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ブルーピリオドに突き動かされた話。

 最近、Netflixでアニメ『ブルーピリオド』を見始めました。
 なんだろう。自分の小説の真ん中に、一本線をぴっと惹かれたような。ずっと猫背でへにょっとしてたのが背中を引っ叩かれて背筋が伸びたような。そんな気持ちで小説の執筆を頑張っています。動き出すためのスイッチが入ったような気がします。

「才能なんてないよ。絵のこと考えてる時間が、他の人より多いだけ」

『ブルーピリオド』より

 先輩のこのセリフが、なんかずっと心に残っていました。「私は小説を書くことにどれだけ時間を割いてるの?本当に好き?」みたいな、問われている気がして、ちょっとぎくりとした。Netflixでアニメ見てる場合か?と思って、少し焦った。それで先週あたりから、文字通り小説を書く時間を増やしてみました。形から入るタイプかもしれない。

 で、私思いました。
 小説の具体的な書き方、全然知らない!!

 書きたいテーマはたくさんあって、以前からちょこちょこっと書きだめて完成したいな〜と思っているものはあるのですが、「アイデアを一つの作品にまとめる力」が圧倒的に足りていない。
 設計図も書かずに材料集めだけしていても、作り方を知らないと、そりゃあ完成しないはずだ。まずは設計図の作り方から勉強せねば。

 ということで、「赤と青のエスキース」の小説を分析しながら読もうとしたら、物語に引き込まれてしまいました。絶賛読書中です。

 分析したり、その小説を書くつもりになって読んでみました。これが意外と良かったです。今までなんとな〜く流していた部分も、しっかり見つめることができました。
 それぞれの文章の意味を考えたり、登場人物の性格、心情の変化、文章の意味など、学校の授業ばりにしっかり分析しながら読み込んだら、今までで一番、濃厚な読書体験になったような気がします。もちろん楽しかったですし、より世界観にぐっと惹き込まれました。
 小説を書くようになったら、小説を読むのがつまらなくなったりするのでは…なんて頭をよぎったのですが、杞憂でした。むしろ面白さが増えたような気もしました。
 他にもいろいろ、読みながら分析したりしてみたいな〜と思いました。

 以前、何かの本で、「音楽を演奏すると音楽の聴き方も変わり、吸収するものが増えるので、音楽を楽しむなら素人でも下手だけどでも良いから自分で演奏しなさい」みたいな内容の文章を読んだことがあります。

 読書も同じかもしれません。
 小説の一部を書き写してみると、ただ目で読むだけよりもずっと、感覚的な何かが、吸収する量が増えたような気がしました。感覚的に言葉の意味を体験したような感じがしました。


 小説が進んで、一つ答えが見つかるたびに、やるべきことが10個くらいまた増えて、ゴールが遠のく。
 進んだからこそわかった課題。それでも自分の足りてない所を見つめるたびに苦しくて、でも作りたくて、やめられない。この創作の苦しさを感じました。
 始めたからこその、苦しみが生まれる。そう。これは成長痛だ。大丈夫。

 ブルーピリオドを見て、青春ってこういう泥臭いような、地道な創作とか、それを通じて体験する葛藤とか、そういうことを言うのだろうか、と思いました。
 なんとなく、青春=少女漫画、恋愛映画、ダンス部やサッカー部の人が友達とマックで喋ってる、みたいな印象がありました。(陰キャの偏見です)で、私はその枠の外にいるモブのような感覚がずっとありました。

 だけど、美大受験をするブルーピリオドの主人公は、なんかめちゃくちゃ、青春漫画になっていることが、衝撃でした。

 青春漫画やアニメといえばスポーツ部、みたいなイメージがあったのですが、美術という文化系の分野にスポットを当てて描いている。
 この世界には、ちゃんと自分の居場所があるのだと言ってくれているみたいで、嬉しかったです。

 教室の中に居場所がなかった私も、ちゃんと泥臭い青春をできていたのかもしれない。そう思うと、少し自分を肯定できたような気がした。
 こういう泥臭くて、地道な、一つ一つを積み重ねていけば良いのだ、と思えました。


 やっぱり創作してると、だんだん孤独な気持ちになってきて、煮詰まってきたりする。だからこうして自分の行動を振り返って、最近の進捗を書き出してみることにしました。
 雑多に書き出した文章をまとめたりしているうちに、今の自分がどこにいるのか、見つかってくるような気がします。メンタルを安定して創作する方法があるはず。今はそれを探りながら、安定した境地に立てるようになりたいです。

 「本当に私は小説なんて書けるのかしら」とか「これって面白いのか…?」とか、たまに不安が頭をよぎる。ちゃんと進んでいるはずなのに、歩いても歩いてもゴールがどんどん遠ざかっていて、果てしなくて、ちょっと自信がなくなりそうな時がある。
 だけど、大丈夫。ひとつひとつ、地道にいこ!今日はここまで進めたから自分にはなまるつけてこ!って、最近ようやく自分を励ませるようになりました。

 自分にダメ出しを繰り返していると、だんだん楽しさが減ってきて、「書かなきゃ」になってしまう。だから自分が単純に「好きで書きたいもの」を大事にしながら、楽しんで書いていこうと思います。