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映画『オッペンハイマー』×本と映画と

先日『オッペンハイマー』を観てきました!
前回映画館で観た『ボーはおそれている』に続く3時間の大作ですが行ってきました!!

仕事終わりのへろへろ状態の3時間のレイトショー。
でも観たい!!
客層は年齢問わずほとんど男性ばっかり!!!と以前観た『BLUE GIANT』(←個人的2023年No.1☆)と同じ客層でした。

わたしの行く映画館はIMAXではないのでもしお近くにあるならIMAXをお勧めする映画です!!!!!
ただ館の一番スクリーンでしかも客席も広々余裕ある上映回だったからラッキーでした。


※以外、映画のストーリーに関することも書いています。

・映画『オッペンハイマー』について

『オッペンハイマー』の栄光と苦悩と挫折を描いた映画です。
カラーシーンとモノクロシーンが使い分けられ戦中戦後、栄光と悲劇(苦悩)の場面を行ったり来たりするので頭フル回転、わたしは3時間は長く感じなかったです。

天才すぎるがゆえに苦悩する学生時代、教える立場となり彼の考えは多くの人を惹きつけとてつもない力を生み出すこととなる開発は正義のためだとすべてを注ぐオッペンハイマーは生き生きと、自分が作り上げたとてつもないモノが結果何をもたらしたか、ただ政治に利用された権力もない一科学者に過ぎないことに気づく苦悩。当時の時代背景と妬みによる告発で過去の自身の行いを否定され公職から追放される場面はサスペンス調に描かれていました。

・『オッペンハイマー』と『原爆』


この映画は原爆投下のシーンはありません。オッペンハイマーはあくまで科学者で投下した軍人ではなかったからだと思うのですが『トリニティ実験(原爆実験成功)』は一番の重要シーンとして描かれていました。
日本人が知る『原子力爆弾』の実験をするにはあまりにラフすぎる立会、まるで花火観るかのような、、でも、そんなモノではないことを彼らは成功の直後感じます。強烈な閃光、爆発、時間をあけ訪れる強烈な爆音と爆風。
成功に歓喜する人も時差で訪れる生み出されたモノに恐怖を覚え実験そのものに異議を唱えるものもでてきました。
わたしもスクリーンでですがすごい恐怖と威力を覚えました。

オッペンハイマーら科学者の手元を離れた『原爆』は数日後、広島と長崎に投下されますが、オッペンハイマーらはそれを『ラジオ』で知ることとなります。
オッペンハイマーは開発者として英雄扱いされますがとてつもないモノを作り上げそれが抑止力になるのではなく拡散されることに恐怖を覚えて水爆実験に異議を唱えていくようになっていきます。

アインシュタインがちょこちょこっと登場するのだけど優しく話す様に癒やしを覚えましたが、『科学』が結果としてとてつもない武器を生み出してしまう絶望感も伝わってきてました。

オッペンハイマー演じるキリアン・マーフィーの演技が素晴らしかったです。紳士ぶってるけどほんとはねちねちしたロバート・ダウニー・Jrもよかったし演者さんが豪華。

原爆実験が成功するシーンはIMAXで観るとより迫力感と恐怖感があると思います。
日本人だからこそ感じれる恐怖があり、アメリカ人だから知り得なかった恐怖、核が何か遠いものと思っている人に与えた恐怖があったと思います。


・原案本『オッペンハイマー』(上、中、下)

原案本がハヤカワ文庫から出ていますが、上、中、下あります。

映画鑑賞前に読めればよかったけど、、量的に無理なのと本屋さんでは公開前に品薄になってました!


・最後に


作中、時間が戦中戦後と飛ぶのでWikiなどでオッペンハイマーがどういう人物だったのか軽く見ていくだけでも物語に集中できると思います。個人的には良い映画でした。
アメリカでも評価された映画ですが『原爆』というモノに近い日本人が観ると大きく見方が変わると思います。
どんな考えの元作られたのか作った者の背景と人生を知り、そして忘れかけられつつある恐怖感を再認識する映画でした。

筑摩書房(学芸文庫)からオッペンハイマーに関する本も出ています。
本屋さんで見つけてみてはいかがでしょうか。

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