新マガジンに『暮らしの付箋』と名付けた想い
元日からの北陸地方の地震。被災された皆さまが、一日も早く安心できるあたたかい場所で過ごせますように。心から祈っております。
今、目の前にある当たり前の日常をしっかり生きながら、今年もこの場所から、"暮らし×ことば"を紡いでいけますように。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、2024年1月から新マガジン『暮らしの付箋』をはじめます。
この1話目では、わたしが「付箋」と名付けた想いを書き留めました。
今の好きに印をつける
本を読みながら、好きなことばを見つけると、付箋を貼っています。
これはもう、いつのまにか習慣になっていこと。
その瞬間の「好き」に、印をつけている感覚でしょうか。
深い意味なんてなくて、好きだからペタッと。
わたしにとって付箋は、シンプルに好きの印なのでした。
もうひとつの付箋の意味
好きの印である付箋に、もうひとつ意味があったのだと知ったのが、2023年9月。
大好きな作家さん、青山美智子さんのサイン会へ参加したときのことでした。
実は出発前、サインをしていただく新刊『リカバリー・カバヒコ』に貼っていた付箋たちを外し、ひとつに絞ったのです。
これは、もし作品の中の好きなところをお伝えする機会があったら、限られた時間だし、ひとつにしておこう。
こんな作戦からでした。
サイン会が始まり、いざわたしの番がきて、青山さんの元へ。
サインをしていただくと、青山さんがやさしいお声で「付箋、貼っているの?」と。
「好きなところに貼っています」と答える、涙と鼻水にまみれたわたし。
するとキラキラの笑顔で青山さんが、まっすぐ目を見てくださって、
「ありがとう。付箋は作家へのラブレターだから。」
もう目の前がパァァッと開けるとは、このこと(涙と鼻水増量中)。
そう。付箋を通して、作者の方へラブレターを届けていたのですね。
(付箋、外さずにそのまま来てもよかった!)
思いがけず付箋の持つ意味(パワー)を、大好きな作家さんから教えていただいたのでした。
それからは、付箋が愛おしい存在に。もちろん付箋貼りの作業も。
そして12月に『暮らしの整理帖』が完成する頃、次にやりたいことも浮かんできました。
日々の暮らしの中で見つけた"小さなひみつ"を、ことばにしていきたい。
ささやかな、でもきっと大切なことをそのままにせず、そっと掬い上げたい。
そんな想いと、ひっそり付箋を貼るという組み合わせが、なんだかしっくりきたのでした。
愛おしい付箋をお供に、暮らし×ことばを紡いでいきます。
読んでくださった方の心に、ペタッと付箋が届きますように。
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