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友達と手紙を書く、交換する、いとおしさ

一週間前のこと。ある友達が、文通をしている相手について話してくれた。
英語を学ぶ合宿?イベント?で出会った、ここからは遠い他県の友達。
普段はお互い、めったにLINEで連絡はとらないのだけれど、月イチほどの頻度で手紙を交換するのだそう。
「元気?」から始めて、最近あったことなどを書き、最後に「あなたと友達になれてよかった」と書く。
「本当に、大事な友達なんだぁ」と笑う彼女が、わたしは素敵だと思った。文通の話も、心がほわっ、ふわっとして、羨ましいなぁとも思った。

そして最近わたしも、文通を始めた。相手は、隣のクラスの友達(文通の話をしてくれた友達とは違う子)。
といっても、ただの文通ではない。何かと言うと、「小説を書くための文通」なのだ。
彼女は、小説を書くのが好きで、自分でも取り柄なのだと言っている。実際にそれを見たことはないのだが…(今度見せてもらおうかな)。
まあともかくそんなわけで、そしてわたしも小説を書くのは好きだ。
一緒に何か作りたいなぁとふと思った時、ふたりの作家が書簡で織りなす小説の存在を思い出した。書名、なんだったかな。
そして、わたしの「文通したい欲」も同時に吹き出した。そして、「架空の人物になりきって、文通してみない?」と彼女に提案したのだ。
彼女は喜んで乗ってくれた。

ここのところ毎朝毎晩、彼女からもらった手紙を読み返すのが日課になっている。毎日毎日、飽きることなく、(本当に最近始めたばかりだから)二通しかない手紙の封を丁寧に開けて。
丁寧に書かれた文字を大切になぞって、次は何を書こうかな、何が返ってくるのかなとわくわくしながらベッドを寝起きする。
学校で会って、わたしが手紙を渡して、次の日は彼女が手紙を渡す。
廊下ですれ違うたびに、「早く返事書きたい」「返事待ってるね」が合言葉になった。

一番最初に話した友達の文通と、わたしたちの文通。
種類は違う文通だけれど、返事を楽しみに待つ気持ちと、手元に残ったそれを何度でも見返したくなる気持ちは、きっとおんなじだと思うのだ。
便箋を選ぶ。書く言葉を選ぶ。封筒を選ぶ。封をするシールを選ぶ。
そうやって相手のために最善を選んで選んで、悩む時間のひとつひとつがいとおしくなる。手紙って楽しい。ほんとうに。
明日は彼女から返事が返ってくる番だから、また今夜も手紙を見返して、あたたかい気持ちで眠りにつこうと思う。

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