合法的に金を搾取する方法(逆に知らないと金がなくなる)と対策






簡単に説明するために

例としてコイントス を考えてみよう。

コインを投げてキャッチ
そして表面が出るか裏面が出るか当てるゲーム

これはみんな知っているね。


ここで

当たれば自分の資金が50%増える
外れたら自分の資金が50%減る

というルールだとしよう。


このゲームは公平だ
・勝つ確率も50%、負ける確率も50%
・勝った時の利益も50%、負けた時の損失も50%


あなたに全く不利ではないゲームだ。

さあ、やるか?


迷っているなら

さらに特典を付けてあげよう。


ゲームを1回するたびに5%の参加報奨金がもらえる

という大サービスつきだ。


例えば100万円でゲームした場合
必ず5万円がもらえちゃうおいしすぎるゲームだ。

つまり
50%の確率で55万円がもらえる(勝った場合)
50%の確率で45万円を失う(負けた場合)

こういう投資ゲームがあった場合、みんなやるだろう。

期待値はプラスなのだから。


もちろん一度やっただけでは負けて終わるかもしれない。
50%の確率で負けるのだから。

だからみんな何度も何度もくりかえしこのゲームをやる。

試行回数を大きくした方が実績の勝率が理論値である50%に近づくから。

そして毎回必ず+5%のお金がもらえるのだから
たくさんやった方がいいに決まっている。




と思う人が多いよね?

しかし実はこのおいしすぎるゲームは普通にやると大きくお金が減る仕組みになっている


算数ができない人はここに気が付かないので投資で負ける。

そして負けた原因をメンタルだとか投資知識だとか別要因のせいにする。


だからこういう「一見おいしそうに見えて実は参加者に不利になる(けどそれが不利なゲームであることは気づかせない)」ゲームを証券会社が用意して、多くの情弱投資家にやらせて合法的な金銭搾取をしている。




解説



簡単に考えるためにゲームを2回して
勝ってから負けた場合と
負けてから勝った場合を考えてみる。


①勝ってから負けるパターン

最初の資金:100万円

<1回目のゲーム>
勝って+50%(=50万円)もらえるから150万円になる。
別途+5%(=5万円)もらえるから155万円になる。
やったー!

<2回目のゲーム>
負けてー50%(155万円×0.5=77.5万円)だから
資金が77.5万円になる。
別途+5%(=155万円×0.05=7.75万円)もらえるから
77.5+7.75=85.25万円になる。


つまり100万円が85.25万円に減るのだ。


②負けてから勝つパターン

最初の資金:100万円

<1回目のゲーム>
負けてー50%(=50万円)だから50万円になる。
別途+5%(=5万円)もらえるから55万円になる。

<2回目のゲーム>
勝って50%(55万円×0.5=27.5万円)もらえるから
55+27.5=82.5万円になる。
別途+5%(=55万円×0.05=2.75万円)もらえるから
82.5+2.75=85.25万円になる。


つまり100万円が85.25万円に減るのだ。


実はこのゲーム
勝ち負けの順番は関係なく資金は大幅に減る仕組みになっているのだ。



勝率も公平(50%)
勝った時と負けた時の損益も同じで公平
しかも別途5%のお金がもらえる

にもかかわらず資金は大幅に減る

というのが算数でわかる。


これは式で表すと

原資×1.55×0.55 = 原資×0.8525 = 結果

となる。
※勝った時は+55%。負けたときはー45%だから。

掛け算は順序が関係ないから勝ち負けの順序は関係ない。


もしこのゲームを10回したならば
勝ち5回、負け5回なので

原資×1.55×1.55×1.55×1.55×1.55×0.55×0.55×0.55×0.55×0.55
=原資×0.45=結果
となる。

つまりこの一見おいしすぎるゲームを10回すると資金は半分以下になる


リアル世界での算数ができる人はここに気が付く。

学校の勉強で数学が得意とかは関係ない。
リアルな世界に「隠れている」算数だ。



ここで話は終わらない。


算数ができる人はこのゲームを勝ちに持っていくことができる。

算数のみを使ってだ。


勝率を上げることはできない。裏が出る確率と表が出る確率は同じだ。

そしてゲームのルールを変えることもできない。

算数のみを使って、このゲームに勝つことができる。



どうするか?


算数ができる人はこう考える。

このゲームで負ける原因は「掛け算」にある。

つまり一度のゲームであれば期待値はプラスであるにもかかわらず、繰り返すことで掛け算的に期待値はマイナスになっていく。
ならばこのゲームを掛け算ではなく独立したゲームの足し算にしてみよう


どうやって?


