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映画エッセイ

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映画が好きです。映画にまつわる話や映画のエッセイを書いています。
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記事一覧

映画『異人たち』あの人を思い平穏を祈る

自分の大切な人が実は大きな喪失を経験していることを言わずに心に留めていたりそれらを抱えて…

Fumi
3週間前
26

日々と少女映画 | オン・ザ・ロックとバービーと

時々訪れる実家の父親の不用意な発言に苛立ちと悲しさを感じることが増えている事に最近になっ…

Fumi
9か月前
42

映画『イニシェリン島の精霊』自分の人生を問われる哀しくも美しい人間の物語

中年期以降の人間ならば誰にでも思い当たるであろう「誰かとの分かれ道を感じた瞬間」の寂しさ…

Fumi
11か月前
38

『ボーンズ・アンド・オール』最も気高い究極の愛の話

観終わって2日以上経っているのに未だにこの2人を思い出す。きっと私が何も手につかなくなって…

Fumi
1年前
39

日々と恋愛映画

変わる時は一瞬だ。後で振り返ればなかなか大変だったとか長かったとか思うのだろうが、その瞬…

Fumi
1年前
105

映画 『WANDA / ワンダ』 たったひとりありのまま生きた女性の悲しい逃避行

ある時代、ある場所にいた破滅的で孤独なたったひとりの女性の人生を覗き込む。 アメリカのざ…

Fumi
1年前
35

1人とか2人で映画を語り合い、もっと映画が好きになる

つい先日、はじめてポッドキャスト番組にお邪魔して映画トークをしてきました。 映画仲間のヤンパチーノさんの番組「ヤンパチーノのシネマビーツ」という映画レビュー番組で、映画「リコリスピザ」について語りました。 そのあとで、今度は私の番組にも初のゲストとしてヤンパチーノさんに来ていただき、映画「わたしは最悪。」をテーマに2人トーク。 すでに映画を観ている方もそうでない方もきっと楽しめますので良かったら聴いてみてください! 最後に気がつきと、所感を書きました。 詳しくは以下

映画「わたしは最悪。」世界で1番最悪なわたしの人生も、全部まるごと引き受ける

この映画を観ながら、過去の自分の愚かな経験や行動もパッとしない人生もそんなに全然悪くなか…

Fumi
1年前
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また人生を取り戻した、どこにでもいる誰かの話

先日、U-NEXTで配信中のコメディドラマ「サムバディ・サムウェア」を観たのだが、もうこれが本…

Fumi
2年前
79

映画「カモンカモン」完璧でない私たちの世界にみえた、未来への希望

今も思い出すだけで、目から涙がこぼれ落ちそうになってしまう。きっとこれから先、何度も観た…

Fumi
2年前
102

映画「マティアス&マキシム」近すぎて見えなくなるほどの、愛と優しさの物語

これは、同性同士の恋や、何か特別な恋愛物語を描いたものではない。 男や女なども全く関係な…

Fumi
2年前
39

【日記】ウエストサイドストーリーを観て、映画の余韻に浸る

今日はスピルバーグ監督作の「ウエストサイドストーリー」を観に行った。13:00からの回だ。 …

Fumi
2年前
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映画【フレンチ・ディスパッチ】文化への愛と、ままならない人生の物語

私が初めてウェス・アンダーソンという映画監督を知ったのは2003年、高校を卒業したばかりの18…

Fumi
2年前
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映画「偶然と想像」昔の終わらなかった恋愛を思い出す

映画「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督作品「偶然と想像」を鑑賞した。 パンフレットに「短編集」と書かれていた通り、3つの短い恋愛と性愛に関する物語だ。それぞれの話に特につながりはないが、どれもが現在の日本社会の縮図を表しているようでもあり、不思議だけれど、どこか身に覚えのある話ばかりだった。 対話形式で進行していく作風が、エリック・ロメールや、(少しタイプは違うが)ビフォアサンライズなどを思い出させてくれて、私の好みだった。 この作品を観た直後は、前作の「ドライブ・