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入学式

こんにちは。
またまた、投稿間隔が空いてしまいました、、
(先月は、レポートやらゼミやらでなんだか落ち着かずにいました、、)

「入学式」

やって欲しかったな〜、と思う今日この頃。

まだnoteに書けていないので、後日落ち着いたタイミングで書こうと思っていますが、今年の3月末に4年間勤めた会社を退職し、4月から国立大学の大学院に入学しています。(直接報告できていない方、申し訳ございません、、)

もちろん、コロナの状況下で出来る訳もなく、こんなことを言うこと自体も、最前線で闘っている人たちからすると迷惑なのかもしれませんが、、
理想はやっぱりやって欲しかったな、と思うのです。

あるいは、恐らく現実的ではないと思いますが、今後諸々環境が整って、落ち着いたタイミングで実施してもらうのでもいいと思います。
「あの時、必死に耐えたから」「あの時を乗り越えたから」なんていう思いで実施してもらったら、これまた強い意味が加わっていいですよね。

あとは、最近大学院の友人と話していて気付いたのですが、私は会社を辞めて入学しているからまだいい方で、
今年大学を卒業してそのまま大学院に入学した人にとっては、入学式以上に重要であるかもしれない「卒業式」も同様に中止になってしまっているので、本当に可哀想で仕方がないです。

もしかしたら、式自体はそこまで重大ではないかもしれませんが、
4年間大学生活を共にした友人たちと「あの時はあんなことやこんなことしたな〜」とワイワイ思い出話やたわいも無い話をしたり、
お世話になった先生方に感謝を伝えたり、ゼミやサークルの後輩に普段は言わないような感謝の言葉をかけたり、、

そういったことを通して、大学生の身分に区切りをつけ、社会人や様々な自分の進路へ向かっていくのだろうなと思います。

これを「運が悪かったね」で片付けられてはあまりに可哀想だと思います。
あるいは、東日本大震災の時も同様に、もちろん卒業式どころではない状況でしたし、あえなく中止になってしまったわけで(←自分の1個上の代)、
過去にはこういった例はたくさんあるので「別にこの代だけではないよ」という人もいると思います。

でも!!!
入学式、卒業式を例年通り実施できた代と実施できなかった代に差があることは事実ですし、実施できなかった代の人にとっては、それを経験していないから実際どれほどの価値があるのかについて、確信を持って唱えることは難しいと思います。

幸い、私の場合は大学の卒業式は無事に行えましたし、先ほど書いたように友人とワイワイやったり、今までふざけて遊び呆けてしかいなかった友人たちと
「俺たちも、大人になったな」と渋めの会話をしたり、カッコつけて将来の夢について語り合ったり、というイタいことも出来たわけで、
私にとってはあれは重要なことだったなと思うのです。

まぁ、こうやって書いているうちに、ふつふつと色々な思いが出てきたのですが、結局誰が悪いわけでもないし、「大学(運営側)、お願いだから実施して〜!」という無責任なお願いをしたいわけでもないので、ただ自分の感情を垂れ流してみただけです。。(←身勝手ですみません)
ただ、結局これも実際に経験している当事者でないと分からない思いもあると思うので、あえてこうして書いてみました。


と、前段が長くなってしまいましたが、
去年行われた入学式と言えば、特に話題になったものとして「東大の祝辞」が挙げられると思います。社会学者の上野千鶴子さんの祝辞です。


「何を今さら」と思う人もいるかもしれませんが、今年実際に自分が学生となり、メッセージを受け取る側になったので、改めて見返してみました。

感想を端的に言うと、
「大事なメッセージが沢山詰まっていて、素晴らしいな」という感じです。

かなり月並みな感想ですが、改めて学生の立場で話を受け止めたときに、とても素晴らしい激励だなとパワーをもらいました。

当時は、わざわざニュースやワイドショーでも取り上げられて、賛否の意見が飛び交いましたが、私は賛の方で受け取りました。
もちろん、立場や価値観によって、様々な受け取り方があると思いますし、このメッセージを活かすも殺すも人それぞれなので、まぁいいかなと思います。
まぁただ、当然のことながら殺すよりも活かした方が有益なはずなので、勿体無いなと思います。

そこで、色々なネットの声、ニュースでの取り上げられ方やコメンテーターのコメント等を調べてみましたが、批判意見に対して批判的な意見を重ねるのは極めて生産的ではないので、私にとって印象的だったメッセージについて、ここに残させていただきます。

