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初受注の感動を超えることはできるのだろうか シンガポール編

こんにちは。「HINEMOS」という日本酒を展開している酒井です。

時間をコンセプトにした日本酒で、6:00pmから5:00amの12銘柄を展開しています。

前回のnoteからかなり間が空いてしまいました。筆不精になるとダメですね。腰が重くなります。

タイトルにありますが、このnoteは、2019年5月に書いた「初受注の感動を超える受注は、もう現れないかもしれない」の続編になります。

本編に入る前に、久々過ぎるので、ちょっと改めて2018年の創業から簡単に振り返りたいと思います。

2018-2020年 ブランド立ち上げ

2018年8月に創業して、最初の3年は神奈川県小田原市近くの酒蔵(井上酒造さん)にて、OEM(委託醸造)でブランドのHINEMOSを立ち上げました。
最初の1年は私も酒蔵で修行していました(麹室担当)。こちらで現杜氏のYさんと出会いました。

2021-2022年 酒蔵立ち上げ

ある程度、事業が成長して、いよいよ自社蔵が現実味を帯びてきたタイミングで、300年続く愛知県の森山酒造と運命的な出会いがあり、愛知県から神奈川県小田原市に製造免許を移転して、2021年7月に酒蔵を立ち上げました。その経緯はMakuakeに記載してますので、ぜひご覧ください。

2023-2024年 海外立ち上げ

シリーズAの資金調達の後に、子会社となるシンガポールにRICEWINE PTE. LTD. を、中国にRICEWINE CN Co., Ltd.を設立して、本格的な海外展開をスタートしました。私は家族共々シンガポールに、Kさんは上海に駐在しました。日本ではこの間に中目黒に直営店を出店しているのですが、その話はまた別のnoteで書きたいと思います。

海外では、会社設立から色々やらないといけないのですが、事業自体はシンガポールでは今のところレストランやバーへの日本酒の提供が事業のメインになります。いわゆるBtoBです。

シンガポールに8月中旬頃に引っ越してからはや7ヶ月が経ちました。クライアント数も徐々に増えてきて、この辺で一度振り返りができればと思ってたところに冒頭の記事を思い出したところでした。

本編 今までの初受注

冒頭のタイトルに戻りますが、社会人になってから今までの営業において、

・社会人になって、営業に配属されてからの初受注
・海外駐在して、異国の地フィリピンでの初受注
・起業して、日本酒という異業種での初受注

という初受注を経験してきました。要は社会人になって国内外の初受注、起業して国内の初受注をしてきたということです。

そして、前回の記事の結びに、下記の文章を書いていて、

初受注の感動は超えることはできるのだろうか。
海外駐在での受注。そして、起業してゼロからの国内受注。どれも眩く、光輝いています。それでも、一生に一度の社会人になってからの初受注の眩しさには、また別な想いがありました。
次は、自らつくったものを、海外へ営業しにいってきます。来月は上海へ、その次はベトナムへ。あのときのI社長からいわれた「いいよ、やるよ」といわれたときの、胸の高鳴りを超える受注はくるのかでしょうか。
今から楽しみです。

2019年5月

今回、輸出ではなく、起業してから初めて自社で海外での初受注に辿り着くことができました。国は上海でもベトナムでもなく、まさかシンガポールでしたが、起業して自分たちで造った日本酒を海外のレストランでついに初受注!に漕ぎつけました。

シンガポールでの初受注


Italian Luka Pairing

創業してから海外での初受注は、紹介していただいた、Tanjong PagarというダウンタウンエリアにあるイタリアンのLukaというレストランでした。

もう10回以上、食事に伺ってますが、料理の美味しさは絶品です(特に明太子クリームパスタとクアトロピザ)。こちらでは、7時、9時、0時、1時の4銘柄を取り扱っていただいています。

ついに起業して海外での初受注!なわけですが、気持ちはどうだったか?、と問われると、高揚?でも安堵?でもなく、コッカラッス、というスタートラインに立った気分、というのが偽ざる気持ちでした。ようやく今、数十社くらいの取引になってきてますが、シンガポールや中国でHINEMOSがそれなりに根付いたよね、となるまでは気持ちは落ち着かなさそうです。

LukaとHINEMOSとのペアリングは、先日、なんと16 top restaurants in SingaporeのPairing menuとして、メディアに取り上げていただきました。


Lukaでのstaff training

日本酒の世界を広げる

また、印象に残っているシンガポールでの受注があります。中心地のオーチャードにあるbinary0101というWestern Asian料理のレストランです。スタッフの方々はみなさんローカルの方で、とあるイベントで試飲いただいて、Insta経由でHead chefからDMがありました。

これは嬉しい、と思ったのは、このお店は創業から今まで日本酒を一度も扱ったことがなかったことです。お客さんに女性が多く、日本人も来られるということで、女性が飲みやすく、かつ日本の方に飲んでもらう日本酒を探されていたということで、味やデザインで選んでいただきました。

