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ZOZOTOWNとわたしの18年のあゆみ

 私が最初にZOZOTOWNを利用したのは、もう18年も前になる。ちょうどケツメイシの「さくら」がヒットしていた春で、買ったアイテムはユナイテッドアローズのベルト。当時、ジーパンに白シャツみたいな小ざっぱりしたスタイルにスカーフを腰に巻くのが一瞬流行っていたけど、なんだか思うようにできなくて諦めかけたときに、革とスカーフ生地をいい感じにつないだベルトを見つけてZOZOTOWNで購入した。なぜ店頭で買わなかったのかと言えば、その頃私が長野県に住んでいて、近くにユナイテッドアローズが無かったからである。それ以降、少なくとも一年に1回くらいは何かしら利用していて、現在に至る。こんなに長年ともに歩んできたサービスは他に無いので、生き字引みたいな顔して何か書いておこうと思う。

情報収集に使えるZOZOTOWN


 生き字引と自負するだけあって、私は、ZOZOTOWNを運営開始の2004年12月からずっとチェックしている。スマホがまだない時代、暇さえあればPCでサイトを見ていた。知らないブランドや読み方が分からないようなブランドも載っていて、身近にないものを知ることが楽しかった。自身の服装とはテイストが違って店舗には入りにくいようなブランドやその商品を知ることができて、世界が広がった気がした。まだECサイトが多くない時代に、頼もしい存在だった。そういえば、運営開始当初からZOZOTOWNはブランド名に読み仮名を付けてくれている。

サイト上でブランドとユーザーの距離を縮めたZOZOTOWN


 当時の日本のメディアや他社ECサイトではまだ、ブランド名に読み仮名を付けるのはカッコ悪いというイメージの方が勝っていたと思う。体裁がよくても覚えにくかったら意味がないし、分からないことでユーザーとブランドの距離が縮まらないのに、そのあたりでユーザー目線を持ったサイトはすごく少なかった。ブランドのビジュアルではやる必要がなくても、ECサイトのような売場では分からないことをなくすのが一番だから、ずっと昔からブランド名に読み仮名を付けていたZOZOTOWNは素晴らしいと思う。読めない・呼ばれない名前は販促面であまり意味がなくて、売れたいなら、選ばれたいなら名前は分かりやすいほうが良い。
 検索のしやすさもずっとNo.1だ。検索結果に全く求めていない商品が表示されるような時期もあったけど、最近ではだいぶ減った。アパレル各社の自社サイトなどでは、まだ希望カラーの複数検索が一度にかけられないところが多いけど、ZOZOTOWNは可能。ブラックかネイビーのウールのジャケットが欲しければ、一発で結果が得られる。これができると、集中力が切れないので自分からは行きつかなかったであろうブランドにたどり着くことがある。そうして、着たことがないブランドに興味を持ったり、調べてみたりする機会が生まれるのは、ブランドにとってもいいことに違いない。

ユーザーのマス化と顧客離れ


 一方で取り扱いブランドはだいぶ変遷があった。運営開始当初は低価格ブランドはあまり扱っていなくて、価格帯的にも感度的にもNUMBER (N)INEくらいから上だったように思う。メンズの比率は今より高かった。それがすぐにマス化して、取り扱いブランドが雪だるま式に増えていった。率直に言ってつまらなくなったけど、私はソックスとかインナーとか買うのにたまに利用した。そして2010年頃、ZOZOVILLAでデザイナーズブランドの取り扱いが始まる。ZOZOとして感度高め層を取り戻したいのかなと思ったけど、ブランドの見せ方が中途半端だった(カッコよく見えなかった)気がするし、メイン客層が既にマス化していたから思惑通りにはいかなかったのだろう。気づくとZOZOVILLAはなくなっていた(2021年にラグジュアリーブランドを取り込んで復活)。

