刑事施設へ来ると誰もが必ず取り憑かれる悪魔がいる。

そいつの名は・・・

『メモ魔』

刑事施設に収容された人間はなぜか必ずメモ魔になる。

メモの内容は幅広い。

ニュース、流行、刑務所で仕入れた情報、借りた本や購入した本からの情報、自分で考えたアイデア、エロ本のタイトルから哲学者の名言まで様々な情報をメモする。

その大抵は後から見返すと意味のないどうでもいい情報も多い。

「右へならえが変な人がいる」

「プロフェッショナル仕事の流儀の主題歌はスガシカオのプログレス。これを出所したらカラオケで歌う」

「大阪の堺まで走っている市電の夢を見た」

「北朝鮮がミサイルを発射した」

「フロリダ州クリアウォータービーチに出所したら必ず行く」

「〇〇ってお店がとても美味しい」

「S級素人という雑誌がとてもいい」

などなど・・・あげたらきりがない。

メモもこのように日記に記すものもあるけれど、仕事のアイデアなどは別に雑記帳や輸出入ノートを作り、そこに別に書き込んでいる。

出所後の将来に役立てるために書きだめておいて、出所したら一つ一つ実現させていくんだ。

そこには出所後の必ずこうしていくという未来が綴ってあったりもする。

出所後はツイッターやブログを書いて犯罪撲滅や再犯防止、被害者を出さないためを目的とした発信をしていく。

そのブログやツイッターで社会貢献をしていく。

雑貨屋をやる。

家族を大切にし幸せな家庭を築く。

色々なことが綴ってある。

これを定期的見返してイメージをわかす。

そんなことを毎日やっている。

さて、今日もいろいろな事をメモして・・・

将来に役立てるぞ。

メモはいつか必ず役にたつ。

メモは必ず見返す。

それが成功の道だと信じて。

全ては順調に進んでいる。人生の成功に向けて。