和食に日本酒を合わせていただくことはイメージしやすいと思いますが、今でこそ、フレンチやイタリアンに日本酒をペアリングすることは珍しくなくなってきてると思いますが、まだまだマイノリティーな印象です(ほぼワイン)。なので、初めて日本酒を扱うレストランの第一号になれたことは、日本酒の世界線を広げた実感があり、嬉しかったのを覚えています。

Binary0101 General mangerとstaffの方とtasting training 

こちらはマネジャーとスタッフの方のHINEMOSのトレーニングの様子。日本酒の造りのことも、初めて聞いたとのことでした(ワインよりビールに似てるねと言われました)。日本酒を広めていくには各国で地道な「Education」が必要だと言われていますが、本当にその通りだと思います。

ミシュラン三つ星

もうひとつの印象的な受注ですが、シンガポールにミシュランの三ッ星レストランは3店舗しかありません。その中でも有名で先日Asia's 50 Best Restaurantsの10位に選ばれた(シンガポール1位)、Odetteは紛れもないシンガポールのトップレストランのひとつです。そのOdetteから先日オーダーがあり、HINEMOSの取り扱いがスタートしました。Odetteで8年ソムリエをされているVさんから、HINEMOSを評価いただいたことは、何にも代え難い自信となりました。


French fusion Logiでのstaff training

海外での子育てと苦労

話はまったく変わりますが、創業した2018年のときに息子は1歳でした。なんとなく息子が小学生に上がるまでに海外展開したい、というのはずっと思っていて、当初は日本酒の輸出大国である中国の上海への移住を見据えていました。

前職の海外駐在のときは単身赴任で、いつのまにか息子が寝返りをしていて、傍で成長を見ることができなかったのを後悔したので、今回は家族を連れて、腰を据えて事業に取り組もうと思っていました。

結果的に2018年8月に創業して、丸5年、2023年8月、息子が小学校1年生のときにシンガポールに移住して海外展開を開始したので、ギリギリ想定のスケジュールに間に合いました。

私は日本に貢献したい気持ちで起業してますが、一方で、個人や家族の人生を充実させなければ、それも叶わないと思っているので、仕事と個人や家族のベクトルも合わせながら進むことは非常に大切だと思ってますし、それはよく社内にも伝えてることのような気がします。

しかし、ひとつ問題が起きて、妻の会社はアメリカの会社なのですが、シンガポールからDP(帯同ビザ)で、リモートワークすることは、本社からNGが出てしまいました。妻はいったん帰国せねばならず、2人の子供を私1人でみることは不可能なので、妻と3歳の娘は8月から12月までシンガポールにいて、2024年の年明けからいったん日本に戻ることになり、僕は7歳の息子とミャンマー人のヘルパーの方と3人で暮らすことになりました。

家事や料理はやってもらえるのですが、宿題や学校行事など、パパがやらないといけないこともあり、思いがけず、海外でを事業を立ち上げながら1人で子育てもする、という状況になりました。

よくスペリングの宿題があるのですが、I am play soccerとかいつも書くので、Be動詞とか言ってもよくわからないと思うので、いやamってさ、「〜です」、playって、「〜する」じゃん、「私は=play soccer」って、あなた自身は「play soccer(するサッカーなの)なの?意味わからなくない?」とか、訳のわからない問答が日々行われており、amやareとかと、play, likeとかのverbを混ぜないの!とかって、教えてるわけです。教育に触れたことがないので、その教え方が正しいのかどうかも分かりません。子どもの教育の方向性は正しいのか、そういったことも絶賛、試行錯誤中です。

海外事業について

海外での初受注というタイトルながら、BtoB、子育ての話と触れてきましたが、HINEMOSの海外事業についても書きたいと思います。

今まで輸出は十数カ国にしてきましたが、法人を立てて酒蔵自ら海外展開を行っていくことにしたわけですが、少しずつ日本酒の海外事業の解像度が上がってきています。

何が違うかというと、やはり各国に法人口座を持ち、外貨をそれぞれ保持することは大きいなと思っています。レストランとの取引ひとつとっても、口座がなければ必ず現地のサプライヤーなのか、第三者を介在させる必要があります。そこには手数料やマージンは発生するでしょうし、お酒を卸す必要があるかもしれません。要は相対取り引きできないデメリットはいろんなところにあります(メリットも当然ありますが)。

各国の法人が日本の法人から仕入れて、外貨を送金するので、2024年の円安はそれは逆にメリットになります。円安円高の局面で、それぞれ仕入や送金頻度を調整すればいいだけです。まだ規模は小さいのでインパクトはまだまだですが、規模が大きくなればなるほど、このスキームは規模の経済が効いてくると思います。

まあ、そのあたりは些細なというか当たり前の事業スキームだと思いますが、各国毎に事業や戦略はどうするのか、はたまた言語といったこともハードルもあると思いますが、何でしょうね、それもいってしまえば、所与のものなので、結局は踏み出す、やり切る、という精神論に行き着くだけな気がしています。

創業5年が過ぎ、いま再び、コッカラッス、という気概を日本も含めて各国でどこまで高められるか次第なので、2ヶ国といわず、数年後には10数カ国に展開できるようがんばっていきたいと思います。

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創業のときに書いたnoteはこちら↓

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