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ブルーノ・フェルナンデスに見た、カウンター時のファーストターゲット

22-23 プレミアリーグ 第28節
ブライトン vs マンチェスター U

 今回は、22-23シーズンプレミアリーグ第28節に行われたブライトンvsマンチェスター・ユナイテッドより、ユナイテッドの「自陣でのポジティブトランジション(守→攻)」でのブルーノ・フェルナンデスをファーストターゲットとした効果的なカウンターについて紹介します。


マンチェスター・Uの
自陣でのポジティブトランジション

① プレー展開
 まず、ユナイテッドは自陣でボールを奪った「自陣でのポジトラ(守→攻)」の局面では、縦方向へ素早くボールを送り最短距離でゴールを目指すロングカウンターを行う。
 このとき、カウンターのファーストターゲット(奪った直後にボールを送る選手)として、かつカウンターの起点として機能していた選手がブルーノ・フェルナンデスであった


② ブロック守備時の立ち位置
 実際にカウンター時のブルーノ・フェルナンデスの振る舞いについて触れる前に、自陣でのブロック守備時の彼の立ち位置を見てみる。
 以下のように、ブルーノ・フェルナンデスはブロック守備時、「4-2-3-1」ブロックのトップ下の位置、もしくはその1列前のFWの位置にポジショニングしていた。

守備時のブルーノ・フェルナンデスの立ち位置①
守備時のブルーノ・フェルナンデスの立ち位置②


③ カウンター時の振る舞い 
 ここから実際に、ブルーノ・フェルナンデスが自陣からのカウンター時にどのような振る舞いを見せたか紹介する。
 まず、チームが自陣後方のエリアでボールを奪うと、彼は後方の空いたスペースへ下りる動きをする。これにより、チームのカウンターのファーストターゲットとなり、彼自信が敵のプレスの及ばないエリアでフリーで前を向くことが可能となる。

シーン①。カウンター時、ブルーノ・フェルナンデスの後方の空いたスペースへ降りる動き。
シーン②。カウンター時、ブルーノ・フェルナンデスの後方の空いたスペースへ降りる動き。

 その後、彼の、タイミング・スピード・質の非常に高いロングボールを前線に送ることができるという特徴により、最終的なカウンターのターゲットとなるラッシュフォードの裏のスペースへボールを送る。
 このように、ブルーノ・フェルナンデスは、カウンターの起点として前線の味方へボールを供給する役割も高いレベルで果たすことができる。

シーン①続き。ブルーノ・フェルナンデスの正確かつ質の高い前線へのロングボール。
シーン②続き。ブルーノ・フェルナンデスの正確かつ質の高い前線へのロングボール。


 以上のように、ブルーノ・フェルナンデスは自陣からのカウンター時には、カウンターのファーストターゲットとして、かつ前線へボールを供給するカウンターの起点としての能力を持つ選手でした。
 ブルーノ・フェルナンデスのように、トランジションというカオスな状況の中で、空いたスペースを素早く探してそこに移動しフリーでボールを受けるというプレーを一瞬で行う、かつ、前線の味方へ正確なタイミングで質の高いボールを送ることのできる選手は、プレミアリーグでも数少ないと思います。


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