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デンマークの歩行者通りを一望できる、『カフェ・ヨーロッパ』でひと休み。

気温もぐっと低くなり、キーボードを叩く指も思うように動かない。そう、今は11月。秋も深まり紅葉もいよいよ本番と言う時期なのだが、お盆休みの北欧旅行で訪れたカフェについて今更ながら書こうと思う! ちなみに、前回フィンランドのカフェについての記事を書いてからもう3か月ほど経とうとしている。ややもすれば旅行の記憶が失われそうだ。

さて、今回の旅行で私たちが訪れたのは、フィンランドとデンマークの2カ国。もともとフィンランドへ行きたいがために企てた旅行だったので、デンマークは「コペンハーゲンだったら近いし、ついでに行っちゃおう」くらいの気持ちでプランに組んだのだったが、これがなかなか楽しかった。なんといっても、デンマークは入出国がめちゃくちゃ楽なのだ。去年のNYへ旅行へ行ったときは、その厳しさと面倒くささ(さらに言えば働く人々の態度の悪さ)に苦しんだものだったが……。しかしそのわりに日本人観光客は少なかった印象。中国人の団体ツアー客にはしばしば出くわしたものの、日本人にはヘルシンキのほうが人気だったようだ。ユーロは使えないためヨーロッパ旅行としては多少不便もあるが、どこを歩いても素晴らしい景色に出会えるので是非おすすめしたい。

賑やかな通りを眺めながら、カフェタイムを楽しむ。

やはりデンマークへ来ても旅の目的は買い物と、何よりカフェでひと休みすること! 私が趣味でカフェの記事を書いていることを知っており、「カフェ行かなくていいの?」「どこに入るの?」と気遣ってくれる姉と、すっかり歩きつかれてとにかく腰を下ろしたい父を連れ、入ったのは『カフェ・ヨーロッパ』。ヨーロッパ旅行で訪れるのにふさわしい名のカフェではないだろうか。

コペンハーゲンの歩行者天国であるストロイエ通りの一角、広場を一望できる賑やかな場所にある、解放的で気持ちの良いカフェ。なんとなくヨーロッパのカフェやレストランの店内にはうす暗い印象があるのだが(実際、このあとランチで利用した店もすごく暗かった)、光がさんさんと注ぐ店内は美しく、なんとも気持ちがよかった。

実はこの店、コーヒーよりも食事が人気らしいのだが、例によってブランチビュッフェと度重なる間食によりお腹に寸分の余裕もない私たち……。やむなくここでもカフェラテのみ注文した。

やはりデカい。今回の北欧旅行で最も驚いたことは、提供される食事や飲み物の量の多さだ。たしかに価格は日本の相場よりも高いような気がするのだが、近所のカフェでこの量のカフェラテを出されたら私は3時間は粘れると思う。

肝心のカフェラテは、あっさりした口当たりで飲みやすく、ガムシロップがいらないくらいまろやかな味。なんとこの店、世界バリスタ選手権で3人ものチャンピオンを輩出している名店なのだそう。私がコーヒーの違いのわかる女だったのならより正確なレポートができたのだが、誠に残念である。

この店内の美しさがお分かり頂けるだろうか。通りからは賑やかな人々の笑い声、店内には絞ったボリュウムで流れる音楽と、控えめなスタッフの談笑。ちなみに店内は空いているが、テラス席には客足が途絶えない。やはり、北欧の人々にはテラス席で日を浴びながらカフェタイムを楽しむのがスタンダードなのだろう。


ストロイエ通りではこのあとハイセンスな家具と雑貨の並ぶ『イルムス・ボーリフス』で買い物を楽しみ、ぶらぶらと歩いてニューハウンへ。そこでは、まるで『ハウルの動く城』の世界へ入ったかのような美しい景色を見ることができた。せっかくだから!とツアーボートへ乗り込んだ瞬間豪雨に見舞われたが、まあそれもいい思い出である。

デンマークでは良くも悪くも人に声をかけられることが多く、「デンマーク人はシャイ」という事前情報は見事に打ち砕かれた。酔っ払いに絡まれるような災難もあったが、駅で電光掲示板をきょろきょろと見回していた私たちに「どこへ行きたいんですか?」と日本語で声をかけてくれたマダムもいた。なんでも日本語勉強中の方だったようなのだが、その優しさには胸を打たれた。街の美しさや治安の良さはヘルシンキに劣るだろうが、移民も多くエネルギッシュな人々にあふれた街コペンハーゲンには、是非また訪れたいと思う。

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