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夕陽に浮かぶ雲に願いを

スーパーのレジの行列から解放され
食材の入った重いエコバッグを車に積む
車のハンドルに手をかけたら
目の前に眩しいオレンジ色の夕陽

今日も忙しさに振り回されるだけの
1日が終わろうとしている
深くため息をつく私

幸せを望んで作り上げた生活が
いつしか1人の人間だけが幸せで
残りの家族は幸せのふりをする
そんな生活になってしまった

家族のためにと必死に支えてきたのに
私のどこが悪かったのだろう

オレンジ色に染まる空を見ていたら
声を出して泣いていた
もう私には
幸せなんて来ないと思った

涙をハンカチで拭くと
目の前を通り過ぎる
顔見知りの老夫婦
足を引きずる奥さんに
歩調を合わせてゆっくり歩く旦那さん
いつも話しながら笑ってる

この違いって何なんだろう

羨ましくて、また涙が出た
その涙には悔しさとか淋しさとか
色んな気持ちがたくさん混ざってた

どんなに私が泣いていても
オレンジ色の空は黙ったまま
私を優しく照らすことしかしてくれない

私はゆっくりと深呼吸して 
涙を止めた

夕陽に浮かぶ雲に願いを込めたなら
いつか願いは叶うのかな
もし願いが叶う時がくるとしたら
その時の雲はどんな形をしているのかな
そう思いながら目を閉じて
雲に願いを込めてみた

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