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2019年上半期を読んだ本とともに振り返る

上半期は4月にスリランカに行き、さらに帰国後テロ事件があり、改めて私にはスリランカの友人たちが教えてくれたことを周りの人に伝える責任があるんだと痛感しました。
相変わらずノロノロですが、自分が見聞きしてきたことを伝えられるよう準備しています。

そして5月には初めて海外への出張機会を頂き、タイに行ってきました!
タイは2回目でしたが完全に惚れ直してしまいました(笑)
は〜、すぐにでもまた行きたい。。

そんなこんなで、移動の多い期間でした。こんな時には短編集がイイね。と思い、珍しく短編多めのラインナップに。

あんまりビビッとくるものに出会えないなーと思っていたところ、最後の最後に超良い作品に出会っちゃいました!!こういう出会いがあるから読書は楽しい。

それでは上期ベスト3。

3位
「だれかのいとしいひと」(角田光代)
転校生じゃないからという理由でふられた女子高生、ジミ・ヘンドリックスのポスターを盗みに元カレのアパートに忍び込むフリーライター、親友の恋人とひそかにつきあう悪癖のある女の子、昼間のカフェでひたすら完璧なキスについて考える男、誕生日休暇を一人ハワイで過ごすハメになったOLなど、不器用な主人公たちが登場する短編集。
角田さんの小説は、「八日目の蝉」や「紙の月」などとても好きな作品があるからこそ、毎回ものすごい期待をして読むのだけど、小説ごとに相性があるのか、ハマらない時は全然ハマらない…
そんなことが続いて久しぶりに手に取った角田光代作品「だれかのいとしいひと」は、私の好きな角田さんらしさが出ていて、とても好きな1冊でした!恋愛のちょっとした”不幸”がユーモラスに描かれる一編一編は、この世界のどこかに実在しているような生っぽさがあります。

1位・2位
「ツバキ文具店」「キラキラ共和国」(小川糸)
読み始めの数ページで、「これ絶対に良い本だ!」と思って読み進めたら久々のドストライク。読み終わって余韻に浸っていたら、続編が出ていることに気がついて即買いに行ってしまいました。そのぐらいに良かった!!
と、思ったら2017年の本屋大賞4位の作品でした。納得。

ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。伝えられなかった大切な人への想いを、依頼主の気持ちに寄り添いながら文字にし解決していく心温まる物語。
鳩子が書いた実際(?)の手紙が印刷されていて、依頼ごとに文字を変えたり、ペンや便箋、切手の種類などにもこだわっているのが面白いです。
さらに鎌倉に実在するお店も出てきて、物語の中にぐっと引き込まれます。
書いてから相手に届くまでに時間がかかり、さらにいつ読まれたかもわからない“手紙”。
今では書く機会がめっきり減ってしまいましたが、この本を読んでいると手書きの文字が愛おしく感じます。

続編「キラキラ共和国」は、登場人物たちのキャラクターがさらに引き立ちます。
なんでこんな複雑な設定にしたんだろう?と思うような難題に鳩子をぶつけにいく小川さんがすごい(笑)その難題も(読者に涙を流させながら)ひょいっと越えさせていくストーリー…こんなすごい作家さんだったんだ!と驚きました。
だれかにプレゼントしてあげたくなるような作品です。読めて良かった。


<以下、2019年1〜6月に読んだ本>

「ふくわらい」(西加奈子)
「永い言い訳」(西川美和)
「忙しい日でも、おなかは空く」(平松洋子)
「世の中で一番おいしいのはつまみ食いである」(平松洋子)
「働く男」(星野源)
「本を読む人だけが手にするもの」(藤原和博)
「藪の中」(芥川龍之介)
「政と源」(三浦しをん)
「李陵・山月記」(中島敦)
「学校では教えてくれない差別と排除の話」(安田浩一)
「近代絵画史(上)」(高階秀爾)
「モネのあしあと」(原田マハ)
「ゾウのウンチが世界を変える」(植田紘栄志)
「飛び跳ねる思考」(東田直樹)
「生きるぼくら」(原田マハ)
「だれかのいとしいひと」(角田光代)
「恋のかたち、愛のいろ」(唯川恵、小手鞠るい、畠中恵、原田マハ、ヴァシィ章絵、朝倉かすみ、角田光代)
「食堂のおばちゃん5 真夏の焼きそば」(山口恵以子)
「奇妙な昼さがり」(阿刀田高)
「恋のかけら」(唯川恵、山崎ナオコーラ、朝倉かすみ、山崎マキコ、南綾子、小手鞠るい、豊島ミホ、井上荒野)
「恋する男たち」(篠田節子、小池真理子、唯川恵、松尾由美、湯本香樹実、森まゆみ)
「ただならぬ午睡」(江國香織 選)
「永すぎた春」(三島由紀夫)
「イリュージョン」(リチャードバック)
「ファクトフルネス」(ハンス・ロスリング)
「湯を沸かすほどの熱い愛」(中野量太)
「ツバキ文具店」(小川糸)
「キラキラ共和国」(小川糸)
「異邦人」(カミュ)

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