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AI時代に必要な発想力の筋トレ方法〜20年前の正解を疑え〜

こんにちは、価値ビンです⭐️

前回は生成AIツールを使った遊び方を紹介しました。

その中の最後でも紹介しましたが、生成AIがいくら凄いと言っても、コンピュータには意志はありません。
AIが生成した文章、画像、音楽、動画、それらをどう利用するかを判断するのは人間です。
判断するためにはその人の感覚、感性、想いや意志があり、今後はそれらが人間が持つ能力として重要視されてていくことでしょう。

創造の力は、人間の心を特別な存在にしています。音楽、絵画、文学、科学……あらゆる分野で、人間の発想が新たな世界を切り拓いてきました。その瞬間瞬間に湧き上がるアイデアは、時には静かに秘められ、時には大胆に実現されます。人間の心は、創造の喜びを知り、未知の領域への飽くなき好奇心を抱いています。

AIが持つことのできない、人間の心の響きや複雑さ、そして繊細な情熱が、私たちを独特な存在として輝かせているとしたら、そこから生まれる発想力もまた、私たち人間を独特な存在とするものでしょう。

今回はその「発想力」をどう育むかについて考えましょう。
ブログの内容としては、発想力というタイトルの2冊の本を紹介し、その中で子育てにも活かせるアイデアを紹介します。


1. 親は「引き算で心構え」を

発想力を育む上では、その方法よりも、子ども達に最も影響を与える存在である親がどういう態度で子どもに対峙しているかが重要になるのではないでしょうか。
親の心構えができていれば、発想自体は子ども自身が自由に羽ばたかせていくものとなるでしょう。親の子どもに対するサポート方法として、足し算ではなく引き算の重要性について考えて頂きたいと思います。

1-1. 子どもの発想を見守る

特に未就学〜小学校低学年くらいの子どもたちは、いたるところで発想力を発揮します。
その時に大事なことは如何にその自由な発想を邪魔せず見守れるかです。

例えば色鉛筆でお絵描きしていた時に、太陽を書いたとしましょう。
その時に、白の色鉛筆を取り出したとします。
その時につい「太陽は赤を使うといいかな」なんてつい口を出したくなります。

「見守るポイント」は、この口出しをしないで子どもが思うままにやらせてみるということです。
例えば太陽は赤というのはよくある表現ではありますが、お昼に赤い太陽を見た人はいるでしょうか。

子どもには固定概念が薄く、純粋に見たものを表現したいという想いで取り出したのかもしれません。
そこに親の固定概念を入れてしまうと、自由な発想がどんどん「常識」というものに縛られて、「よくあるもの」に落ち着いてしまうでしょう。

1-2. 成功の反対は「チャレンジしないこと」

次に、子どもを見守っていると、明らかにそれじゃうまくいかないだろうと思う行動をとることがあります。
そんな時に、子どもの失敗を先回りして止めるのをグッと我慢してみてください。

子どもにとっての失敗は、当たり前のモノであり、失敗ではありません。
『成功』の反対は『失敗』ではなく、『チャレンジしないこと』です。

世の中の発明は『失敗』の連続で見つかったものがほとんどです。
その『失敗』から学び得た経験で次の創造へのヒントになるのです。

従って、明らかに子どもが失敗するであろうと思っても、多少の失敗は許容して、「果敢にチャレンジしている」と見守ってあげてください。
親が「子どもの失敗が恥ずかしい」と思わない度量を持つ、そんな勇気を手に入れたいですね。

1-3. 歩調を合わせることに疑問を


日本人は同調圧力が強い国民性です。
ホフステード指標では、日本は「不確実性の回避傾向の強さ」が世界的にみても強い国民であると分析されています。日本では協調能力が大切とされ、不確実なものを回避したい(見通しが立てやすいもの、経験していることに安心し、リスクを取りたくない)傾向にあるのです。
(https://www.hofstede-insights.com/country-comparison-tool?countries=japan)

ホフステード指標(日本)


周りから浮いていると、気になったり、恥ずかしくなったりしてしまうのは、日本文化の中では自然なことでしょう。しかし、特に欧米では個性が重視されるので、人と違うことが賞賛される場面があります。
日本の人口が減少する中で、私たちの子どもが将来、日本にだけ留まる可能性、またはオンラインで海外とのやり取りを一切しないという可能性は低いでしょう。日本の国民性が良い、悪いという意味ではなく、子どもたちが生きていく世界が、私たちが経験しているものとは違うものになる可能性を考えた時に、私たち親世代が経験し育ててきた考え方が、子ども達が生きる社会にマッチしなくなる可能性があるのではないでしょうか?

