なぜか仕事を頼まれない人に共通する、しゃべり方の問題

 こんにちは。
 身だしなみや受け応えに特段問題があるわけではないのに、なぜか仕事を頼まれない人がいます。挨拶などの基本的なコミュニケーションの場面では周囲とはうまくやっているように見えるのに、なぜか実務では遅れをとってしまう人です。

 表題には「なぜか仕事を頼まれない人」とだけ書きましたが、「仕事が雑なわけではないのになぜか複雑な仕事を頼まれたり教わったりする機会が少なく、実務で出遅れてしまう若い世代の人」について、私がこれまで見聞きした経験を踏まえて書きます。表現が適切かは後回しにして、ぱっと見かわいい子に多い傾向があります。

 もちろん仕事を頼まれない理由は他にも個別に理由があると思いますが、ほとんどのケースで敬語やビジネス会話などの言葉使いスキル以前に、しゃべり方に「ある共通点」があったのです。

子音の発音が弱い

 ご存じの通り、日本語では「あ・い・う・え・お」が母音です。実際に声に出してみると分かりますが、発声時に口の中で舌がどこかに当たるでもなく、喉を動かすわけでもなく、口の中で空気の流れを作るでもなく声が出せます。

 もし分かりにくい場合は、試しに「ら・り・る・れ・ろ」と発音してみてください。上顎に舌先が当たっていることが分かります。「か・き・く・け・こ」と発音すれば喉を使っていることに気付き、「さ・し・す・せ・そ」で空気の通り道を狭くしていることに気付くはずです。そして最後にもう一度あ行を発声してみると、違いが分かると思います。

幼く聞こえてしまい、頼りなく感じる

 さて、この子音と母音、組み合わせて発音すべき文字を子音弱めで発音するとどうなるでしょうか。例えば「これは、わたしのですか?」というセリフの場合、「こぇは、ぁあしのぇすか?」のようになります。伝わったとしても、聞こえかたは大変子供っぽく、甘えたような感じになると思います。

 同様に「かしこまりました」を伝わる程度に子音を弱くしてみると、「ぁしこまぃました」のようになります。言葉自体はかしこまっていても、聞こえてくる音にかしこまっている印象は感じられませんね。

 このように、子音をきちんと発音しないことで会話から与える印象が幼く子供じみてしまうと、仕事を任せることに周囲は一抹の不安を覚えます。そのため育成が他の人よりスローペースで進行されたり、臨機応変さが必要な差し迫った場面ではいつまでも出番がもらえなかったりするのです。

キャラに似合っていると周りが気付きにくい

 冒頭で「ぱっと見かわいい子に多い」と書きましたが、これがまたネックです。年のわりに幼いしゃべり方をしていてもプライベートであれば違和感がないような可愛らしい見た目の人に多い傾向があります。
 
 はじめのうち、周りは当人を若い同僚や部下として「大事にしている」つもりで接し、当の本人は「大事にされている」と思って過ごしますが、そのうち社歴のわりに任されることが少なく、同期との差が開き、気付けば周囲との距離は埋まらないまま…お互い悶々と過ごすということになりかねません。

 また、しっかりと自分の意見を伝えたはずの場面でも、本来であれば自主性や積極性を買われるはずなのに話し方が幼いだけでわがままに聞こえてしまったり、説得力に欠けたりして不本意な思いをすることがあるかもしれません。

 今これを読んでいるあなたが、もしかして自分のことかも?と思うなら、明日から唇や喉をしっかり動かして子音を強化しましょう。それだけで解決です。もし、自分ではないけれど思いあたる人がいるというのなら、それとなくアドバイスしてみてはいかがでしょうか。対人コミュニケーションの仕事の場合は特に、対外的にも効果てきめんのはずです。
 

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