※以下は、FBに友人限定で投稿したものを、FBをやっていない／つながっていない友人やクライアントにも読んでもらえるように、一部修正してこちらに転載したものです※

これはわざわざ改めて書くことでもない、例えば「私実は左利きです」くらいの話ではあるんですが、思う所があるので書きます。性の話が苦手な方はスルー推奨です。

私の性自認および性表現は、ノンバイナリーです。ノンバイナリーって何？という方は、色々読んだ中で解説として私がかなりしっくりきているリンクを貼るので、読んでみてください。

幼い頃から自分が女の子であることに違和感があり、世の中が見せてくる「女の子像」に馴染めず、いわゆる男の子の好きそうなものが好きな子でした。
中学校で制服のスカートを履かされたのが嫌、初潮がきたのが嫌、体が変わっていったのが嫌でした。

でも、男の子のことを好きになり、ていうことは裏返すと自分は女なのか〜〜と思って思春期を過ごしたけど、女の子としての正解らしきことをやってみてもどうしても違和感がある。どうしても周りの女性性にも、自分の女性性にも、馴染めない。　

大学時代は、女の子の友達を好きになり、後輩女子達にキャーキャー言われ、レズビアンの同級生に告られても全く嫌な気がしなかったりで、「あれ？私はバイなのか？」と本気で考えたりもしました。

相方と出逢って恋愛結婚をして、2人の子どもを授かり無事に産めたことで、「子どもを産めた、産める性でよかった、おっぱいをあげられる性でよかった」と、心から思い、そこで、初めて女性としての肉体的特徴を受け入れられました。

でも、だからといって、自分が100%女性だと思えているわけではなく。

この感覚は説明しづらいのだけど……
私は大切な子どもたちにとっての母であるし、自分の命よりも愛している。けども、「母」については、たんなる「機能」「役割」だと感じている。たとえば二親がどちらも男性あるいは女性の家庭で、父と母の役割をどちらもが、あるいはどちらかが担っている、という感覚と変わりないのではないか？という感じでしょうか。

女性らしいファッションをしたい気分の時も、もちろんあります。ロングスカートやワンピースもたまに着るし。でも着たあとは、必ず、「もとに戻したい」という不思議な欲求、いや衝動にかられます。もとってどこなんだろう？？

私は、「男性も女性もどちらも好きになる人」ではなく、「男っぽいファッションが好きな人」でもなく、かといって、「いつでも安定して中性的な人」でもない、ということが、数年前からやっとしっくりくるようになりました。

たしかに身体的特徴や性の機能は女性なんだけども、自分が女性だということにはなんだかしっくりこない、かといって男性になりたいわけでもない。むしろ、性をどちらかに決めるのがなんだかしっくりこない、決めることに意味を感じない。日によっても相手によっても性の割合や比重が変わる。つまり性自認や性表現が流動的な人なのだ

と、わかるまでにかなり時間がかかりました。

ちなみに、ここから先は、ノンバイナリーでも個体差がめちゃくちゃ大きいところだと思うのと、もちろん相手および関係性によるものだと思いますが、私の特徴を書きます。

私は、かわいいと言われると、嬉しいけども、なんだかしっくりこないです。
かっこいい、すてき、きれい、と言われると純粋に嬉しいし、喜んで受け入れたいなと思います。
立ち居振る舞いも男役っぽいと言われることがあるけど、意識してやってるのではなくそれが自然というか好きなだけです。

2人の子どもをほぼ母乳で育てたことで、昔は割と宝満だった胸（←）が思いっきり抉れましたが、正直、憧れだった薄い体に近づいて嬉しいし、服を着ても胸のところが盛り上がらないのは私の美意識にフィットしています。

憧れるのも、かっこいい、すてき、きれい、な人。いわゆる男性的な服を着ていてもそれがなんとも言えず色っぽい女性（身体的特徴として）が好きです。
昔から、ティルダ・スウィントンが震えるほど大好きだし、セクシャリティをカムアウトしてからのクリステン・スチュワートも大好き。
ティルダは成人のお子さんがいて、ノンバイナリー。クリステンは昔はストレートだと思われてたけど、後にバイだと公表し、今は同性のパートナーと婚約している。
我らが女神ケイト・ブランシェット様は、SOGIは存じませぬが、よくバチバチにイケてる男装をかましてくれるので、その度に私、震えあがっております。見た目はこういう感じが自分の美意識にフィットするし、そうなりたい！と純粋に憧れます。まあ無理だがww言うのは自由ww

私のPinterestはこういう美しい人たちのピンだらけです。時々見ては得も言われぬ美意識へのフィット感を感じております。

私も30代半ばに、見た目の自由を手に入れ、好きな服を着られること、好きな髪型にできることが、めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えてます。ヨウジヤマモトを着てツーブロックにしたときの解放感たるや！

いまも、カウンセリングの中で、クライアントのセクシャリティなどの人権を取り扱うことが、時々あります。
私はもちろん自分のことは求められない限りは話さない、けれど、たぶん私が『この私』であることそのものが滋養となり、ご自分のセクシャリティやアイデンティティに向き合われ、解放されていくクライアントがいます。

友人関係でもずっとそうでした。「あなたになら言えるとなぜか思った」「あなたならただ受け入れてくれるとわかってた」と、どれほどの人に言ってもらえたことか。

最近も、そんなクライアントの言葉で涙が出そうになったり、プライベートの出来事から己のセクシャリティを省みたりすることがあり、ああ、今、私は、私のありようを言葉にして誰かの前にただ出したい、という気持ちになったので、こうして書き連ねました。ただ、へぇーそうなんだー、と思ってもらえたらそれが一番嬉しいですし、もし、「何かしっくりこない」と思っている人の目に触れて、「こういう人もいるんだー、へー」と思ってもらえて、なんだか1mmでも気が楽になれば嬉しいです。