見出し画像

橋本病と妊娠について

私は27歳位の時に健康診断で慢性甲状腺炎(橋本病)が見つかり、それ以来15年の付き合いになります。

不妊症、不育症において、甲状腺ホルモンのコントロールの仕方、医師の知識はめちゃくちゃ重要!だと感じています。

私はこれまで甲状腺で、6軒の病院にかかりました。
甲状腺は専門医で無くても内科で診てもらえることも多いですが、妊活中の橋本病の方は、軽度でも絶対に専門医で診てもらってほしい!です。

ちょっと長くなりますが、わたしのこれまでの受診記録です。
橋本病の方の参考になれば幸いです。

①橋本病診断〜1回目妊娠まで
東北某県の総合病院の血液内科。
主治医は甲状腺専門医では無かった。
3ヶ月に1度の血液検査。
TSH4.5未満なら投薬無しの経過観察でOK(妊娠時も同じ基準だった)

橋本病と診断された時、妊娠についても説明がありました。
赤ちゃんの知能に若干の影響があるかもしれないから、妊娠したら薬を飲むことになると思うからすぐに来てね。と。
まだ独身だったせいもあるかもだけど、不妊や不育の話は無し。

そして、1回目の妊娠発覚時(5週後半くらい)、ちょうど里帰りしていたこともあり、妊娠の報告と引越し先への紹介状のお願いのため、この病院へ行きました。
たしかTSHは4.2とかだったけど、投薬は無し。
この後、広島に戻った時にすぐに紹介状持って、甲状腺を診てもらうべきでした。

甲状腺ホルモンのコントロールの重要性を知らず、妊娠後、一度診てもらったことですっかり油断。
婦人科に心拍確認に通うも、甲状腺のことなんてすっかり忘れていました。
そして1度目の稽留流産となります。

②1度目の稽留流産〜2度目の妊娠直前まで。
広島県の某総合病院の内科。
甲状腺の専門医。
3ヶ月に一度の血液検査。

流産後、少し落ち着いた頃、思い出したように紹介状を持って、病院に行きました。
某大学病院から週一でこの病院に診察をしに来ている、甲状腺の専門医。
サバサバした女性の先生です。
紹介状には妊娠中の記載でしたが、この時既に流産後。

ここで初めて、
・橋本病が不妊や流産の原因になること
・妊娠を希望する場合は、TSHの基準が変わり、2.5以下にする必要があること
を知りました。

これまでの検査結果をみると、TSHは妊娠時も妊娠前も、大体2.5以上4.5未満。

「副作用の無い薬だから、少しずつ飲んでみる?」と、チラージンを25μgから飲み始めることになりました。

その後、だんだんと薬の量が増え、25→50→75μgとなります。
でも、この頃、これでもまだ私は甲状腺の重要性がわからずにいたんです。
ちょうど、前回、前々回の記事のように不妊治療に行き詰まっていた頃。
薬に頼るのは良くないなんて考え方を聞くこともあって、チラーヂン、こんなに増やす必要あるの?なんて疑いだしていました。
そして、甲状腺も病院を変えてみたくなりました。
今思えば、ここではとても良い治療を受けられて、結果も出ていたのに…。

③2度目の妊娠直前〜流産
広島県の某不妊クリニック
甲状腺専門医では無く、不妊治療の専門医。
TSH基準は2.5以下。

前回記事のように、不妊クリニックを変えました。
その際、甲状腺も診てもらえるか?と聞いてみたら、診てもらえるとのこと。
一軒で不妊と甲状腺一緒に診てもらえたら、通うのも楽だしいいな!とお願いをしました。
そして甲状腺の血液検査の結果が出た時、薬を減らせるなら減らしたいと伝えたところ、チラーヂンを50に減らしても良さそうとのことで、減らすことになります。
そして、この直後に2度目の妊娠〜流産となります。
今となれば、薬を増やすべきタイミングで減らすことに…。
②の病院で継続して診てもらうべきだったと後悔をすることになります。

④不育症診断〜広島からの引っ越しまで
広島県の某内科。
甲状腺専門医。
通院は3か月に一度だが、血液検査は6ヶ月〜9ヶ月に一度。
TSH基準は2.5以下。

不育症の検査を経て、やっと甲状腺の重要性に気付いた私。
検査の間隔が長いのが気にはなったけど、専門医で妊娠や流産の知識もあり、待ち時間も少なかったので、このクリニックに通うことに。
ここには3年位通うことになり、ホルモンの数値も安定してチラーヂンも50μgのまま。
妊娠することはありませんでしたが、気持ち的には安心して通えました。

⑤引越し先の九州で、1回だけの受診。
甲状腺専門の中規模医院。
通院は1年に1回。
TSH基準は2.5以下。

2度目の流産から3年後、私たち夫婦は
九州の某県に引っ越し、半年位の短い間でしたが住むことになりました。
そのため初診の1回だけの受診で終わった病院。
ここで言われた通院ペースは、なんと最長の1年!
家から車で1時間位かかる所だったので、気を遣ってくれたのかもですが、あまりに長い…。
そして、妊娠発覚時の受診も心拍を確認してから来てね。とのこと。
それまで2度、心拍確認前に流産した身としては、不安でしかないんですけど…😰

結果またすぐに引っ越しで病院変わることになり、この病院のやり方が良いのか悪いのかは不明ですが、不安が大きかったので、ここに住んでる時に妊娠しなくてよかったなって思ってます。

⑥東北の地元へ戻り、妊娠。←今ここ
内科クリニック。
甲状腺専門医。
妊娠前〜現在も月1回の受診と血液検査。
TSH基準2.5以下

妊娠中の現在通っているクリニックです。
初診から、流産歴のことなども丁寧に話を聞いてくれ、そして受診間隔は妊娠前から最短の1ヶ月毎という、とても丁寧な先生です。
妊娠前は月一って多すぎでは?面倒くさいなぁなんて思ったりもしたけど、妊娠中の今となっては本当にありがたい。
おかげさまで、順調に臨月間近までこれました。

TSHは妊娠前、妊娠中ともに2.5以下にコントロール。
妊娠中はそれに加え、T4を基準値内のMAX値に近付けることが目標とのことで、TSHが基準値内でも、チラーヂンを増量。
妊娠6週頃から、50→75μgに増量、その後100μgに増量し、今服薬中です。
検査結果は産科の主治医にも共有し、いいと思いますよーと毎回言われています。

出産後も月一で通うのだろうか…とちょっと気になりながらも、まずは無事出産することを考えて、先生を信じて通っています👶

橋本病って痛みとか全然無いし、妊活のための治療範囲では具合も悪くないし、全く自覚症状無いんです。
見えない、感じないからこそ、きちんと専門医の先生に診てもらって治療することが、妊娠、出産において、ほんっとに大事だと今思います。

日本甲状腺学会の認定専門医リスト

https://www.japanthyroid.jp/public/specialist/map.html


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?