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笑顔あふれる輝きそして生きる大切さ

 改めて考えること,なぜ社会福祉を学ぶきっかけになったのか。それは沢山あるが,その中でも最も印象的に残っているのが2016年7月26日に起きた相模原障害者施設殺傷事件である。この事件で,事件そのものが問題だけでなく事件を起こした被告人の供述に共感している人たちがいることも社会問題となっている。この社会問題から何が出来るのか長年の思いであった私は,身近な人たちは障害を理由に生きづらさを抱えている人たちがいる。彼らは辛いということを感情を言葉で表出することがある。他にも重度障害者施設でアルバイトや地域活動を経験していく中で,言葉の代わりになるもので意思疎通を図っていくものも見てきた。このように生きづらさを抱えていても,不幸ではなく”生きている”そのものに共感したのである。その共感によって時間を掛けていきながら関わっていくことで笑顔にもなれる。この瞬間を中学校時代から長いことあったのではないかと思うことがいくつかある。


北星学園大学 ピアサポートフォーラム2019にて


 大学時代に相模原障害者施設殺傷事件についてや差別問題を実際に持ち込みながら講義に望むこと,ゼミで子どもの貧困を研究されている教員から「ソーシャルワーカーは差別と闘う実践者なんです」という言葉をいただいた。大学の卒業論文でも相模原障害者施設殺傷事件を盛り込み,福祉教育の在り方について論じた。そして自分で言うのもだが,NHKから取材を受けて相模原障害者施設殺傷事件についての思いを語った。その思いには無関心そしてこの事件を忘れてしまっていく風化が懸念される。そうならないためにも私たちはこの社会において”障害者と共に”を意識した実践活動が求められているのではないか。そうでなければソーシャルワークは成り立たないと思う。
 ソーシャルワークのグローバル定義にも”人々のためにではなく人々と共に働く”と盛り込まれている。ソーシャルワークは単に相談援助活動だけでない。ソーシャルワークは改めて何を為すべきか立場を認識して再確認していくことが今後の私の作業となる。その上で,これまでの経験や活動を踏まえながら考えるソーシャルワーク。ここに探っていきたいと思う。
 最後に,障害当事者の語りで最も印象を受けたものして,「大変の中にこそ,人間としての生き方が味わえる」である。福祉の仕事は大変,キツイなどデメリットのイメージが大きい。しかし日々のかかわりの中で葛藤していくことで大変だからこそ面白いものが発見できる。私の身近でも生きづらさを抱え大変だけれども,今の自分はこうして生きている!という証明こそが発見にもなっている。この発見から共に何かをするという大切さを今後見つめていきながら人と社会はつながっているのだという証明があるのではないかという私の思いであった。

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