人口減少による生徒数減少に歯止めがかからない輪島市内にある２つの高校。 特に輪島市門前町にある石川県立門前高等学校は、今年の入学者数が定員80名に対して"11名"と開校以来最も少ない入学者数でありました。 そんな門前高校の存続に向け、高校と行政・地域が連携し「輪島市高校魅力化プロジェクト事業」に取り組みます。

曹洞宗大本山・總持寺祖院のそばにある学び舎「石川県立門前高等学校」

石川県立門前高等学校は、輪島市門前町・曹洞宗大本山總持寺祖院のそばにある高等学校です。
寺院からは鐘の音が聞こえ、周りは自然豊かな緑に囲まれた場所にあり、勉強やスポーツに打ち込むには集中出来る環境にあります。
中でも「女子ソフトボール部」は全国屈指の強豪校で、輪島市門前町は「ソフトボールの聖地」とまで呼ばれるほどになりました。

止まらない生徒数の減少で"高校存続の危機"に

輪島市内の２つの高校（輪島高校・門前高校）は毎年定員割れが続いており、特に門前高校においては令和３年度の入学者数が定員80名（２クラス）に対して「11名」でありました。
市内中学校の生徒数全体が減少する中で、中学校卒業後の進路状況については市内２校への進学者数の減少が続く一方で、市外等の高校への進学割合が２～３割で続くなど、生徒の市外流出抑制も喫緊の課題となっています。

また前述の女子ソフトボール部においては、約半世紀にわたって指導されてきた室谷妙子氏が指導者を引退され、県内外の生徒を自宅に受け入れていた下宿生の募集も停止。
入学者数の減少に歯止めがかからない状況となっています。

門前高校存続へ…今後の取り組みについて

プロジェクト①「学習センター（公営塾）の設置」

少子高齢化・人口減少が進む奥能登地域では、高水準の学習を受ける機会が都市圏に比べて圧倒的に少なく、その事も生徒の市外流出の一因であると考えられます。
そういった学習ニーズに応えるため、市では輪島高校・門前高校両校に学習センター（公営塾）を開設することとしました。
輪島高校では空き教室を、門前高校では近くにある門前総合支所の１室を使用、本年11月に開設予定です。
輪島高校を拠点とし、門前高校側ではオンライン、スタッフ巡回による運営を予定しています。

プロジェクト②「高校魅力化コーディネーターの配置」

高校魅力化コーディネータは、学校と地域をつなぐ調整役を務め、両校に一人ずつ配置される予定です。
地域の課題・素材の探究型授業に活かすため、生徒と地域のマッチングを行います。
「探究型授業」は地域課題の解決を考え、将来的な職業選択にもつなげるものです。
例としては若者が働く場所がないという課題に対し、起業家を講師に招くことなども想定しています。

プロジェクト③「生徒の全国募集」

今後は遠方からの学生を受け入れるための施設等の整備も検討しています。

星稜高校野球部元監督・山下智茂氏が野球指導アドバイザーに就任

「門前のために何か恩返しがしたい。力になれることがあればなりたい。」

高校野球で甲子園の常連校でもある星稜高等学校の野球部元監督として、春夏合わせて25度の全国大会出場を経験した名将でも知られる山下智茂氏。輪島市門前町出身で、母校である門前高校の現状を知り、今回同校の「野球指導アドバイザー」に就任することとなりました。

あの名将・山下監督が門前高校に ─ 9月24日のアドバイザー就任報告会では、関係者の他に門前高校野球部部員10名も出席。部員たちは「あの山下さんのノックを打ってもらえると聞いて、ワクワクしかない」と胸をおどらせていました。

山下氏も「子どもたちが『門前高校に行って野球をやりたい』と思うようなチームを作りたい。ノックバットを振りながら野球の楽しさ、厳しさ、人間力を教えたい。」と2022年3月からの指導開始に向け、意気込みを述べていました。

この山下氏のアドバイザー就任も、門前高校魅力化の後押しになればと期待しています。

門前高校を支援する「門前高校を応援する会」が発足

10月5日、門前高校にて「門前高校を応援する会」の設立総会が行われ、『在学生が勉強やスポーツに専念できるよう支援し、同校の存続と発展を目的とする』会として発足しました。
会長に就いた同校卒業生で石川県議会議員の宮下正博氏は「高校がなくなれば地域は疲弊する。知恵を出し合い、工夫をしながら何としても学校を残さないといけない」とあいさつ。
会では、市内外から生徒を集めるために必要な支援を検討していくとのことです。

==============================================

寄付金の使い道「③ー２．教育環境の充実（高校魅力化：門前高校）」をお選び下さい。

ふるさと納税お申込みの際に『寄付金の使い道』の中から「③ー２．教育環境の充実（高校魅力化：門前高校）」をお選び頂くと、この高校魅力化プロジェクト事業（門前高校）に頂戴しました寄付金を充てさせて頂きます。