【印象的なメッセージ】
・東大医学部の男女の比較と女性差別の問題提起
・女性学が生まれた背景
・パイオニアとは
・環境への感謝
・ノブレス・オブリージュの精神
・大学で学ぶ価値


・東大医学部の男女の比較と女性差別の問題提起

まず前半で数字を用いて、男女の差に関する事実をお伝えされてます。その後に、コンパやサークルの例を挙げながら実態について説明されています。
コンパでのモテる、モテないの話は、俗人的な差もあるかもしれませんが、前半説明された数字については、誰もが理解できる客観的なデータであり、事実です。

それらを基に、女性差別について問題提起されています。それは決して「女性よ、男性には気をつけろ」というメッセージを投げているのではなく、「こういった現状が部分的だとしても実在しているよ」ということをアナウンスしているに過ぎず、それについてどう思うかは自分で考えて、というメッセージだと受け取りました。

・女性学が生まれた背景

それから、女性学という学問が生まれた背景について触れていきます。
上野さんが学生の頃は女性学は存在していませんでしたが、今では、主婦の研究や少女漫画などの研究で学位が取れるようになりました。これは、まさに第一人者である上野さんのご尽力の賜物です。

「あくことなき好奇心と、社会の不公正に対する怒り」
これが原動力だと話しており、学生がまさに参考にすべきことだと思いました。

そして、学問にもベンチャーがあり、時代の変化の中で求められて新しい分野が生まれてくる、ということを説明されて、まさに今、自分自身が特殊な分野で研究しているので、改めてその意味について考えさせられました。

・パイオニアとは

「(女性学が)なかったから、作りました」
女性学の話の中で、さらっとこんなことを言っています。続けて、女性学が存在しておらず先行研究が無かったからこそ、パイオニア、第一人者になれた、と説明しています。
これは、気を抜いているとサラッと流してしまいそうですが、冷静に想像力を働かせて考えれば、それがどれだけ大変なことか、そしてそれを成し遂げることの凄さが分かると思います。

・環境への感謝

「がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったことを忘れないようにしてください」
かなりストレートな表現ではありますが、理解できますよね。
簡単な例を挙げると、甲子園での高校球児のコメントです。

「野球をやらせてもらった両親に感謝しています」

まさに、両親に日頃支えられ、野球に打ち込む環境を整えてもらっているから、野球に打ち込めるし、周りの監督やチームメイトにも支えられて、結果的に甲子園で活躍できるのですよね。
決して当たり前なことではないと思うので、忘れないようにしよう、と強く思いました。

・ノブレス・オブリージュの精神

「ノブレス・オブリージュ」という言葉自体は祝辞の中で使われていませんが、まさに言わんとしていることはこのことで、報道の中でもこのような表現が使われていました。

要するに、恵まれた環境や周囲の人に感謝すると同時に、その環境での努力を単に自分だけのためにするのではなく、自分が恵まれた環境を整えてもらったように、周りの人を助けるために力を注いでください、というメッセージです。
前にも書きましたが、まさにノブレス・オブリージュ武士道のような精神です。

・大学で学ぶ価値

そして、最後に、大学生にとって最も重要なことを教えてくれています。

「大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています」

まさに、上野さんだからこそ発信できる、説得力のあるメッセージだと思います。
「知を生み出す知=メタ知識」という言葉も使われていて、非常に興味深いなと思いました。
改めて、私にとっての大学院で学ぶ価値、その目的について考えさせられました。


以上、ざっと整理してみました。(かなり長くなってしまい、すみません、、)
ぜひ少しでも興味を持った部分がありましたら、今一度動画を観てみていただければと思います。

いや〜、こうして整理すると、改めて「入学式の祝辞として相応しく、素晴らしい内容だったな」と思います。

実際には、ネットの声として批判的な声も多くあったみたいなのですが、
正直、外野の声なんてどうでもよくって、こういったメッセージ性に富んだ祝辞を学生にぶつけて、それを学生がどう受け止めるのかが重要だと思います。
ましてや、ニュースやワイドショーの中で、女性差別に関する上野さんの表現にチャチャ入れるなんてのはもってのほかで、本当見当違いも甚だしいなと思います。


と、本質ではない所を突っつくメディアに対して、若干の怒りが込み上げてきますが、かなり長くなってしまったのでこれで終えようと思います。

結局、何が言いたかったかというと、
「入学式やって欲しかったな〜」という誰もどうすることも出来ない、コロナに対するボヤキ、でした。

ようやく、今週末、初めて同期で一堂に集まることができそうなので、今からワクワクしています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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