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『たかが世界の終わり』への返歌

予感は常にあった

音楽と暗がりと中途半端なネオンのなかで

抱き合わないとやりきれなかった

出ていかなければ窒息してた


傷ついたのはどっちだ


誰かがねじを回して保ってきた

でも普段は忘れてるだろ

息の仕方や神の存在なんて

殺したいと思った

抱きしめられたいと思った

忘れているふりをしてきただけ


今晩帰るから

どこにいくの、どこにいるのと言わないで

たくさんの言い訳をなすりつけて触らないで

なにも変わりゃしないよ

たかが世界の終わり


飴玉に似た 細かい傷のついた指輪

陽にかざすと思い出してしまう

退屈なドライブと草原の香り


あの時間が終わって

話すことを覚えた

伝えたかったから


初めから正確ではない時計

いくら言葉を重ねても


壊さなくては気が済まない


こわいんだ


無力なんだ


そこに嘘はひとつもないのに


体から抜け出したら とてつもなく気持ちよかった

心残りだけど、僕は行くよ

たかが世界の終わり

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