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読書アウトプット・読後メモ『ワークマン式 「しない経営」』 土屋哲雄著  2020年10月20日発行

1.「しない経営」
まとめて言うと、社員のストレスになること、自社の強みではないこと、価値を生まない無駄なことは徹底的に排除する。

「しない」とは、相手の立場で考えると「されない」ということ。
無駄な仕事は与えられない、できないことをやらされない、無用な干渉をされないことで、自分の時間を有効に使え、 自分の頭で考え行動できる。 
その結果 楽しみながら仕事の結果を出すことができる。

2.製品の使い方はお客さんの方が知っている。
例えば 防水防寒スーツを作ったところ、使ってくれる一般の方々は バイク ユーザーであったり。
滑りにくい 厨房用のシューズを開発したら、意外と 妊婦に最適だと評価された。
メリノウールソックスなんて 作業員用にとってはちょっと 価格帯が高いんだけれども、登山用ユーザーにとっては 格安で使い勝手がいいとか。
フラワーショップの店員さん用のエプロンなんかも、ガーデニングに最適として一般の方々から見つけてもらえる。
 色についてもそう。防水ウェア などは赤や緑の派手な色は売れないと言われていたのだけれども、自転車に乗る方や釣りに使う など一般ユーザーにはそこそこ 人気で使われている。

3. 4 つのしない
表題にもある「しない経営」の観点で言うと、目標を少なくする、人をかけない、お金をかけない、期限を定めないの 4 つ をしない。
期限を設けないというのも びっくりでした。期限を設けてしまうと、仕事の質を落としてまでやり遂げようとしてしまう。忙しかったら 納期を遅らせればいいんだ。短期目標はダメとの考え。
納期なんて自分で工夫して必ずやり遂げるから大丈夫。性善策に基づく 良心 経営。何年かかっても達成したいことだけを目標にするということを大事にしているようです。

よってノルマ やプレッシャーも良くない。プライベート商品に特化する。しかも 自然に売れる PB 商品に特化する。マーケティングとしては 何もかもじゃなくて異常値だけに目を向ける。
無駄なことはしない。社内行事など一切ないようです。年始の賀詞交歓会もしない。

4.エクセル経営
社員のストレスをなくすこと、上司への忖度をなくすということだとも思うんですけれども、 エクセル 経営をあげています。エクセル経営って結局は感覚ではなくて実際の数字をもっと大切にしよう、上司や 管理職のたんなる思いつきではなくて、お客さんの動きを大切にしようということですね。
経営者層も「私の考えは50% 間違える」と思った方がいい。著者のワークマン社長がスポーツ分野に踏み込んだ方がいいと主張したものの、時期尚早だと言われて当初反対されていた。「しない」ということは 忖度をしないことにつきます。

5. ワークマン らしくないことはしない
値札を見ずに買ってもらえるお客さんを大切にする。ワンツーワン・マーケティングはしない。買ったお客さんの動向をITで分析して情報を集めるなんてことは、 コストばかりかかってしまうのでしない。
売れるものは売れるんだから供給メーカーからの情報を大切にする。 供給メーカーはワークマン以外の会社の製品も作っていたりで情報が集まっているのだから、供給メーカーとの関係を大切にする。 供給される全量を買っているそうです。 結局長い目で見れば、より情報を持っている供給メーカーに任せれば、余分なものの供給量も少ない。

6。Amazon に負けない「 しない経営」
ワークマンの場合は高機能で低価格製品であることと、配送をしないことで、定価で Amazon に負けない。
3割の宅配希望購入者がいるが 、Amazon に負けるからそこはメイン層とはしない。
店舗経営を中心とし、 他の製品を見てもらって次回の来店にもつなげる。 1回 店舗に来てもらえれば6ー7割のお客さんが 固定客化する。職人さんなら9割方 常連客になるそうです。

7.販促費をかけないアンバサダー・マーケティングの仕掛け 
 どうしたらお客様視点を得られるのかを考えた結果が、開発段階からアンバサダーを巻き込んで、店頭で紹介する仕組み作りです。 
自分の意見が入った製品の使い勝手をブログ や YouTube で発表してもらう 仕組み。 釣りだとか キャンプだとかのアウトドア製品に多いようです。
たとえば私も、バックパッカー用のリュックに関心を持って見ています。 リュックといえば 縦長で底の方に入ってるものは ゴソゴソと 上のものを出して いかないと探し当てられなかったりするんですが 、ジッパーが下の方までついていれば横向きに置けば 底の方に置いてあるものも取り出せる 素晴らしい仕組みを取り入れたりしています。Web を見ると動画を使った案内があって、そういった アンバサダーが紹介しているんです。 さすが だなと思いました。


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