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FALL OF XはX-MEN REDがぶっちぎりで面白い

 こたけ正義感の逆転裁判シリーズを楽しんだり、ガブリエル・ぜヴィンの『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』を読んだりしたことで長らく閉じきっていたゲームチャクラがうすーく開いたようで、昨年末は色んな方の『8番出口』プレイ動画を観ていた。いや動画観てるだけかいって思われるでしょうが、旬のゲームに目を向けているってだけでも、自分の中では稀も稀なことなのです。

「延々階段をループして目的階に辿り着けない」系の悪夢の例の感覚を、不条理さを損なわずにきちんとゲームへ落とし込んでいるのは凄い。…などと、自分でプレイもせずにわかったようなクチをきいてしまうのは『トゥモロー×3』の熱に浮かされたせいなのだけど、そういうやつにはちゃんとバチがあたるもので、繰り返し動画を見すぎたせいでスーツの双子が夢に出てきた。ループの夢がゲームになり、ループのゲームが夢になり。もちろん、年始に流れていた箱根駅伝のCMももうそれにしか見えず。


 自分はとにかくゲームがヘタだし、気質がそれに向いてないってこともよく知っているので、実際にコンピュータゲームをプレイする機会はこの先も当分ないと思う。しかし、ふとKindleを開くと未読のX-MENがいっぱい溜まっていて、ちょっとよそ見しただけで鬼のような積読が発生する毎週のこれは理不尽/不条理系ゲームとちゃうんかいボケェとも思う。ほんでやっぱヘタやのォワレェ。

 というわけで、未読のFALL OF Xタイトルが結構残っているのに『FALL OF THE HOUSE OF X』まで始まってしまって、年始から焦っています。
 こういうときは、ためらわずに最新号から読むことだ。

FALL OF THE HOUSE OF X #1 - Kindle

 クラコア期X-MEN最終章、の第2章。もちろんFALL OF Xから引き続きワクワク追いかけてはいるけれど、いざ〝HOUSE OF X〟を冠に掲げられると、否が応でもあの語り口をまず思い出し、ヒックマンの不在を意識させられる。HEAD OF Xは本来この物語をどうするつもりだったのか、なんて考えちゃう。もちろん、1号は反撃の狼煙を上げつつ状況を整理しつつという導入篇でちゃんと面白いから、ひとつ気張ってくださいダガンさん。ぼくもピニャータスペシャルよりもスクリューボールスペシャルの方がいいと思います。

 当方、現行X-MEN全誌購読勢ながらリアルタイムでの全誌読みはもう正直できておらず(このザマを笑っていいのは昨秋の7誌同時リリース週を乗りきったひとだけだ!)、このようにメインストーリー(X-MEN誌、IMMORTAL誌など)をなるべくオンタイムで押さえ、周辺タイトルは後からポツポツ拾っていってるのですが、

 FALL OF Xの本筋は地上戦だろと決めつけて、すっかり後回しにしてしまっていたX-MEN RED誌のジェネシス編に正月着手したところ、これがちょっとどうかしちゃうくらい面白く、新年早々猛省しています。

 争いの伝統を捨て変わりゆく惑星アラッコを嘆き、更なる闘争を仕掛けるジェネシス。フォーホースメンらの猛攻、星を二分しての大戦争。そしてストームの手元で踊るのは、エターナルズから託された最終兵器のトリガー。平和を勝ち取るため、すべてを終わらせるしかないのか——?

X-MEN RED - Kindle

 怒涛のクライマックスを迎えるアラッコ最終決戦、X OF SWORDSでややおあずけをくった部分や、A.X.E.: JUDGMENT DAYに当初期待していたものが全放出! 昨年内に読みおえていれば余裕で年間ベストアークに選んでいました。RED誌としての物語はきっちり締めつつ、続く最終章への誘導までちゃんと行う完璧ぶりなんだけど、このあとのストーリーがこのテンションを超えてくることなんてあるのだろうか?
 クラコア期の終了後も、引き続きアラッコが舞台のコミックは読みたいな。なんなら、X-MEN文脈から独立してコズミック系列タイトルとして全然成立するのでは。アル・ユーイングやヒックマンはまだそれぞれネタを隠し持っているような気がする。

 そういえば、ここへきてHOUSE OF X / POWERS OF Xのストーリーを時系列通りに並べ直したバージョンがMARVEL UNLIMITEDに上がっていて、サッと流し読みしただけですがめちゃくちゃ興味深い! 言ってみりゃ、一個魔法を解いたような状態でお出ししているわけで、いいのかいヒックマンとも思うけれど。ご興味の向きはクラコア期完結前にぜひ。

HOUSE OF X/POWERS OF X: CHRONOLOGICAL EDITION (2024) #1

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