思い出してしまった。

「ねぇ、送別会のあと、二人で夜のピクニックに行かない？」

なんでそんなこと言ったんだろう。と思った３秒後。

「いいね。行こうよ。夜のピクニック」

街のはずれに最近橋でつながった島がある。
家からは２５キロくらいだろうか。
島にはリゾート施設があって、夏は海水浴客でにぎわう。
そしてその島の先端には映画のロケ地にもなった白い小さな灯台がある。

目的地はそこに決まった。

温泉に入って、ご飯食べて、帰りはバスで帰ってこよう。
なんて話して、送別会に向かう。

正直、送別会は何も覚えてない。
ぼくはお酒が飲めないけれど。

プレゼントと後輩たちからの色紙をもらった。

２次会はなかったので解散して
それぞれいったん家に帰って集合することにした。
誰も二人がこれから２５キロも歩くなんて思わなかっただろうな。

２月というのに少し暖かい夜だった。