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「FUJITSU頭痛プロジェクト」とは?!8割の従業員が頭痛への理解を深めた頭痛教育。頭痛への正しい知識を身につけ、健康で働きやすい職場づくりへ

こんにちは!富士通 広報の佐藤です。
今回は富士通の頭痛にまつわる取り組みについてです。

富士通では、人材が最も重要な資本であると位置づけ、2019年より、がんや頭痛、腰痛予防、骨の健康増進プロジェクトなどを実施し、すべての従業員が心身ともに健康でいきいきと働き、ウェルビーイングを実現できる環境づくりを推進しています。

日本全体でも片頭痛は有病率が高く、多くの方が痛みに悩み、その痛みは生産性やQOL(Quality of life、生活の質)の低下を引き起こしています。一方、患者本人も含め、世間では頭痛は軽視される傾向があり、適切な対処や治療が行われていないことが大きな問題とされています。

そこで、2018年に富士通は、国際頭痛学会、世界保健機関、日本頭痛学会との4者による共同研究の一環で、富士通社内において「職場における慢性頭痛による就業への支障度調査」を実施した結果、調査対象の国内従業員約2,500人の内85%が頭痛を自覚していました。また、その内84%が治療を受けた経験がありませんでした。さらに、頭痛による休業やパフォーマンス低下において富士通が受ける経済的損失は、慢性頭痛のある従業員1人当たり平均年間10万円(片頭痛では年間26万円)、全従業員に換算すると年間26億円と、従業員全体の年間給与支給総額の約1%に相当することが判明しました。また、慢性頭痛のある従業員の健康関連QOL尺度※は、日本全体の標準よりも低下していることが明らかになるとともに、頭痛による仕事や生活への支障度は予想以上に深刻であることがわかり、このことが、富士通が、頭痛セミナーや頭痛相談などの頭痛対策に関するプログラムを提供する「FUJITSU頭痛プロジェクト」に取り組むきっかけとなりました。

※健康関連QOL尺度:疾患や治療が、患者の主観的健康感(メンタルへルス、活力、痛みなど)や、日々の仕事、家事、家庭生活、レジャー、社会活動に与えるインパクトを定量化したもの。

慢性頭痛による休業やパフォーマンスの低下による経済的損失を試算した結果(2018年6月時点)

富士通は、本共同研究結果を踏まえ、2019年度から国際頭痛学会の世界患者支援連合(GPAC)、日本頭痛学会との3者共同で、「FUJITSU頭痛プロジェクト」の各種プログラムを開発しました。頭痛に関する正しい知識の習得に向けて、国内の富士通グループ従業員約8万人(2020年当時)を対象として2020年10月より実施したe-Learningを起点に、頭痛患者へのビデオセミナーや専門医とのオンライン頭痛相談、頭痛体操などを実施しました。本取り組みを通じて、頭痛改善による仕事の生産性やQOLの向上を図るとともに、頭痛患者が安心して働きやすい職場づくりを推進しています。

「FUJITSU頭痛プロジェクト」の概要

e-Learning実施後のアンケートによると、「頭痛は日常生活への支障が大きい病気だと思う」と回答した従業員が70.6%と、受講前に比べ23.8%増加しました。「頭痛症状のある人への接し方が変わりそうだ」と回答した従業員は76.9%でした(選択しなかった者の中には、元々頭痛症状のある人に配慮できているというコメントもありました)。また、本e-Learningの実施について、「チーミングおよび個人のパフォーマンス発揮のために、非常に有用だと感じた」「頭痛の辛さは周囲の理解を得にくいため、全社への理解促進に感謝している」といった声が寄せられました。頭痛相談では、問診による頭痛の診断、頭痛との付き合い方の指導などを行い、頭痛相談を受けた従業員の頭痛症状が現れた日数が約3日減少しました。