買取サービス開始、買い替え割でLTVをUP


 2012年頃に、ZOZOUSEDが始まった。この頃から今日まで、正直だいぶお世話になっているサービスだ。当時私はセレクトのT社に勤めていて、可処分所得は社販で消える生活。それでも色んなブランドを使ってみたいから、ZOZOUSEDでジミーチュウのパンプスを買ったりクロエのバッグを買ったり、オールドセリーヌを買ったりした。そしてそれをまたZOZOUSEDに買ってもらう。勉強代である。ほかには、ファミセで買ったけどあまり着なかった服などをZOZOUSEDの買い取りに出した。当初はZOZOで買っていないアイテムだけでも査定に出せたけど、現在はZOZOで買ったものを含まないと査定に出せなくなっている。最近では仕事着をZOZOで買って、もう着ないかなと思ったものから順に買い取ってもらいつつ、新しい服をZOZOで買う。LTVアップ戦略にぴったりはまったユーザーはこの私である。

ECの送料について物議を醸した前澤さん


 これも2012年頃だった。Twitterで一般ユーザーがZOZOTOWNの送料が高いとつぶやいたのに対して当時の前澤社長が「タダで商品が届くと思うな」という主旨のことを語気強めで返し、炎上した。興味深かったのはこの後、発言を謝罪の上一定期間送料無料になったのちにユーザーが送料を決める「送料自由」の時期があったこと。加えて、炎上から数年後に即日配送が始まったこと。
 背景としては、もともとキャンペーンだったはずの送料無料が業界的に常態化して当たり前みたいになってしまったけど、決してタダじゃない(誰も負担していないわけではない)し、輸送費は実際に値上げされているところ、関係者同士(ZOZOとヤマト)が痛み分けして実現しているサービスなんだということを知ってほしかった、そのうえでECの送料にいくら払えるかユーザーに問う、という流れがあった。これを経て、ZOZOの送料は一律200円となり、現在は250円になっている。(※時々、1万円以上購入で送料無料のキャンペーンあり)
 コロナでEC化が加速して、EC戦略にお金をかける企業は格段に増えたけど、やっぱり「○○円以上送料無料」のところは多い。現状の実際の送料に対して、事業者各位は本当のところ送料についてどう思っているんだろうか。

大変そうだったZOZOSUIT、けっこう使えるZOZOGLASS


 割と記憶に新しい、ZOZOSUITに一応触れておきたい。そして、取り寄せたくせに使わなかったことは謝りたい。ものすごく不評だったし、おかしなフィッティングのセミオーダースーツを納品された挑戦者の皆さんが気の毒だった。のちにテレビのドキュメンタリーで拝見した限りでは、開発時点で色々なトラブルがあったようだけど、お披露目する前にもう少し時間をかけて段階を踏めばよかったのにな、と思う。
 これを乗り越え、ZOZOSUITから3年後くらいにZOZOGLASSが出た。これは、私もちゃんと使ったし、使えた。ZOZOGLASSをご存じない方のために説明すると、2021年のZOZOCOSMEのローンチに合わせて配布が始まった「メガネ型の、似合う色計測器」で、ZOZOSUITほど話題にならなかったものの、コロナ禍でタッチアップしてもらえないコスメの色選びには役立った。賛否あるだろうけど、少なくとも私の周りでは「参考になった」という意見が多い。

神出鬼没<あなただけのタイムセール>


 だらだらと書いた文章をここまで読んでくださった方にせっかくなのでお知らせしたいことがある。ZOZOTOWNは、週一くらいで特に週末にかけてチェックするといい。なぜなら、24時間限定<あなただけのタイムセール>が実施されることがあるからだ。過去最近に個別の商品ページを閲覧したことのあるアイテムが、戦略に応じてちょっと安くなる。例えば全員に対してタイムセールで10%OFFの商品が18%OFFくらいになっていたり、プロパー販売の商品が10%OFFになっていたりする。商品ページを閲覧した際に気に入ったものがあれば「お気に入り」登録をしておくと、お気に入りページの中から<あなただけのタイムセール>になっている商品が簡単に見つけられるので、ぜひとも活用されたし。

― おわり ―

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