27.噂

噂が原因で人が死ぬ、

なんてことがこの世にはたくさん残っているのだろうな、と思った。

これは少し前に話題になっていた本を読んだ感想。


口に尊ぶと書くが、漢字の成り立ちは

「人が多く集まって話をする」という意味が中心だという。

確かに、人が集まって話をする意味でも、まれに噂は使われる。

だがよく使われるのは、その場にいない人、確かでないものの話をあれこれとする方の意味だろうし、人が集まって話をする、という意味で使っている人は殆どいないように感じる。

今回は通例使われる意味での、噂についての私の思ったことを少しだけ、記録しておこうと思う。

噂が好きな人は多い。

というか、自分とその場にいる人以外のことを話せば何でも噂になる。

この事実がある以上、噂が好きな人が多い、というのは一概にいえないんじゃなかろうか、という考えが浮かぶ。

自分と相手以外のことはほぼ全て噂になるのだから、噂の基準は曖昧である。

うーん、色んな意味で噂がゲシュタルト崩壊してきた。


確かかどうかわからないことを憶測で話すことは、一種の快楽なのかもしれない。

なによりも興味と好奇心が勝る状態(あるいは一種の恐怖からの逃避)、

あたかも自分だけが知っているかのような優越感、

他者への話題提供という所有感、

自分の好きなように話すことが出来るという自由さ、

共感されることで高まる感情。

脳内麻薬出まくりな要素が揃う。

結局は無意識に優越感に浸りたいという人間の本能にも通づるところが、噂の発端になるように思う。


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