周りと歩調が合っていないと気持ち悪い・恥ずかしいという考えを一度忘れて、歩調が合っていないことを少し誇らしげに、子どもを見守ってあげてください。

1-4. 結果ではなく発想プロセスに注目する

子どもが自由に発想した成果物を見る時には、彼らが頑張った点を見つけて、そこをたくさん誉めて(認めて)あげましょう
もちろん、成果物としての絵や工作、作ったもの、それら自体を賞賛することも大事ですが、もっと大事なことは、発想したプロセスを認めてあげることです。
例えば、
「この部分の形は思いつかない凄い発想だね!」
「えーー!すごい!どうやって思いついたの?」
「一生懸命考えている姿が素敵だったよ!」

結果よりも、そのプロセスやアイデアを考えた姿に注目してあげてください。結果は本人が周りから評価を受ければよいのです。

では、ここからは書籍を参考にして、発想力を育むアイデアを考えていきます。

2.『超 発想力』by メンタリストDaiGo

メンタリストDaiGo氏が発想力を生み出すヒントについて言及されている書籍です。
DaiGo氏はあらゆる論文等に知見があるので、発想力を高める方法とその根拠が書かれているので参考にしました。
「現代は正解がない時代」と言われて、実際にあらゆるモノ、あらゆるサービス、多様化が進んでいますが、その中でこそ必要となってくる発想力の重要性と共に、それらを育てる方法が豊富に記載されています。

この書籍の中から、いくつかピックアップして、子育てに応用できるものを紹介します。

2-1. 多くのモノを与えすぎない

今は便利な時代で、多くのものをインターネットで購入することができます。
子どもに良いと思うものをどんどん買ってしまうかもしれません。
ただ、それが必ずしも発想力を高めることにはならないのです。

トレンド大学が行った興味深い実験があります。その実験では、生後18~30カ月の幼児36人を2つのグループに分け遊ばせ、与えられた条件下で集中力がどのような影響を受けるかを調査しています。

4個の玩具しかない部屋で遊ぶグループ
16個の玩具がある部屋で遊ぶグループ

その結果、4個しか玩具のない部屋で遊んだ子供たちは集中力が2倍になり、一つの玩具でいろいろな遊び方を工夫しながら遊んでいたそうです。

つまり、ある程度制限のある環境の方が、子ども達は自分で工夫して、それを補おうとするのです。
多くのものを買いあたえる前に、ないならないなりに楽しむという工夫をしてみてはいかがでしょうか。
公園やキャンプなど自然の中が良いのはそのような側面があるのかもしれません。鳥は抵抗がないと飛べない、の言葉を思い出しますね。

2-2. 注意力は散漫でもよい

テレビを見ているのに、全く別のことを考えていた。そんな経験はありませんか?注意力がないなと思ってよくないと感じるかもしれませんが、実は発想力という点では悪くありません。

リーキー・アテンションという言葉があります。目の前のことに半分集中しながら、残りの半分は全く違うことを考えているような状態のことです。

一見、良くない状態のように見えますが、ノースウエスタン大学が行った実験では、このリーキー・アテンションを起こしやすい人の方が創造性が高く、クリエイティブな仕事をしているケースが多かったそうです。

子どもが集中していないなと感じたとしても、それほど気にしないで良いのかも、と考えると親も気持ちが楽になりますね。ただし、アイデアを発散するときにリーキー・アテンションが起きるのは良いのですが、アイデア実現のための行動を起こす場合には、注意力は高い方がよいようです。

2-3. 体を動かすとアイデア発想が刺激される

散歩やジョギングをしているときに良いアイデアが閃いた!という経験はありませんか?
スタンフォード大学は、体を動かしながらの方がアイデアが浮かびやすくなるという実験データをデータを公開しています。

スタンフォード大学の実験では、実験対象の人々を以下の4つのグループに分けました。
1.室内で座りながら考えるグループ
2. 外で座りながら考えるグループ
3. 室内で歩きながら考えるグループ
4. 外で歩きながら考えるグループ

結果として、圧倒的に4のグループ(外で歩きながら考える)がアイデアの質も量も高かったそうです。

発想をする場合は思考をいったん発散させる必要があり、外界からのさまざまな刺激を受けたり、手や体を動かすことで脳の血流が増え、脳内で情報を伝えるシナプスが発達することで脳が活性化します。その効果によって、アイデアがひらめきやすい状態をつくることができます。

