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大堀相馬焼の伝統を現代の「くらし」に合わせて深化

「ふくしまおこしびとPlus」ではふくしまの地域づくりキーパーソンや関係人口の方に、福島の魅力や想いをお話いただきます


陶 正徳(すえ まさのり)さん

Profile
浪江町生まれ。浪江町で300年以上もの歴史をもつ大堀相馬焼の窯元「陶徳窯」10代目。愛知県の陶芸専攻科がある高校に進学後、愛知万博・瀬戸会場の陶壁を製作した寺田みのる氏に師事。1999年、実家である「陶徳窯」で働き始める。震災後、県外やフランス等に避難したあと、郡山市の仮設工房にて作陶を再開。2016年春、同場所に工房を再オープンさせ営業をしている。


これまでどのようなことに取り組んで来ましたか。

大堀相馬焼は江戸初期(1690年頃)にはじめられた伝統的な陶芸です。古来、青磁釉や白流釉、あめ釉等の釉薬を用いた製法が特徴で、中でも「青ひび」と言われる青磁釉は「ひび割」が器全体にひろがって地模様となる等、極めて温雅な焼き物です。
その製法を受け継ぎながら、時代のニーズに応え、洋食器やランプシェードなどもラインアップして、今日でも幅広い世代に親しまれる多くの作品を作っています。世界に発信すべく台湾のクラフトビール「臺虎精釀(タイフーブルーイング) 」の共同開発プロジェクトへの参画や、須賀川市にある「自家焙煎珈琲屋利久」へのオリジナル器具を製作など、国内外で大堀相馬焼の魅力を発信しています。
 
タイフーブルーイングの取り組み
https://store.coto-mono-michi.jp/?tid=21&mode=f46
自家焙煎珈琲屋 利久
https://baisenya-rikyuu.com


光を通すと星座が見えるシリーズ

新しい作品へのアイデアはどのようなところから生まれますか

震災後、海外のアーティスト集団から避難のお誘いを受け、1ヶ月間フランス、スペイン。ベルギーに渡りました。一度帰国しましたが、その後ベルギー在住の日本人に誘われ2ヶ月フランスに滞在しました。その時の陶芸という枠組みを超えた多彩なアーティストたちとの交流に刺激を受けました。現在は、InstagramやYouTubeなどから日々情報にアンテナを立て創作するようにしています。

陶芸体験での作品

今後取り組みたいことはありますか。

現在、陶芸体験も受け入れていて、ろくろを使った陶芸に、よりたくさんの方に触れて欲しいと思っています。
大堀相馬焼といえば、外側から内側に穴が空いているものをイメージされることが多いかもしれません。最近では外側から穴を開けない完全中空二重物の作品を作っています。二重構造の良さは、持った時に熱さを感じにくく、冷たい飲み物を入れたときには結露が出ません。
飲食店からの注文にも応え、レパートリーを増やしながらブレずにこれからも作品を作り続けていきたいです。

大堀相馬焼 陶徳窯
〒963-0725 福島県郡山市田村町金屋字上川原176
Tel. 090-4476-8406
陶芸体験予約(じゃらん)
https://www.jalan.net/kankou/spt_07203aa6712104801/
Instagram  https://www.instagram.com/oborisomayaki_suetoku/


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