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初めてさんでもデジタルの写真をフィルム風に? 写真現像!劇的ビフォーアフター

普段、スナップを中心にのんびり撮影しています。

趣味程度ではあるのですが、以前は記事の写真撮影などを、最近ではお子さんの撮影依頼もときどき受けています。

写真を見た人からは、「フィルムカメラですか?」「レトロですね」という感想をときどきいただくのですが、実は、わたしが愛用しているのはミラーレス一眼。ときどきiPhone7(古い)。


フィルムのフィにすら触れていない。笑

そうなのよ、完全に同じとまではいかなくても、デジタルでもフィルム風の写真を再現できるのです……!

現像でここまで変わる!

ということで、今回は、現像の仕方をふとっぱらに全部大公開!!

基本的なことさえ真似すれば、だいたい再現できるようにしてあります。(厳密には、写真に合わせて微調整をしています)

トーンカーブを使う方法もあるのですが、今回は初めての方でも使えるように、各要素のつまみを動かす方法で現像していきます。


iPhone版Lightroom無料版を使えば、iPhoneしか持ってない方も再現できるので、ぜひお試しあれ〜〜!

今回の撮影環境/現像環境

カメラ:FUJIFILM X-S10
レンズ:FUJIFILM XF35mm F1.4 R
天候・時間帯:晴天、午前中
データ形式:RAW

現像:Adobe Lightroom(PC版)を使用

STEP0 ビフォーはこんな感じ

暗い、暗すぎる……笑

今日は、ピッカーンな晴天だったため、白飛びが気になって、少し暗めで撮っていました。この写真もカメラで見ていたときはそうでもなかったのですが、だいぶ暗め。

ここから、はたしてフィルムっぽくなるのか…!?


データ形式は、RAW形式で保存をしています。
iPhoneでも「Lightroom」のスマートフォン版や「Apple ProRAW」の機能を使うとRAW形式で画像データを保存できます!

編集をするのが前提なら、RAW形式で撮影しておくのがおすすめ。

※RAW形式での保存は、iOS 14.3 以降を搭載したiPhone 12 Pro以降のProモデルのみ対応なので、わたしのiPhone7では検証ができませんでした…泣

ここからは、Lightroomを使用していきます。

STEP1 カラーグレーディングで色をのせる

STEP0
STEP1 少し色が濃くなった!

フィルム調の色味にするための重要ポイント!
最初に、「カラーグレーディング」を調整します。

本来は、先に明るさを調整するのが基本なのかな?と思うのですが、そのやり方だと調整しにくく感じるので、わたしの場合は自己責任(笑)で先に調整しています。

Lightroom PC版のカラーグレーディング

シャドウとハイライトに逆の色を入れると、フィルムぽい少し癖のある色が出ます。やりすぎると、写真全体がグリーンがかったり、パープルがかったりするので注意。

後で調整しますが、まずは「シャドウをH:110、S:5、L:0、ハイライトをH300、S:5、L:0」に設定。

検証の結果、ブルー×オレンジの組み合わせもフィルムっぽくなります。慣れたらいろいろいじってみてくださいね。

STEP2 露出量とコントラストでフィルムの柔らかさを再現

STEP1
STEP2 まっくらから脱出!

おまたせしました!まっくらを明るくしていきます。

「露出量」を好みの明るさまで上げます。今回は「露出量+0.84」まで上げました。
そうすると、写真のように明るく!

ポイントは、明るくしすぎないこと。ちょっと物足りないくらいにしておくと良いです。


次に調整するのは「コントラスト」

コントラストは、明るいところと暗いところの差のこと。

数値を上げると、明るいところと暗いところの差が大きくなり、パキパキっとしたメリハリがつきます。逆に下げると、明るいところと暗いところの差が小さくなり、メリハリが弱まります。

フィルムの写真を思い浮かべてみてください。
パキパキ強めの色というよりは、柔らかいほわほわっとしたイメージなのでは?

