文学フリマ東京で【出店者なのに自分のブースを抜け出してまで買った本たち】
文学フリマ東京37が終わった。人が凄かった。文学は死なぬ。
出店者としての感想や反省記事は後日もっさり、まとめるとして、
取り急ぎ『お客さんとして買った本たち』を記録します。自分のブースを抜け出してまで欲しかった本たちでございます!
僕、本番前に気になるブースをまとめた紹介記事を書きまして(とっても大変だったよ)
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この辺りを中心におおよそゲット。残念ながら売り切れてしまってたり、時間の関係上回れない所もありました…。
ただ、この記事を書いたおかげで「事前に紹介記事を書いた者です」と名乗ったらどの方も「あぁー」とピンと来てくれたのでとても良かった。自己紹介が苦手な人間は取っ掛かりを用意すべし。だと思った。
感想は別であげる予定なので、こちらは交流と思い出がメインの記事になります。著者さんとの交流も文フリならではの魅力ですよね。それでは記憶の限り時系列で記録。
文学フリマにまだ行ったことないけど気になるなーって人にも是非読んでほしい。こんなに素敵な人たちがいるんだよということを声高らかに叫ぶ。
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『地図はあるのに暗闇が怖いから繋ぐ手強くてごめん』
とーにさん
(開場前かな?)突然、僕のブースの前に人影が。
そして「これ…」と差し出してくれたのがこの1冊。なんと作者のとーにさんがわざわざ持って来てくれたのだ。
いきなり過ぎて脳内がバグった僕は「えっ、あっ、後でブース行かせてもらいますよ!あ、お金…!」
僕がモゴモゴを発動させてたら「じゃあ交換しましょ」と提案してくれた。僕は何とか「はい、是非」を絞り出して作品を渡した。そしてとーにさんは「ありがとうございます」と会釈してスタスタと帰って行った。
あー。お金を介さないやりとりっていいなと思った。お互いの作品が価値がある物だという前提を認め合ってなおかつ、お互いが欲しいと思い合ってる状態でしかできない。それが作品交換。初っ端からとてもいい経験をさせてもらいました。
『こんな人とは仲良くなれないZ』
ラジオネーム:パラダイス楽園さん
事前にnoteやXでの交流があり、勝手に戦友の気持ちでいたので絶対に行こうと決めていたブース。ラジオネーム:パラダイス楽園さん。
が、なんと先に向こうから来てくださった。13〜14時くらいだったと記憶。パラ楽さんは身長デカくて親しみやすい、頭に描いたイメージ通りの人だった。僕の本を2冊買ってくれた。
「あとで行きます!売れ行きどうですか?」と尋ねると「好調です。エッセイは売り切れちゃいました」と返答が来た。
なんだと…。
すごい。戦友の躍進は嬉しいけど同時に自分が買えないことに落胆してしまった。なんてケツの穴の小さい男だ僕は。もう1種類のあるある本はまだ残ってるとのことだったので
「今、行きます!」と言うと「いやいや持ってきますよ!」と自分のブースに戻って本を持って来てくれたのだ。何たる優しさの塊。
僕は自分のブースで人の作品を買うという不思議な体験をさせてもらった。申し訳ない。
中身のおもしろさは間違いないとふんでいるので読むのが楽しみ。
『これも地獄と呼ばせてほしい』
しりひとみさん
絶対欲しかった1冊。1番最初にしりさんの所に行った。「noteで紹介記事を書かしてもらいました。福本と申しますー」と言うとすぐに「あー!ありがとうございます」となった。
何とまぁ明るくて上品な方だと思った。リアルだと人柄がより伝わってくる。お会いできてよかった。
文章のうまさ、オモロさは間違いないのでとにかく楽しみ。
『ママヌマ -ママになったら沼でした』
しりひとみさん
実は気になっていた1冊。今回ブースに並んでいたため購入。しりさんの文章ならたくさん読みたいので分厚いこちらも買えて満足。楽しみ。
ちなみにこれは商業出版してる本。すごい。プロですからね。階級が違うとしみじみ思わされた。(貴族的な意味合いじゃなくて格闘技の方のね。言葉のパンチが重いぜ的な意味合いで。)
『第一芸人文芸部 創刊準備号』
又吉直樹さん、ピストジャムさん、ファビアンさん
絶対欲しいと思っていた1冊。14時過ぎくらいに行ったけどまだまだ残ってた。良かった。結果1日で525冊くらい売れたらしい。さすが。
大型ブースは在庫をモリモリ持ってきてるので意外と売り切れなくいける場合が多いと知った。
『きょうも芸の夢をみる』
ファビアンさん
予定にはなかったけど買ってしまった。だってファビアン頑張ってるんだもの。
なぜ馴れ馴れしく呼び捨てかと言うと僕は昔よしもとで芸人をやっていた過去があり、東京NSC14期の同期なのです。と言ってもこちらは3年で辞めて消滅した人間。(700人いた同期が毎年半分ずつくらい消えていく世界です)
在学中に集団コントっていう授業で同じグループになって以降はそんなに絡みなし。でも顔は覚えたと言ってもらえた。僕は童顔でそんなに顔が変わっていないのが功を奏した。(当時19歳で、今33歳。顔が成長してないのは逆にどうなの?)
