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マンガでわかる!光ファイバの融着接続方法を紹介

 光ファイバケーブルはいきなりブチッと切れたり、不可抗力によって切断されたり、故障したりすることがあります。
 ETA(Electronic Technicians Association、電子技術協会、1978年に成立したアメリカの非営利組織)によると、光回線が断線する原因は主に「バックホウフェード」です。「バックホウフェード」とはバックホウでの掘削作業による埋設物(光ファィバ、パイプなど)破損ということです。
 バックホウによる破損の場合、問題箇所を特定すれば故障を簡単に解消することができますが。モグラによる断線の場合、問題箇所を特定することは簡単ではありません。切断された箇所まで辿り着け、それを修理するのに様々な機械や設備が必要なため、金も結構かかりそうです(笑)。
 では光ファィバケーブルが断線したら、自力で修理可能でしょうか。その修理方法及び修理工具についてご紹介します。

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修理工具

1、光ファィバカッタ・光ファイバストリッパ

 光ファィバカッタ・光ファイバストリッパは融着接続、ファィバケーブル心線の被覆除去・切断をするための工具です。

2、 高精度光ファィバクリーバー

 光ファィバを融着接続するために光ファィバクリーバーでガラスファィバを切断しなければなりません。
 
また、光ファィバクリーバーはファィバコネクタ面の研磨においてもよく使用され、ファィバ融着接続機とペアで光ファイバ心線を所定の寸法に切断することもできます。

3、 融着接続機(スプライサ)

 融着接続機は電極棒に発生させた放電の熱を利用して光ファイバを溶融一体化するという技術を用いり、接続されたファィバケーブルから光が漏れたり反射したりすることを防ぐ機器です。


光ファィバケーブ断線の修理方法

Step 1: OTDRで光ファィバケーブルの損傷位置を確認する

 まずOTDRでファィバケーブルの断線箇所を確認しなければなりません。OTDRの動作原理はレーザーに近い、パルス状の光を特定の周波数で放射します。
 送出光は測定対象のファィバケーブルに沿って伝播し、ファィバケーブルの断線によって反射/屈折または散乱され、逆戻りしてOTDRの光検出器に収集されます。その結果をと通して、ファィバケーブルの光損失と断線箇所が把握できます。
 ファィバケーブルの損傷位置を特定した後、埋められた部分を掘り出し(埋設の場合)、光ファィバカッタで損傷部分を切り捨てます。

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Step 2: ファイバ保護融着スリーブを挿入

 保護融着スリーブは接続点での露出させるファイバを守るために使用します。融着後では挿入できないので、忘れずに挿入してください。

光ファィバカッタで断線箇所を切り離す
図1:光ファィバカッタで断線箇所を切り離す

Step 3: 光ファイバストリッパでファィバケーブルの被覆を除去する

 切断されたファィバケーブルの両端から光ファイバストリッパで心線の被覆を除去し、心線の一部を取り出します。

光ファイバストリッパで被覆を除去し、清掃
図2:光ファイバストリッパで被覆を除去し、清掃

Step 4:光ファイバの清掃

 高純度(99.5%以上)のエチルアルコールを使用して、当てる位置を変えながら、ファイバの全周を丁寧に清掃します。

Step 5:高精度光ファィバクリーバーでファィバケーブルを処理し、安定して良好な端面角を得る

 接続不良の原因になりますので、切断したファイバの先端は、ぶつけたり触ったりしないようご注意ください。
 切断後のファイバ屑を散乱させないよう。

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光ファィバクリーバーで端面を処理
図3:光ファィバクリーバーで端面を処理

Step 6: 融着接続

 融着接続機の操作手順に従い、融着作業を行います。
 通常、ファィバケーブルを接続するのに二つの方法があります:

(1) メカニカルスプライス
 メカニカルスプライスとは光ファイバ端面の突合せ固定が可能な専用の接続部品を用いて機械的に接続する方法です。
 接続している光ファィバ端面を同じ位置に固定したため、光が伝播できるようになります(光損失:0.3dB)。
(2) 融着接続
 融着接続とは光ファイバの切断面を溶かして接続する方法です。ファィバを先にファィバ保護スリーブに挿入したあと、融着接続機に入れます。
 融着接続機の放熱によって心線が融着します。融着接続方法は心線を熔融させ一体化にしたため、より低い光損失(0.1dB)を実現することができます。

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光ファィバ心線の融着接続
図4:光ファィバ心線の融着接続

Step 7・8: 融着部補強

 ファイバ融着部にファイバ保護スリーブを被せ、加熱器上で心線補強を行います。
 心線移動時にファイバを曲げたり捻ったりしないように注意してください。破断の原因になります。

融着部を加熱して、補強を行う
図5:融着部を加熱して、補強を行う

注意点: 光ファィバケーブルに対するOTDR測定を行う

 最後はOTDRで光ファィバケーブルの光出力状態を測定することです。問題が起きない場合、もとどおりに戻せば修理作業完了となります。

光ファイバーケーブルの正常動作をチェックするのもお忘れなく!

仕事って楽ですよね
図6:仕事って楽ですよね


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