ワシントン大学が行った研究では、椅子に座って会議をするグループと、椅子を使わないで立ちっぱなしで会議をするグループでは、立ったまま会議を行う方のグループの方が多くのアイデアが生まれる結果が報告されています。

ジェスチャーも効果的です。
じっと考えるのではなく、時には体で表現したり、歩いたりするのが良い効果を生むようです。子どもはただでさえじっとしていないものですが、それは実際に良い効果を生むことにつながると考えることもできます。

2-4. 視点を変えてイメージする

発想力にはイメージする力も使えるそうです。
例えば、将来の自分をイメージしたり、自分が別人になったと仮定して想像すると良いようです。

テルアビブ大学が行った研究で、1年後の自分の人生を考えさせたグループと、明日の自分を考えさせたグループとでは、前者の方が2倍クリエイティブな発想が出来たそうです。

今の状態ではなく、将来の事を考えることで、一旦現状を切り離せるのかもしれません。
そういう意味では、1年後ではなくても、10年、20年と考えてもいいかもしれませんね。あなたのお子さんの年齢に合わせて想像させても良いのではないでしょうか。

2-5. 認めてもらえる環境に置く

子どもを認めることが良い効果があることは、研究結果でも証明されています。

ハーバード・ビジネス・スクールの研究では、ひたすら褒める手紙(「あなたは頭がよくて、回転も速い。すばらしい!」)を受け取ったグループと、そうでないグループに分けて実験を行ったところ、褒める手紙を読んだグループの方が、発想力が必要な問題に多くの答えに行きついたそうです。

3.『発想力 ~「0から1」を生み出す15の方法』by 大前研一

かつてマッキンゼー・アンド・カンパニーの日本支社長を務めていた、世界的なコンサルタントである大前研一氏の書籍です。
彼から生まれたものは「3C分析」を筆頭に数知れず、また彼が出版した書籍は世界中で翻訳され読まれています。

こちらの書籍では、AIがもらたらすシンギュラリティが訪れる時代に対して、「0から1」を生み出すことの重要性をうたっています。

ビジネス書なので、かなり深い内容なのですが、子どもに対しても使えそうなものをピックアップして紹介しましょう。

3-1. 「違うものの組み合わせ」がイノベーションの正体

二つの違うものを組み合わせて新たな価値を生み出す方法です。
例えば、水陸両用バス。
水の上を走るものと、陸の上を走るのものを一緒にしたものです。

他にも、携帯電話とデジカメを組み合わせたことで、写メールというものができたり、さらにカメラ付携帯とオークションを組み合わせて、「モバオク」という日本最大級のオークションサイトが誕生しました。
最近のスマホでは当たり前のレンズが複数ついているモノ、こちらも暗いままの写真と、明るくとった2枚の同じ写真を合成させて綺麗な画像に仕上げるという、画期的なアイデアを採用しています。
今では当たり前のものが、いろいろなものの組み合わせでできていることがわかります。
経済学者のシュンペーターは、「イノベーションは既存のもの同士の思ってもみなかった新しい組み合わせ=”新結合”が新たな価値を持った時に起きる。」と言っています。

子どもにも、「これとこれが一緒になるとどんなものになるのかな?」というような質問を投げかけてみるといいかもしれませんね。


3-2. 未来を自由に想像する

昨今では、あらゆるサービスが次から次へと生まれて、追いつくだけでも大変かもしれません。
一旦思考を切り替えて、使うだけではなくその未来を想像してみましょう。

例えば、自動運転が当たり前の世界になったらどんな未来が来るでしょうか。そこに生まれるサービス、なくなっていくサービスが思いつくかもしれません。
Google Mapが登場した時には、なぜGoogleが地図をとも思いましたが、今では検索のベースになっており、自動運転にGoogle Mapが使われるようになるかもしれません。
そうすると、自動運転で車にのっているだけで、あなたにお勧めのラーメン屋さんを提案する時代が来るかもしれません。
つまり、車は宣伝媒体となるので、乗ること自体は無料になるかもしれません。
無料になると、みんな車は買わなくなるでしょう。使いたいときは、スマホで車を呼ぶだけ。
そうすると、今度はホテル代わりに使われるかもしれません。寝ている間に自動運転されて、朝方には旅行先についているやも。
そんな時代が来ることだって考えられます。
そうすると、ホテルは苦戦してしまうかもしれませんね。

こんな想像をしてみると、様々な発想が生まれます。今ある技術が当たり前になったらどうなるだろうか。
そんなことを子ども達と考えると、面白そうではないですか?