時を越えてまた出会えたことが嬉しい。何より、当時はそんなに文章好きだって知らなかったからここ最近の活躍に驚いてる。著書しっかりと読ませていただきます。
『Z世代のフツウ』
Z世代のフツウ編集部さん
第二展示場の2階へ。コンパクトな会場のため第一展示場に比べると通路が狭い。サーっと行ってサーっと抜けてきた。
Z世代割引で、その年代の方だったら安くしてもらえるらしく「年齢当てはまりますか?」と聞かれて「とっても上回っちゃってます」と言って消えるようにお辞儀した。
『教養としてのお笑い評論、あるいは30年史。』
手条萌さん
ブースが人気で、何回か通っても誰かお話をしてるかお客さんがいた。やはり熱心なお笑いファンが多いんだろう。お笑いを支えてくれてありがとうという気持ちになった。
誰もいなくなった頃を見計らって購入させてもらった。僕はTwitterのアイコンマークをバッグに付けてたのですぐに気付いてくれた。手条さん目ざとい。
ブースがかなり高さがあって本格派。おそらく何度も出店して工夫をしてきたんだろう。勉強になった。
『これより先には入れません』
谷川俊太郎さん、木下龍也さん
ナナロク社のブースは大人気。列が長くて外まで続いていた。これが盲点。会場内が暑かったので僕は半袖で振舞っていた。まさか外に出ると思ってなかった。
ブルブル震えてると、木下龍也さんが列の最後で『最後尾はこちらです』的な看板を持ってらっしゃった。
え。そんな事もするの?素敵。
どっしり構えて座っていてもいいのに、とても健気でかわいい方だなぁ。と思ってたらいきなり話しかけられた。
「半袖、寒くないですか?」
「えっ!?あぁ、寒いです!中の熱気がすごいから良かったけど外ヤバいですね。油断してました。ははは…」
何をしてるんだおれは!!
短歌という31文字の天才に対してダラダラ喋ってんじゃねぇよ!歯切れの悪い!短く気の利いたこと言え!!当時の自分をしばきたい。この瞬発力のなさをどうにかしたい。
おかげで木下さんの愛想笑いをカツアゲしてしまったよ。最悪。著作ほとんど全部持ってる人を目の前にして緊張しない方法があったら誰か教えてください。
そんなこんなで列が進み無事に買えた。自己嫌悪に押し潰されそうになりながら。
『晴れていたら絶景』
鈴木ジェロニモさん
ご本人は不在っぽかった。芸人短歌という大型ブースなので出店者の方が沢山いた。誰が誰だか分からず申し訳なかったと思う。
『デザイン短歌』
秋山ともすさん
狙ってたランキング上位の歌集『バターロールがまた焦げている』が売り切れだった。いつくらいに売り切れたか聞くとつい数分前とのこと。マジか。悔しい。これも出店者の運命か。
せっかくなのでデザイン短歌を買わせてもらった。これはこれで面白い切り口だしデザインのパロディのレベルが普通に高くてびっくり。
『もうちょっと寝たい』
小泉スロウさん
こちらはまだ残ってた。良かった。「事前にnoteで紹介記事を書いた者です」と言うと「あぁーありがとうございます!」となってもらえた。
どこで知ったか?を聞かれたのでTwitterですとお答えした。未だにXって口出して言ったことない。なんか恥ずかしい。
予想通り、表紙の素材が紙感が高くてズッシリ分厚い。本を閉じてる糸も黄色でオシャレ。福本は本という物質が好きですからこだわりが詰まってるのがよく分かります。ええ。
『自由律短歌集 またはその両方が科せられます』
せきしろさん
『自由律俳句集 走馬灯凍り死ねぬまま』
せきしろさん
「せきしろさん」とお名前を呼ぼうとして6文字全部噛んだ。紙が詰まった時のプリンターくらいガッガッガッて音だけ鳴って肝心なものが何も出てこなかった。最悪。早急に砕け散って海の藻屑になってしまいたかった。
声帯が締まり切ってて声も出ていなかったんだろう。せきしろさんが左耳をこちらに向けて必死に聴こうとしてくれた。
