見出し画像

あの女の子の恋心を揺さぶる彼女たちの音楽。

「あの女の子、完全に……!」

あの女の子は名古屋のライブハウスに居た。

私は、色々なアイドルのライブに行って、アイドルとファンが楽しんでいる光景が好きで、この日も、少し気になっていたアイドルが珍しく名古屋でライブするので見に来ていた。

そのアイドルの名は、

QUEENSという女性アイドルグループだった。

「このメンバー可愛いでしょ!?」

隣にいたファンの方に話しかけると、メンバーのSNSを見せてくれた。

「この子は、とってもファン想いで、いつもファンに会いたいって言ってくれて、握手会でも、とっても笑顔で優しいから、東京以外のライブでも、つい来ちゃうんだよね!」

まさにアイドル。

歌って踊って、ファン想いなアイドル。

そう感じたからこそ、男の子のファンが多かったあのライブハウスで、最前列に一人で居たあの女の子の存在がつい気になってしまった。

そんなこと考えているうちに、
いよいよライブが始まった。

ずんずん響くリズムと共に、
2階から、メンバーが一人ずつ降りてくる。

6人のメンバーが並び、

音が大きくなると共に、クラップが鳴り響く。

6人のメンバーが歌って踊り始めた。

あの女の子はメンバーたちを目でずっと追う。

メンバーの振りに合わせて、両手を揺らしていた。

「ああ、そうか、分かった!」

「あの女の子、QUEENSに完全に惚れている!」

そう、彼女は惚れていたのだ。

ライブを見ているうちに、その理由が分かってきた。

ズンズン鳴り響く、クラップ鳴らしたくなるロックなビートに合わせて、キレキレのダンスとキャッチーな音楽は、見ている方もついついダンスをマネしたくなる。

「QUEENSのダンスの多くは、黄色の服を着たメンバーが振り付けをしているんだ! 振り付け自体はシンプルだから、僕らファンもマネしやすくて一緒に踊れてすごく楽しいよ!」

「メンバーそれぞれ、トレードマークとして色を持っていて、衣装もそれに合わせている。だからダンスも鮮やかなカラフルな見た目で、なんかワクワクするんだ!」

隣のファンの方がライブ前に教えてくれた。

それに表情も強烈にかっこよかった。

キリッとした表情で踊っているかと思えば、
時々見せるキュンとくる笑顔な表情。

この笑顔な表情を見逃さないために、
あの女の子は、メンバーたちを目で追っていた。

それに、

「赤い服を着ているメンバーは、僕らファンは普段カワイイ女の子って知っているけど、ライブ中は、グループの中でもメインボーカル的な存在で、かっこいい歌声を僕らに届けるんだ。 それに多くの曲は、彼女が作詞作曲をしているよ。」

彼女の、パワフルだけど、キレイな歌声は、
あの女の子の心に響いていた。

それにそのメンバーが書く歌詞もかっこいい。

「もしもボクに歌うことがなかったのなら
 誰がボクをボクだと認めて生きていくのか」

 *引用元:QUEENS 『もしもボクらに歌が無かったら』。一部歌詞引用。

*引用元:QUEENS 『もしもボクらに歌が無かったら』。Youtube公式チャンネルから引用。

今の若者にとって、自分の意思を持って生きないと生きにくい社会だけど、流行りや周りの友達に流されたり、大人たちのアナログな考えに挟まれて押しつぶされそうになる。そんな状況であろうあの女の子にとって、赤い服を着るあのメンバーが歌う言葉は心に刺さっているはずだ。

彼女は見とれていた。

かっこいいダンサブルな見た目、

かっこいいパワフルな声、

そして、メンバーから届けられる言葉もかっこいい。

ああ、これって、

もはやイケメンじゃん。


きっと福士蒼汰を見るように、

きっと菅田将暉を見るように、

彼女はQUEENSのイケメンさに惚れていたんだ。

2020年3月28日、渋谷にて、
QUEENSのワンマンライブがある。

きっと、あの女の子も行くだろう、
イケメンたちに恋心を抱いて。

きっと、あの女の子は微笑んでいるだろう、
ライバルになる女の子ファンはまだ多くないと思っているから。

惚れたくない人はQUEENSに会わない方がいい。

きっと、あの女の子はそう願っている。

あ、一般チケット、もう販売しているみたい……!!


この記事が参加している募集

コンテンツ会議

いただいたサポートは、 頑張る誰かの応援のために使います❗️