3-3. 使われていないものをどう利用するか

使われていないもの(空き)を有効活用するのが最近の流行です。
たとえば、Airbnbは民泊ですが、Airbnbの創業者が誰も使っている人がいない一室をもったいないと考え、部屋にベッドを置いて一時的に貸したところから事業が始まっています。

Uberもそうですね。もともと車に乗っていて、余っている席についでに人を載せてお金がもらえるなら乗せましょうという発想から生まれています。

最近では人のスキルも「空き」を使うサービスがあります。「クラウドワークス」というサービスがありますが、これらは人にやって欲しい仕事を、そのスキルを有する人が代わりにやるというものです。
スキルを持っていて、時間に余裕がある人が副収入を得ることができるのでwin-winです。

子どもたちと、公園や旅行先で使われていない「空き」を見つけて、何に使えるかな?と考えてみると面白いかもしれません。

3-4. 真ん中を考えてみる

ちょうど真ん中がよかったりする場合もあります。
例えば、飛行機のエンジンは翼のところにエンジンがあり、左右にあるので2つエンジンがあります。大きいものですと、4つとなります。さらに大きいと8つになり、このように、2,4,8と偶数になります。
しかし、ボーイング社が1964年に3つのエンジンを搭載した飛行機を開発しました。胴体の後ろの方に1つだけ追加したのです。これには世界も驚いたようです。(驚く人たちも相当マニアックですね!笑)

他の例として、500mlと1000mlのペットボトルがあったら、その中間は750mlですね。最近では600mlなど大きめのペットボトルが増えてきました。もしかすると、同じような発想から生まれたのかもしれません。

中間だけでなく、両側を攻める方法もあります。
500ml-750ml-1000mlであれば、500より小さい250mlや、1000mlよりちょっと多い1250mlなど。
想像がしやすいので、子どもが何か悩んでいたら、「間を取るとどうかな?」と声をかけてみてもいいかもしれません。

3-5. もし自分が○○ならどうする?

あなたがもし会社の社長だったらどうするか。学校の校長だったらどうするか。市長だったら?総理大臣だったら?
一度、自分の立場を忘れて、固定概念を外し自由に考えられるとしたら、自分はどうするか?
公園に遊びに行って「もし、公園を作る人だったらどんな遊び場にする?」
こんな発想ゲームをしてみると、夢と視野が広がります。

3-6. 目に見えないものを見る力「構想力」を鍛えよ

「構想力」は大前研一氏が重要視している言葉です。
サイバー社会で“飯のタネ”になるのは、人間にしかできない仕事です。コンピュータは記憶には強いですが、“0から1”を生み出すことには弱い。だからこそ、見えないものを見る力、『構想力』が求められるのです。

構想力の例としては、「何もない土地にどんなものを作るといいのか?」そんな類の考え方です。

例えば、アメリカの「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」。これがあった場所は、ワニだらけの湿地帯だったようです。そこに、ウォルト・ディズニー氏は「ここに子どもから大人まで楽しめる通年型のテーマパークリゾート」を構想し、見事に作り上げたのです。

広い海、広い山などをみて、「ここにどんなものを作ると楽しいかな?」
そんな会話をしてみることこそが、「0から1」を生み出す発想力を鍛える可能性があります。


4. 最後に

いかがでしたか?

子どもの頃からその発想方法を知って知らずにトレーニングしていると、子ども達が目の前のものを見る視点が変わるかもしれません。

今回紹介したのは本に書かれているほんの一部です。
ぜひ一度手に取って読まれてみてはいかがでしょうか?

できることから一つずつ。
それでも確実に一歩ずつ。
一緒に歩いていきましょう✨
子ども達と共に、学びながら私たち親自身も一緒に育っていきましょう✨


(株)Kachibin
ユニークな学びのスタイルをもった10歳〜15歳のお子様に向けてマンツーマン&グループ型で英語レッスン&探求型学習をオンラインで提供しております。
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「価値ビン」が目指しているのは以下の2つです。
1) 子ども達自身が自らの成長を感じて「僕の・私の価値がビ~ンと上がった!」と感じてくれること。
2) 彼らに関わる大人達が、子ども達の変化を感じて自分の価値がビ~ンと上がった!」と感じてくれること。

このブログが、我々が子ども達の成長のサインを見つけて受け取り、彼らと共に学びの旅を歩むための、数ある冒険の書の中の一つとなってくれることを願っています。



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