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生活習慣病の強い味方、抗酸化アプローチ

生活習慣病は動脈硬化や脳卒中、心臓病、腎臓病などの発症に関与しており、生活習慣病を予防することがこれらの予防にも繋がります。

生活習慣病の改善には栄養アプローチが必須です。

シニア世代だけではなく、近年では若年層でも生活習慣病の発症が増加しており全世代において注意が必要です。

今回はそのような事柄の中から『抗酸化アプローチ』について勉強していきます。


抗酸化物質というとどのようなイメージがあるでしょうか。

そのまま読むと酸化に抗するので、酸化という状態があまり良くないことだというイメージがあると思います。

酸化の悪影響としてまず最初に細胞の損傷があります。

酸化ストレスにより、体の細胞内や細胞膜が損傷を受け、細胞の正常な機能が妨げられ、細胞の老化が促進されます。細胞が老化するということは、臓器や皮膚などの老化が早まるということです。

次に炎症の促進があります。
酸化ストレスは炎症反応を引き起こし、持続的な炎症は慢性炎症となり、様々な疾患の原因となってしまいます。また病気の発症だけでなく、回復の遅延や免疫機能の低下にもつながります。

その他にも、がんリスクの増加や後程紹介する抗酸化物質の消耗ミトコンドリア機能の低下によるエネルギー生成が低下などがあります。

次に酸化の主な原因です。
一つ目に活性酸素の影響があります。
活性酸素とは過酸化水素やヒドロキシラジカルといった、体の代謝によって産生される物質であり、適度な量であれば、人体にとって必要な場合もありますが、ストレスや体内での炎症など、体が良くない状態になると発生し、酸化を促進してしまいます。
その他にも食事の過剰摂取や栄養不足、加工食品、脂肪、糖分、添加物の摂りすぎなどが挙げられます。

二つ目に環境要因です。
大気汚染、紫外線、化学物質など外部からの影響も体内の酸化を促進する要因となります。

三つ目にストレスです。
持続的な精神的・身体的なストレスも酸化ストレスを引き起こす可能性があります。
ストレスにより副腎からコルチゾールが産生されます。適度なストレスであれば、炎症反応を抑える効果もありますが、慢性持続的なストレスにより、過剰分泌されると、血圧の上昇や免疫機能の低下など、酸化以外の不具合も発生します。

このように『酸化』は体内の反応でもありますが、その反応が過剰になったり、持続的に続いてしまうことが、長期的な悪影響を及ぼします。


ではこの酸化について、どのようにアプローチをしていけばいいのでしょうか。

まずはバランスの取れた食事です。

特に抗酸化物質であるビタミンC、ビタミンE、ビタミンAの一種であるβ-カロテンなどを摂取することが大切です。これらを摂取することで活性酸素から身体を守ることができます。

・ビタミンC(アスコルビン酸)はコラーゲン生成:コラーゲンの合成を促進し、皮膚や結合組織の健康を維持します。その他にも免疫細胞の活性化をサポートし、感染症から身を守ります。
含有量の多い食材はオレンジやグレープフルーツ、イチゴ、キウイ、トマトなどです。

・ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)は細胞膜の安定性を維持し、細胞の機能をサポートします。美容にも重要な栄養素です。
含有量の多い食材はアーモンド、ひまわりの種、ヘーゼルナッツ、ほうれん草、アボカドなどです。

・β-カロテンは細胞を酸化から保護し、がんや心臓病のリスクを低減します。また体内でビタミンAに変換され、視力や皮膚の健康維持に関与します。
含有量の多い食材は人参、かぼちゃ、ほうれん草、マンゴー、キャベツなどです。

これらのビタミンは、新鮮なフルーツや野菜、ナッツ、種子、葉菜、色鮮やかな野菜に多く含まれています。バラエティ豊かな食材を組み合わせて摂ることで、抗酸化物質を十分に摂取し、健康をサポートすることができます。

その他にもポリフェノール摂取を多く含む赤ワインや紅茶、オリーブオイルなども効果的です。
また、オメガ-3脂肪酸を多く含む青魚や亜麻仁油なども炎症を軽減し、酸化ストレスを抑制します。
マグネシウムは穀物、豆類、ナッツ、緑黄色野菜に多く含まれており、酸化ストレスだけでなく認知症の予防や頭痛の改善、免疫力の向上などの効果があります。

次に健康的な生活習慣の獲得です。
食事面であれば酸化を促進する、脂質や糖質、加工食品や添加物の多いものの過剰摂取を控えることが重要です。

また適度な運動は抗酸化物質の生成を促進し、酸化ストレスを軽減する作用があります。特に20~30分持続的に行う、ウォーキングなどの有酸素運動や階段の上り下りなどの筋力トレーニングが効果的です。

十分な睡眠もとても重要です。
睡眠不足は酸化ストレスを増加させる可能性があり、特に質の良い睡眠を心がけましょう。
寝具を整えたり、寝る前のスマホをやめるだけでも効果があると思います。

最後にストレス管理です。
仕事上のストレス管理は個々人によって違うためアドバイスは難しいですが、呼吸法やヨガ、瞑想、深呼吸などのリラクゼーションを活用し、ストレスホルモンの分泌を抑制することで酸化ストレスを軽減できます。

趣味やレジャー活動を取り入れ、リフレッシュすることも大切です。


いかかでしょうか。

酸化ストレスという考え方を持つことで、生活習慣病だけではなく、美容やアンチエイジングという意識を持つこともできます。髪や肌などの見た目年齢が気になる場合は是非取り入れてみてください。