます。目指すは「高野山奥之院」。そう、四国遍路結願のお礼参りに行くのです。

昨日は宿の関係で天理市まで戻ってしまったので、今日は朝からひたすら南下する。のんびり走って2時間30分、五条市を抜け橋本市へ入る。サヨウナラ奈良、コンニチハ和歌山。

高野山へ向かう道中、やたらヤンチャな道が続くと思ったら、自分が走った国道371号は知る人ぞ知る「酷道」なんだそうだ。偶然だが「水曜どうでしょう」で2人がカブで走ってた道だった。そうか、何だか俺だなぁ。

なんとか標高約800mの「高野山奥の院駐車場(中の橋駐車場)」に到着し、一休憩。ここは大きい駐車場なので、場所を選んで壁面安心駐輪だ。さて、大師さまにご挨拶に行かねば。


通りを渡り入口に向かうと、派手なバイクの排気音が聞こえてくる。静粛な空間だけに余計に目立つ。振り返ると、スーパートラップを履いた懐かしのバイクが2台。運転している若い男達は、その場違い感を肌で感じているのか何か怒鳴り合いながら、そのまま爆音で去って行った。うん、頑張れ。南無大師遍照金剛。

奥之院表参道


参道を2kmほど歩き、弘法大師御廟へ。合掌礼拝し、無事満願と相成りました。俺的には法隆寺訪問と同じく、何か大きなイベントが終了してしまった感があり、ちょっと寂しい感じになる。昔からずうっとやりたかった事だったからな。俺喪失感。

さてそれでは引き続き、高野山真言宗の総本山「金剛峯寺」にご挨拶だ。ん? 総本山って言うと高野山全体を指すんだっけか? まあいいか。とりあえず高野山は涼しくて最高だ。

金剛峯寺
大玄関
大玄関と小玄関


ああ天水桶があるねえ。そして何だかいつも檜皮葺の屋根の修理をしている気がするな。こちらでは拝観料を払い建物内を見学させてもらう。撮影禁止だが、美しい襖絵があった。「室内に屋外」の文化は世界的なものなのだろうか?

さてさて、お礼参りも終わり俺のお遍路はこれにて終了。機会があればまたやりたいかな。いや、そうでもないか。今は分からんな。

と言うわけでここからは、ひたすら南に走って世界遺産の聖地「熊野」へと向かう。目的はもちろん熊野三山詣だが、これがまあ、途中に何もない山道を走ることになった。自販機すらなかったんじゃなかろうか。

ただひたすらに走るしか無い。まさに無心だね。この旅での最長走行記録をマークしましたよ。陽射しが柔らかくて助かった。

たっぷり走って3時間、疲れたし腹が減った。「熊野本宮大社」に到着するやいなや、速攻で飯屋に入る。「珍重庵 新宮本店」にて「もうでそば」をいただく。大根と梅と柚子と十割そばが美味し。

珍重庵 新宮本店のもうでそば


さてなんとか一息着いたので詣ます。ええ、よみがえりますよ。

158の石段
神門
拝殿


土地全体に古式ゆかしい雰囲気が漂っている。なるほどこんな感じですか。古より身分や階級を問わず多くの人々がこの地を憧れ、救いを求め、甦りを願って訪れたんだな。よくまあ、こんな遠くまで、しかも歩いて来たもんだ。ああ八咫烏。

神門をくぐると、その先は御社殿がある「神域」だ。緊張するぜ。

神聖な空気に包まれながら歩く俺の脳裏に、ふと何かがよぎる。この景色を何処かで観た気がするぞ。何処だ? 何時だ? あまりの既視感に、だんだん落ち着かない気持ちになる。

俺、蘇っていたのかね?

ソワソワして仕様がない。なんだろうこの感じ。妙な緊張感の中、参拝して熊野本宮大社を後にする。

熊野三山巡りには順番があり、本来なら熊野本宮大社の次は「熊野速玉大社」へ行くべきなのだが、この時の俺は少々アレだったようで、ウッカリ「熊野那智大社」へ向かっていた。テンパってたんだなぁ俺。


バイクで走ること約1時間。日本三名爆の「那智の滝」へ到着。ほとんど垂直に落ちる落差140mの見事な滝だが、ここへ来てまた先程と同じ既視感に襲 われる。ゆっくりと滝に近づく度に背筋がゾワゾワして来てヤバい感じになる俺、耐えきれず慌てて女房に電話をする。

「どうしよう、俺、何か悟りが入ったかもしれん」

「熊野三社は昔行ったことあるでしょう?」

…………ええと。ん? あれ? ああそうか、俺ったら以前来てたましたか熊野。全然忘れてた。そういや、随分前に熊野古道観たくてツアーに申し込んだ事があったような。そうか、うん、やっぱりやるなぁ俺。

すっきりしたところで「熊野那智大社」へご挨拶だ。歩いて登るぜ。

熊野那智大社
熊野那智大社


こちらはそれほど大きくはないが、整った境内がとても美しい。そして日暮れが近づく感じがジワッとくる。妙に安心出来る良い空間だったな。人も多かった。

その後、お隣にある「那智山青岸渡寺」にお参りをし、三重塔を拝んで本日は終了する。色々な意味でとても疲れた一日だった。自分自身にビックりしたのは何年振りだろうか。

頑張れ俺。

那智山青岸渡寺


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