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デジタル・ケイブ事始め。(2)

皆さま、10連休、いかがお過ごしでしょうか。
私の見たところ、10連休と言いながら、私の周囲は意外とお仕事されている方が多いような……。

かく申す私も、夏休み、年末年始なども含めて、連休にはほとんど縁がないですね~。
なので、私が言うのもなんですが、休める時にはしっかり休みましょうね~。

さて、「株式会社、つくっちゃいました」の続きです。

すこーし遡ってお話しさせていただくのですが、わたくし、2012年から、神戸で「読まなきゃ!」という読書イベントを毎年主催し、読書会などもちまちまと開催してまいりました。

「読まなきゃ!」は、当初、数名から十数名の参加者で続けておりましたが、少しずつやり方を模索し、ゲストとして登壇くださる皆さまや、書店関係の皆さま、メディアの皆さま、参加者の皆さま、いろんな方のご協力で、ここ数年は毎年、30名~50数名が参加されるイベントに育ちました。リピーターも多いです。
ささやかではありますが、継続は力なりです。

そして、2014年からは「神戸書店マップ」を制作し、年一回、データを更新しまして、毎年4,000枚程度、配布しています。こちらも数はささやかですが、「置いておくと、いつのまにかなくなっている」「地図を持って、店を訪問してくれるお客さんがいた」などと、嬉しいお言葉も伺っております。

で、今回の「ことの発端」。

去年の11月ごろ、ある方からこのイベントに関係して、ちょっとしたご相談を受けまして。
ご相談の内容に関しては、「なぜ、いっかいの小説家の私にそんなことをお尋ねになりますか(笑)」というもので、あまりお力にもなれず、それきり何も連絡がないので自然消滅したのだろうと思いますが、「読まなきゃ!」に関してその方がひとこと、ぽろりと言われたことが、ございました。
「あんたも、そんなこといつまでもボランティアでやっとったら、あかんで」

うううううーん。いや、そうなんですけど。
「読まなきゃ!」も「神戸書店マップ」も、好きでやっていることなので、すべて私の持ち出しでやってます。
それは、本が大好きで、そのおかげで今、ありがたいことに小説書きを仕事にしているわけで、「本よ、書店さんよ、ありがとう!」という気持ちをこめて、やらせてもらっているわけです。
まあ、さすがに10年やったらやめようかな、とも考えてはいたんですけども。

いつまでもボランティア、はたしかにまずいですよね。
とはいえ、あのイベントで収益を出せるとは思えないし、収益を上げたいとも思わないし。

ただ、「常に本の話をできる場がある」というのは、なかなか楽しいし、大事なことだなとも感じています。

出版不況などと言われて久しいですけど、私は「本」と出版の未来を信じてますし、「まだまだいけるで!」と思ってます。

会社員時代、入社三年目くらいの後輩が、私のチームに配属になりましてね。
喋っていて、とても着眼点が面白いし、じわっとくるユーモア感覚にすぐれているし、これはきっと、たくさん本を読んでるんだろうなと思いまして、
「本、好きなんやろねー。何冊くらい読むの」
と聞いてみたところ、戸惑った様子になりまして。
「年に1冊くらいですかねえ」
というんですね。私もう、びっくりですよ!

で、だいたいどんな分野に興味を持ってるかわかっていたので、面白い本が出るたびに(彼はブルーバックス系に興味を持ちそうだった)、「この本、めっちゃ面白かったよ」と数冊貸してみましたら、数か月もしないうちに、自分でも書店さんに足を運んで、どんどん読むようになりまして。
月に8冊から10冊くらい読むようになったのかな。
あの後輩氏なんて、それまでにもし本に出会えていたら、もっといろいろ楽しかっただろうにね。
そう思うと、残念だなあと思って。
それに、他にもきっと、「まだ本と出会えていないだけ」の人が、たくさんいるに違いないと思って。

東京に行くと私がときどき参上する「深夜+1」というバーがありまして、そこでは、とにかくみんなが、お客さんも店のスタッフも含めてみんなが、本と映画の話をしているんですよ。いやもう、面白そうな本と映画のタイトルはせっせとメモしたり、その場で注文したりするんですけど、ひと晩ですごい数になるんです。
ああいう「場」は得がたいよね、という思いがずっとあります。

そしたら、三宮でバーでもするか?
いやいや、あかんやろ。それ自分が飲んだくれて終わるパターンやろ。
そしたらどうしましょう?

……というのが、まず「発端その1」、なのでした。
次回、「発端その2」に行きますよ~!