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津村記久子のお金にまつわるショートストーリー。

 津村記久子の小説が好きなのだが、なかなか新作が出ない。
 なにげなくWebを探していたら、「津村記久子×三菱UFJ信託銀行」という企画を見つけた。
 「楽しみなこと、ひとつ」という通しタイトルで、全10話のショートストーリーを書き下ろしていたのだ。やるな、三菱UFJ信託銀行。
 正確には前編中編後編からなる話が三つと最終話がひとつという構成だ。 第1話は「カフェラテの憂うつ」、第2話は「いつか菜の花畑」、第3話は「40代からの将来の夢」。
 短いからすぐ読める。津村記久子はもともと仕事とか仕事をする女性の話をよく書くひとだから、この企画にはぴったりとはまっている。津村記久子の小説は細部が面白い。ショートショートでもその特質は生きていた。
 20代、30代、40代の女性がそれぞれ自分の十数年後を思うという内容だ。銀行としては、そのためにはコツコツとした投資が必要ですね、ということを訴えているのだろう。
 私はもう60代なのでいまさらどうにもならないが、若い人は読むといいんじゃないかなあ。

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