2022年3月には、富士通の頭痛への取り組みが評価され、世界で初めて、国際頭痛学会の世界患者支援連合より頭痛対策プログラムの世界的リーダー企業に認定されました。

その後も富士通では「FUJITSU頭痛プロジェクト」を継続しており、慢性頭痛への理解浸透と認知度向上の検証結果を学会などで公表しています。日本のみならず海外においても広く富士通の取り組みが評価され、富士通モデルとして広がることが期待されます。これにより、富士通グループの従業員のみならず、働く人々の生産性向上や社会全体のウェルビーイング向上に貢献していきたいと考えています。

ここで、富士通 健康推進本部の五十嵐久佳先生(富士通クリニック頭痛外来担当、頭痛専門医・指導医、産業医)からのメッセージを紹介します。

五十嵐先生プロフィール

日本頭痛学会、日本頭痛協会では、毎年2月22日を「頭痛の日」として制定し、頭痛を持つ患者さんが周囲から適切な理解を得てサポートを受けることができるよう様々な啓発活動を展開しています。グリーンは片頭痛患者さんに優しい色とされていることから、様々なグリーンキャンペーンを行ってきました。例えば、頭痛医療に関わる私たちは、「頭痛の日」には、頭痛に悩む方々が声を掛けやすいよう、グリーンのリボンを目印として身に着けています。「頭痛の日」のポスターもグリーンを基調としたものを作成し、2023年は熊本城がグリーンにライトアップされました。

頭痛の日に頭痛に悩む患者さんが声掛けしやすいようグリーンリボンを身に着ける医療関係者

頭痛は多くの方に起こる身近な症状であり、国内の富士通グループ従業員によるストレスチェックの自覚症状としても毎年第4位にランクインされています。2018年に実施した一部の国内富士通グループ従業員(2,500人)を対象とした疫学調査でも、85%の人は頭痛を自覚していました。

頭痛と言ってもその種類は多種多様で、中には命に関わる危険な病気の症状の一つとして現れることもありますが、多くは片頭痛、緊張型頭痛などの一次性頭痛と呼ばれるものです。一次性頭痛は繰り返し起こるので生活や仕事に支障をきたすことも多く、特に片頭痛は障害生存年数(理想的ではない健康状態で過ごす年数)が腰痛に続いて2番目に長い疾患であることが示されています。しかし、多くの人は頭痛があっても、市販の薬を飲めば何とかなる、一晩寝れば良くなる、病気ではないといった思い込みや、適切な受診科や施設がわからないなどの理由で医療機関を受診していませんでした。また、症状が目に見えにくいため周囲の理解が得られにくいことも、頭痛が軽視され、適切な対処や治療が行われにくい要因の一つです。

このようなことから富士通は、健康経営の一環として「FUJITSU頭痛プロジェクト」を立ち上げ、従業員の頭痛への理解浸透を図った結果、従業員の頭痛に関する相談件数が増加しました。従業員からの頭痛相談では、頭痛の種類や原因の診断、頭痛改善に向けた受診者ごとの生活改善、運動などの指導を行います。必要に応じて各地の頭痛専門医をご紹介し継続的に治療や指導を受けていただきます。相談から6か月後の調査では頭痛症状が出る日数の減少や痛みの軽減が見られています。また、受診した従業員より「頭痛は治せるものだという知識がなかったが、初めて自分の頭痛の原因と対応方法を知ることができた」といった声が寄せられました。

日本頭痛協会「頭痛の日」のポスター

富士通クリニックでは月曜日と火曜日に完全予約制で頭痛外来を設けています。富士通従業員以外の方も受診できますので、頭痛にお悩みの方は、頭痛外来を受診して健康な毎日を取り戻してください。

五十嵐先生が座長として登壇し、富士通 健康推進本部の産業医の横山 雅子医師が講演します。
2月22日(木)19:00~20:00 オンライン
第4回「片頭痛コントロールカレッジ」頭痛の日特別トークイベント『片頭痛の、ホントの痛み』開催 (amgen.co.jp)
認定頭痛専門医が片頭痛による悩みとコントロール方法を話し合う

※2024年2月22日に、トークイベント(2/22開催)の登壇者情報を追加しました。

関連リンク
Health Well-being(富士通グループ健康宣言)


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