スクリーンショット_2019-08-20_21

世界一美しいカフェも備える ウィーン美術史博物館 【オーストリア】

オーストリアの首都ウィーンではかつてヨーロッパで絶大な権力を手に入れたハプスブルク家が残した数多くの煌びやかな至宝を見ることができます。
以前紹介したオーストリア国立図書館(note)もそうですし、シュテファン寺院(note)もハプスブルク家と密接な関係があります。

なおパフスブルク家は第一次大戦後(オーストリア=ハンガリー帝国崩壊後)に財産没収の上国外追放処分を受けています。
興味のある方はハプスブルク法で調べてみてください。
盛者必衰ですね…。

さて、そんなハプスブルク家が集めた美術品が展示されているのが、ホーフブルク王宮からほど近い、ウィーン美術史博物館(独: Kunsthistorisches Museum)です。

紹介されるメディアによってはウィーン美術史美術館とも記載されていますが、ここでは美術史博物館と記載します。

始まりはマリア・テレジア広場から

ウィーン美術史博物館はマリア・テレジア広場に存在します。
写真の右の銅像の人がマリア・テレジアです。
簡単にどんな人か紹介すると、オーストリア女大公、ハンガリー女王、ボヘミア女王を兼ね、オーストリア継承戦争などに勝利し、義務教育や行政改革を行い、多民族国家だったオーストリアの中央集権化に尽力し、生涯に16人の子供を設けた女帝です。
また、16人の子供のうち一人が、あのマリー・アントワネットです。

マリア・テレジア広場には美術史博物館と自然史博物館、二つの博物館がありますが、これらはぱっと見では分からないほどよく似た外観をしています。
トラムが走っている道路から見て左側が美術史博物館です。

それでは中に入っていきましょう。

中にはロッカーがあり(硬貨が必要です、返却式)、大きなカバンはそこに預けられます。

いきなり大きな彫像が迎えてくれます。
もうこれだけで十分かもと思えてきます。

別アングルがこちら。


館内にはふかふかのソファーが設置されており、落ち着いてゆったりと絵画を鑑賞することができます。


バベルの塔

この美術館でにおいて私が最も見たかったものが、ブリューゲルの代表作「バベルの塔」です。
ノアの子孫ニムロデ王(この絵の左にいる人)が己の権力を誇示するために天まで届く高さの塔を作ろうとして神の怒りを買った…という旧約聖書の話をモチーフにした絵画です。


ブリューゲルが描いたバベルの塔は3作品あり、現存しているのは2つのみです。
こちらはサイズが大きいため「大バベル」と呼ばれており、もう一方は「小バベル」と呼ばれています。
この「大バベル」はまだ日本で展示されたことがありません。
もう一方の「小バベル」はオランダのボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館に収蔵されており、2017年に東京や大阪で展示されていました。
ボイマンス美術館に訪問した際の様子はこちらのnoteで紹介しています。

大バベルはバベルの塔の迫力を、小バベルは絵画としての緻密さを楽しめるのかなと思います。

ウィーン美術史博物館は世界で最もブリューゲル作品の所蔵作品が多い美術館です。
ブリューゲルファンの人は是非とも足を運んでもらいたいです。


ルーベンス

ルーベンス「メレアグロスとアタランタの狩り」

ルーベンス、聞いたことありませんか?
「パトラッシュ、もう眠いんだ…」でお馴染み、フランダースの犬のネロが死ぬまでに見たかった絵を描いたことでも有名な、ベルギーを代表する画家です。
ちなみにその絵はベルギーのアントワープ大聖堂にあります。

ルーベンス「イルデフォンソの祭壇」

ここにある絵画全てがルーベンスのものです。
ルーベンスファンにはたまらないでしょう!!

この絵を教科書で見た覚えがある方も多いと思います。
そうです。マリー・アントワネットです。
「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」という台詞が有名ですが、実際に言い放った台詞ではないという見解が一般的になってきました。(この絵の作者は エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランです)

ラファエロ「草原の聖母」

まさかこんなところでラファエロの作品に出会えると思えませんでした。

と思ったらルネッサンス期の作品も多数展示されていました。

ソファーに座ってゆったり絵画を鑑賞するのはとても心地よい体験でした。


世界で最も美しいカフェ 

さて、ウィーン美術史博物館にはもう一つ見所があります。
それが「世界で最も美しい」と言われているカフェ(Café im Kunsthistorischen Museum Wien)です。

確かに、世界一美しいと言っても過言ではないです!

このカフェは館内の入場者(入場料金を払った人)だけしか利用できない特別な空間です。

この煌びやかな装飾が施された空間でいただくお茶は恐らく格別だと思います。


…えー、実は私、ここで食事をしていません。
日本でも喫茶店に入るということがほとんどなく、腰を落ち着けて一服するという習慣がなかったこと、ぼっち飯が恥ずかしかったことが主な原因です。

次回来た時はちゃんとケーキとか紅茶とかおっしゃれーなものを頼もうと思います。

アクセス

場所 Maria-Theresien-Platz, 1010 Wien, Austria(Google Map
営業時間 火〜日曜日:10時〜18時(木曜は21時まで)
     月曜日は休館
料金   大人16ユーロ(高い…)
アクセス トラム1,2,71番線に乗り停留所Burgringから徒歩5分程度
公式ウェブページ

所蔵作品のデジタル鑑賞もできます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?