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福住廉 fukuzumi ren

1975年東京都生まれ。美術評論家。
九州大学大学院比較社会文化学府博士後期課程単位取得退学。2003年、美術出版社主催第12回芸術評論で佳作受賞。「美術手帖」(2004-2005)や「artscape」(2006-2017)で展評を連載した後、現在は「共同通信」(2007- )で毎月展評を連載中。そのほかに美術雑誌、ウェブマガジン、新聞、展覧会図録、作品集など

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[報告]淺井裕介天井壁画

現在、アーティストの淺井裕介が中国で天井壁画を制作中です。先日、わたしは現場を視察してきたので、その様子をここでレポートします。

場所は重慶市の武隆。「中国南方カルスト」として世界自然遺産に登録されている、風光明媚な観光地です。市の中心部からは車で3時間ほどですが、標高が高いため、灼熱の夏を過ごす重慶市民の避暑地として人気を集めているようです。

武隆の代表的な景勝地が「天生三橋」。石灰岩の洞窟

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わたしを離さないで

自らに課せられた宿命を静かに受け入れること。あるいは、無常の風に逆らうことなく、儚い諦念とともに理不尽な死を迎え入れること。沢木耕太郎が的確に指摘したように、本作は英米映画であるにもかかわらず、じつに日本的な印象を感じさせる映画である。

臓器移植やクローン技術といったテーマが物語に独特の緊張感を与えているが、登場人物の若者たちは不当な運命に抗うこともないまま、物語は淡々と進行する。その静かな佇ま

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脱原発国会大包囲デモ

国会議事堂を包囲した脱原発デモ。推定で20万人ほどが参加した。とりわけ国会議事堂の正面の車道には、文字どおり身動きが取れないほどの人が集まった。

多くの参加者が懐中電灯やペンライトを持ち寄ったため、群集のなかにはおびただしい数の灯りが点滅していたが、その光は原発の危険性に恐怖や不安を抱く人びとの表われだった。

だが、これまでのデモと同じように、このほかにもデモの随所ではさまざまなパフォーマンス

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さようなら原発集会

代々木公園を中心に行なわれた脱原発デモ。うだるような暑さのなか集まったのは、主催者発表で17万人。知識人や文化人によるスピーチの後、3方向に分かれてデモが行なわれた。

3.11以後、放射能の恐怖と原発の再稼動への危機感から全国各地でデモが拡大しつつあるが、このうねりのなかで明らかになってきたのは、デモが政治的主張をアピールする文字どおりのデモンストレーションの機会であると同時に、民衆による限界

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