資金分散だ。


具体的には例えば資金を10分割して、その10分割したお金で10回ゲームをする。



原資が100万円だとするとそれを10万円×10個に分割する

そのうえで10万円ずつでゲームをする。


するとどうなるか


結果=勝ち5回+負け5回
 =(10万円×1.55)×5回+(10万円×0.55)×5回
 =105万円 ←つまり原資から5万円増えた!!

となりこのゲームに勝てる。


算数ができるというのはこういうこと。


これは小学校2、3年生レベルの初歩的な算数だと思うが、
あなたはできただろうか?

ゲーム内容を知ったときに、負ける仕組み、勝つ方法までわかっただろうか?

実はこういうことが理解できている大人は少ない。

一流大学に行っていようが初等算数をリアル世界では使えなかったりする。

複利効果を期待した投資は相応の優位性、計画性がないと逆に資金が減るということに気が付かない。

だから気が付かないうちに知らず知らず搾取され続ける。今回は簡単なわかりやすい例をあげたが実際には複雑になるので自分のお金が減っていく真の原因が見えず、リスクリワードレシオが〜とかメンタルが〜とか、他のことを言い出してしまう。

ちなみにここで挙げた解決策はいわば分散投資の一種だが分散投資にはいろいろある。
投資先の分散(セクター分散、セクター内分散などいろいろあり)
タイミングの分散
勝ち負けを独立させるための資金分散など

それぞれ意味が全く違うので、単に「分散投資」などという言葉を使わない方が良い


投資を勧める人間は投資の複利効果をうたう。
たしかに複利効果というのは絶大な力を発揮することもある。



しかし今回のコイントスの例のように複利を使う(利益再投資する)とハイリスクハイリターンになる

そして公平な条件であっても
リターン<<リスク
となる


つまり複利効果は
かなり有利な条件でないと狙ってはいけないのだ


例えば
昔は銀行預金でも郵便貯金でも利子(利率)が高かった。
利子は間違いなく貰えるものなので、こういうものに複利は使える。

例えば郵便貯金の利率は昔4%以上あった

つまり100万円を10年預けると複利で100万円が160万円に増える。


次に気をつけるべきなのが
複利効果を計算するにあたって
利率の平均値や期待値を使っている人が割といるという点だ。

算術平均や期待値というのは計算式の中に足し算が入っている。
複利を考えるのに足し算で考えるのは間違いだと上で示したが再度ここで示す。


前述のコイントスの場合

勝ったら+55%
負けたら-45%
だから
単純な平均=期待値は (55+(-45))/2=5%
というプラス値になる
しかし平均がプラスになってもそれを複利運用すると大きなマイナスになることを上で示した
(試行回数10回で資金が半分以下になる)

つまり複利効果を計算するときは
利率の算術平均値や期待値を使ってはならない。


しかし利率の平均値や期待値を用いて皮算用してしまう人が多い。


しかし前述のように
小学校2、3年生レベルの算数がちゃんとできていれば
おいしい話の落とし穴に気づきさらに逆転するための方法まで導くことができる。



なお平均利回りについて誤解がよくあるので書いておく。


例えば株式指数が安定して年利8%上昇すると仮定すると
40年で+2072%になるので
これを40年で割ると(本来は手数料などを差し引いて累乗根で計算すべきところが、なぜかただの割り算で計算されることが多々ある)一年あたり51.8%になる。
これを平均年利と呼ぶことが多々ある。完全に間違っていると思うがそれがまかり通っている事が多々ある。証券会社のサイトにも明記してある。
つまり本当の年利は8%なのに平均年利は51.8%と過剰に計算されてしまう。
指数関数的に増えたものを累乗根ではなく単に割り算で算出してしまうのがよくある平均年利というもの。※ちゃんと累乗根しているケースもあるのでそこまで見ないと数字の意味が全く変わってくる。
このケースの場合、本当の年利は全く変わっていなくても計算期間が伸びるほど平均年利は増大していく。そういう計算式になっていることが多い。(証券会社などが利回りをよく見せるためにあえてそうしている可能性もある。)
そしてこの過剰に計算された平均年利で複利計算すると
40年で+1781848755%となる。
つまり現実とは掛け離れた過剰な見積もり結果になる。こんな計算はしてはいけない。

コイントス(2回の場合)の例で言うと

①利率の相加平均は(55%-45%)/2=5%
※勝ち負けの確率が同じなのでこれは期待値と一致する

②累乗根で出した相乗平均は√(1.55×0.55)-1=マイナス7.7%

③割り算で出した平均利回りはマイナス7.3%

という3種類の平均利回りが出てくる。
(③を使うのはほぼ意味がないと思うが)

複利運用して①がプラスで②がマイナスの場合、複利運用はやめないといけない。そして毎回①の期待値が使えるように資金分割する。






投資は計画的に。


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