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魂はどこにある

死が暗くつらく悲しいものなら、人は皆アンハッピーエンドを迎えることになってしまう。
死は誰もが一度経験する、語弊を招きそうな表現だが、ライフイベントのひとつであり、その出来事自体のつらさや悲しみにとらわれ過ぎないようにしたい。
と、入院中の私はベッドでそのようなことを考えていた。

死はその人の身体が無くなることであるが、魂は無くならない。
なんだかスピリチュアルな話になるが。
亡くなった人のことを話すとき、話者同士が思い浮かべるその人の姿は共通であり、色があり、実態がある。
このイメージこそが魂だと私は思う。
その人の過去の姿はもちろん、例えば「こんな時あの人だったらどうするだろう」「あの人だったらどう言うだろう」と思いを馳せる時。
そこに浮かぶ言動はまさにその人の人格そのもの。
これを魂と呼ばずしてなんと呼ぶのか。

誰かの記憶にある限り、魂は生き続ける。

………これも入院中のベッドで考えていたことだった。
「西の魔女が死んだ」などを読んでいたと思う。

実際身近な人が亡くなったとき、私はその人のことをたくさん話したりしたが、未だに思い出すのもつらいこともある。
簡単ではない。
でも私が死んだときは、なるべく笑顔で私の思い出話をして欲しいなと思う。
虫の良い話である。

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