「せきしろさんの本がきっかけで自由律俳句始めたんですよ」となんとか日本語の形になった。神は「あ、ありがとうございます」と一応言ってくれた。藻屑からのラブは威力が弱かったか。あぁ、強くなりたい。
(人様がこちらの声を聞くために耳をグッと近づけてくる仕草、人生で何回見ただろう。これを見るたびに砕け散りたくなる。トラウマである。)
『本を作って書店で売りたい人のための本』
ナガサワケンタさん
直前で知った本。事前にあんまり調べられてなかったのでサクッと買った。こういう情報寄りの本もありがたい。
『賢者タイムズ vol.1』
ものすごい愛さん他
こちらも是非、お会いしたかった方。ものすごい愛さん。リアルでお会いできて良かったなー。チャーミングだった。全員に思うけど特に。
「スケベエッセイのvol.1とvol.2はどっちがオススメですか?」って世界中探してもここにしかない会話をした。
「vol.1だけに参加してる方でめちゃくちゃおもしろい方がいるんですよ」と律儀に答えてくださったのでvol.1を購入。
『超個人的時間旅行』
藤岡みなみさん他
僕のブースの斜め後ろ。ひっきりなしにお客さんが来てるのをチラチラ見ていた。藤岡さん絶対、疲れてるだろうなーと思ったので、もう逆に何も喋らないと決めてたからサクッと購入。
『パンダのうんこはいい匂い』とか『ふやすミニマリスト』とか持ってます!めっちゃ文章好きです!とか言いたかったけど封印した。緊張でムリ。
すごいメンバーだから読むのが楽しみ。
『完全版 夜の墓場で反省会』
ワクサカソウヘイさん
ワクサカさんは僕のブースの真裏。こちらも列が止まることはなかった。人気ブースとはこんなにも異次元なのかと思い知らされた。
僕が行った時にワクサカさんはちょうど席を外されていたようだったけど時間もなかったのでそのまま買った。
するとその後、わざわざ僕のブースの表に回ってきてくれて「さっきは購入していただきありがとうございました!これいいですか?」と僕の本を買ってくれた。ご近所ラッキーだとは重々承知だけどとても嬉しかった。
『「お邪魔します」が「ただいま」になった日』
つる・るるるさん
事前に多少、交流があったつる・るるるさん。事前に中身はもちろん、表紙のかわゆさをベタ褒めさせていただいたやつ。読むのが楽しみ。
「出店してたらなかなか動けないですよねー」と同じ苦しみを分かち合った。
『なけなしのたね』
とき子さん
つる・るるるさんの相方、とき子さんの作品。「こちらもいかがですかー?」と押し込まれた。押しの強さは大事だ。
と言っても、もちろんとき子さんの存在も知ってておもしろそうだと思ってはいたので嫌な気はしない。
これもまた出会いだ。読むのが楽しみ。
『そんなわけで、今日もおつかれさまでした。』
あやめしさん
超終了間際、何とか間に合った。こちらもnoteで紹介させていただいたあやめしさん。ホワホワ優しい空気感の方だった。
僕が記事の中で使ったnote界のイチローというフレーズを覚えてくれたのが嬉しかった。(あやめしさんはnote連続更新1800日越えという鉄人のような記録を更新中なのだ!)
割と近い位置に僕のブースがあったのでそのまま来てくれてエッセイを買ってくださった。ありがたい。お口に合うといいな。
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総じて作者みんなチャーミング!丁寧で人としてかわいい!だからいいもの書けるんだろうなーと思ったり、自分の見る目は間違ってないなーと思ったり。
リアルで交流できるのが文学フリマの大きな魅力!お客さんとしてでも良し。出店者としてでも良し。文学を愛するあなたを待ってくれている。
だから是非、いつか参加してみてくださいね!
そしてもし僕がその場にいたらブース覗いてください。一生のお願いです笑
通販もやっております。マジで届けたいです。
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