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DAMMY, reply poetry

冷たい、電子の先からはじまった独占欲。わたしはとっくのとうに気づいていた。たった、あなただけに繋がった。一つの言葉が狭すぎて、ふたりしか入れなくて、バレバレだった。見せかけでもわからないくらい簡単だ。
でも、わたしたち、ほんものを追いかけただけ。映画の中でだけ生きていたわたしたちにはそれが一番難しかったよね。

わたしの季節が終わるとき、あなたは散るらしい。
あのね、お願い、ひとりにならないで。
嫌いな夏の陽で、嫌いな夏まで咲いていて。
今年の汗を可愛い瓶に集めて、膝の傷を舐める癖が治らなくて。わたしたちの汚さは一緒にいられる理由でしょう。

性格が悪くて優しさが大きい、妙な温かさに怖くなって
、あなたのただの言葉に頭を抱えた。恋が斜めっているときに一番落ちそうな花。欠片。
さみしそうにわたしの春で「殺して」と嘆いていた。
大丈夫、とっくに、血なんて出ないよ。そんな花びらに、あなたに、つい呪いをかけてしまった。

わたしにもあなたの言葉で呪いをかけてみて。
わたしたちを繋いだおんなのこの呪いは、いつかあなたが聴けなかった音楽だったことに気づけたでしょう。

「あなたが死んだら私のせい」

「わたしが死んだら死んで」

これはとても不思議なこと。貴方がかけた呪い、わたしの魔法。その魔法で貴方に殺されてしまったら。その魔法で貴方に生かされてしまったら。そのときやっと、わたしの神様があなたで、あなたの神様がわたしで、ふたりが大丈夫になる。軽い言葉、聴いたことある言葉、使い回し、使い回し、安っぽいって、それっぽいって、わたしたちわかってる。わかってる。

笑って。

ほら見て、まだ山は遠くて、海が酷くて、空気より先に季節を吸い込むことができなくて、遅くてたまらないでしょう。

ずっと、また気づく。それだけだよ。

行こう。

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