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運河沿いぶらぶら -東京・天王洲アイル-/海辺の水彩画

東京駅から山の手線を浜松町駅で下車。そこから羽田空港行きの東京モノレールに乗ると5分で最初の駅「天王洲(てんのうず)アイル」に着きます。
天王洲アイルは、東品川臨海部の再開発街区に位置する広大な人工州です。「天王洲」は海中の土砂が堆積してできた州の名称で、「アイル」は島を意味する英語です。

かつては殺風景な流通倉庫地帯でしたが、東京湾ウォーターフロント開発の先駆けとして都市開発が進み、今では高層のオフィスビルやマンションが林立し、運河沿いには洒落たレストランやカフェが並ぶオリジナリティ豊かで魅力のある複合市街地が形成されています。
東京モノレールやりんかい線がクロスしており鉄路でのアクセスも便利です。駅に直結した銀河劇場をはじめ、ギャラリーやイベントスペースも充実しています。 

運河沿いに続くボードウォークと呼ばれる板張りの散歩道をぶらぶらと歩きますと、喧騒の都心からわずかしか離れていないのに、ここではゆったりとした時間が流れてゆきます。
駅からそう遠くない橋の手前に、ウォーターフロントに相応しいレストラン『ティー・ワイ・ハーバー ブルワリー(T.Y. HARBOR BREWERY)』があります。大きな壁面にブルワリーと書かれている通り、ビール醸造所のあるレストランです。

天王洲アイルの『T.Y. HARBOR BREWERY』、ボートも横付けできる

1997年、地元の寺田倉庫が自社倉庫の一棟をレストランに改装して開業したもので、薄暮の中にライトアップされたレストランの切妻が、静かな水面に映り込むショットは最高のシチュエーションをかもし出します。
料理はアメリカン。ブルワリーだけあって、ビールが美味しいですね。広い店内には、運河を眺めながらのテラス席や水上ラウンジなどがあります。船が係留できるポンツーンも整備されており、ボートでのランチ行も可能です。

天王洲アイルの東隣りには人工ビーチが広がるお台場海浜公園があります。このあたり、かつては貯木場だったらしいのですが、今ではマリンハウスや水上バス、ボート施設などを備えた水際公園として多くの人々に親しまれています。すぐ近くには、フジテレビ、アクアシティお台場などの商業施設、リゾートホテルなどが並んでいます。

お台場海浜公園 船のりば

エリアによっては、釣りや潮干狩りができるようです。以前、潮干狩りのためにシジミが放流されたとか。実に楽しいスポットになっています。

おかもと・ゆきお profile
1944年、姫路市生まれ。1967年古野電気入社。フルノ在籍時からマリンギアライターとしても活躍し、「須磨はじめ」のペンネームでフィッシング雑誌などに寄稿。著書に「魚探とソナーとGPSとレーダーと舶用電子機器の極意」、「魚探大研究」、「魚探・GPS 100%使いこなしブック」など多数。著書の挿絵から水彩画の世界へ。

本記事は2016年〜2022年までBoat Fishing誌にて連載されていた「海辺の水彩画(絵・文 岡本 幸雄)」を再編集したものです。
「運河沿いぶらぶら -東京・天王洲アイル-」は2017年3月号に掲載された内容です。
当時の面影とともに水彩画の世界観をお楽しみください。

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