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187 ピンク色のしあわせ

うららかな晴天が続くやわらかな春の日々。
啓蟄が過ぎた頃ベランダで小さな虫を見かけて、春分が過ぎて陽が差す場所がより一層明るくなってきていることに気が付いた。

こんな風に周囲の景色も生き物も季節とともに進んでいることを感じると、なんとも穏やかな気持ちになる。

数えきれないほど繰り返してきた春。
でも、訪れる春は毎年少しずつ違う。
春を迎える側も、毎年小さくあるいは大きく変わっている。
2022年、いつもと同じようで同じではない春を迎えることができた。

私にとって、デパートの地下にある全国のお菓子を集めたコーナーは、お気に入りの場所の一つだ。
季節や仕入れ先によって、お菓子がくるくる変わるのが楽しい。

少し前まで、花びらもちや梅の花の形のお菓子、夜明けをイメージした和菓子など新年をお祝いするお菓子が華やかに並んでいた。

先日見に行ってみたら、お菓子のコーナーはピンクであふれていた。
ピンク!

ピンク色を目にするとうれしさが込み上げる。
やわらかい色、かわいらしい色、やさしい気持ちになる色、愛情を感じる色。ぽかぽかとあたたかい気持ちになる色。

どうやら、桜のお菓子特集をしているようだ。
桜もち、桜きんつば、桜味のあんこが入ったどら焼き、ピンク色の羊羹におまんじゅう…。

実は桜味のものが少し苦手な私。
それでもピンク色にときめいて、毎年桜のお菓子を購入してしまう。
桜の花もピンク色も好きなのに、桜味が苦手だなんて悔しいもの。

今年は小さな桜もちをふたつ購入した。
家で煎茶を淹れて、窓際で味わうことにした。
外の木には続々と芽が出ていて、またここでも春を感じる。

桜もちを食べると、なんとひと口めでおいしい!と思った。
ほのかな桜の香りとやさしい甘み。桜の葉の塩気がきりっと効いている。
毎年食べているうちに、好きになったのかしら。
去年の私からのうれしい変化である。
気持ちの高揚に任せて、2つとも食べてしまった。

午後の光にふわっと照らされた桜もちは、体も心も春色にしてくれた。
今年はこれまで以上に桜を楽しめそう。

なんだか、他の桜のお菓子にも挑戦したくなってきた。
桜特集が終わる前に、デパートに足を運ばなくては。

わかっていても、ピンク色でいっぱいのお菓子コーナーを見たら、きっとうれしくなるんだろうな。

そんなことを思いながら、桜スイーツのイラストを描いた。

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今年の桜に出合えるのを楽しみに。

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