その表現を再現すべく、コントラストは少しマイナス気味にします。今回は「コントラスト-10」まで落としました。

よくわからん!という方はとりあえずいじってみてください。
実際に見たら「そういうことか!」となると思います。

調整するのは「露出量」と「コントラスト」

ちなみに、コントラストの調整については、使用している機材・レンズ性能にもだいぶ左右されます。

近年の機材なら、上記の設定で大丈夫だと思うのですが、わたしはオールドレンズを使うときのみ、プラスに調整しています。

ここで、バラのつぼみについていた、くもの糸?を修正しています(今回は省略)。

STEP3 ハイライト・シャドウを調整してマットな質感を作る

STEP2 
STEP3 バラの色味が出てきました

次に調整していくのは「ハイライト・シャドウ・白レベル・黒レベル」。

それぞれなんのこっちゃ、となると思うので、ざっくり説明すると

ハイライト=画像の明るいところを明るく/暗くする
シャドウ=画像の暗いところを明るく/暗くする
白レベル=画像の1番明るいところを明るくする/暗くする
黒レベル=画像の1番暗いところを暗くする/暗くする

う〜ん、文字だけだと正直分かりにくい……。
もっと詳しいことを知りたい方は、数値を上げたり下げたりして画像の変化を見てみてください。

では本題に。ポイントは「ハイライトと白レベルを下げる」「シャドウと黒レベルを上げる」こと。フィルムのマットな質感を引き出していきます。

この写真では、

「ハイライト-18」
「シャドウ+49」
「白レベル-50」
「黒レベル+30」

にしてみました。数値は全体のバランスや光の当たり方を見ながら、調整してみてください。この作業をすると、STEP2の段階で影になっていたところも結構明るくなりますが、この写真では露出量もさらに上げました。

STEP3は調整するところが多いです

影をしっかりつけてメリハリを残したいときは、明るさやシャドウ、黒レベルの数値を少し下げるといいかもしれません。

やりすぎるとのっぺりしてしまうので、こちらも徐々に調整していくと◎。
特に人物撮影のときには、控えめに。

STEP4 粒子をプラスしてフィルムのざらつきを

STEP3
STEP4 ノイズっぽくなった

フィルムといえば、ノイズのようなざらついた質感。

これを再現するために、粒子をプラスします。
「粒子+40」に。

サイズや荒さも調整してみると印象がだいぶ変わります。
わたしは、デジタルのツルッとした雰囲気も少し残したいので、ここはいつも控えめですが、今回はわかりやすくざらつかせてみました!

粒子はサイズや荒さも調整できます

ノイズを調整したあと、少しだけ明るさを抑えました。

STEP5 最後に微調整

STEP4 
STEP5 色が濃くなった

写真や機材によっては、STEP4までで終わることもあります。

STEP4までで終わってもOK!なのですが、見直してみて、なんかちがうなーというところがあったら、最後に、今までやってきた要素を微調整します。

この写真では、明るさを抑えたり、白レベルを下げたり、ちょっと調整しました。


プラス、もし余力があれば、「カラーミキサー」「自然な彩度」「周辺光量補正」を調整するのもおすすめ!

「カラーミキサー」は、色ごとに色相や彩度、輝度を変えられます。
この機能を使って、バラの色を少し濃いめに、空の色を少し水色(シアン)寄りに調整。レトロな色味を足しました。

それぞれの色だけ調整できるので便利

写真全体の彩度を高くしたいときは、「自然な彩度」を調整。
植物や料理を撮影したときは、よく数値を上げて彩りよく見せています。

似たような機能で「彩度」もあるんですが、変化が大きすぎて不自然になってしまいがちなので、こちらを使うことが多いです。

ほんのちょっとで劇変

「周辺光量補正」を使うと、写真の四隅を明るく/暗くできます。

本来は「周辺光量落ち」といって、四隅が暗くなる現象(古いレンズでよく起きる)を補正する機能っぽいのですが、それを逆手にとってわざと四隅を暗くします。

すると、フィルムで撮影した雰囲気がマシマシに!!

効果のパネルにある機能は使いこなせるとおもしろいです
四隅が暗くなった

さらに、色味も少し調整して、完成です〜!!

デジタルを簡単にフィルム風に!

完成!!

ここまでお疲れさまでした!長らくお付き合いありがとうございます。
お手持ちの写真もフィルム風になりましたか?


もう一度ビフォーアフターを

改めてもう一度ビフォーアフター。
現像ってこんなに大変身するのよ!すごくない?

だから、現像は、撮影の中で1番好きな作業です(もちろん、撮影段階である程度画面を作っておくのが大前提だけど)。

細かいこともいろいろあるんだけど、初めて触れるなら、あまり気にせず、現像マジックを楽しんでほしいです。

これはあくまで一例なので、いろいろ触ってみてくださいね〜!
もしよかったら、noteやTwitter、Instagram等で完成したものを発信してくれるとうれしいです!見にいきます!


Instagramもひっそりやってます……(更新頻度低めですが)

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