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遠い日の記憶

6歳の私と母は

川の土手を歩いている

お日様の光が川の水面でキラキラしてる

仕事が忙しい母と手を繋いで

ゆっくり歩くのは久しぶり

いつもセカセカして、カリカリして

私の事嫌いなのかと思う時もある母

でも今日の母はニコニコしてる

「もうすぐ小学生だね」

「うん」

嬉しくて強く握った母の手が温かい

「お母さん、大好き」

母は戸惑いながら、優しく笑った

道の脇でススキがふわふわ揺れている

真っ直ぐ続くこの道

いつまでも続いて欲しいと心で祈った

人生で一度しか言えなかった一言

「お母さん、大好き」

遠い日の記憶

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