中道という立ち位置:デザインについて考え続けて気がついたらたどり着いた場所

気がつけば、1月ももう20日以上がすぎました。1年の5%以上をもう過ごしてしまったことになります。年を取ると時が流れるのも早いですね。

年末に書いたnoteでこんなことを書いていました。

デザイナーが求められる役割は、「曖昧なものに形と命を吹き込み、組織のなかの共通プロトコルを作る」と言えるのではないかな、と思います。
また、プロトコルをさまざまなレイヤー(経営、ビジネス、システム開発)にわたって行えるバランス感覚を持った人材が経営とデザインをつなぐ人材になってくるのではないか

年末年始の間で本読みながら色々なことを考えたり、また上司との面談の中で出てきたキーワードを通じて、自分の立ち位置と強みが明確になったので整理しておこうかな、と思いました。

「デザイン」をめぐる様々な立ち位置

よく、B-T-Cとか、Business、Technology、Designとか、一つのプロジェクト、企業の中で関わる人を抽象化して3つの円で示したりすることが多いと思います。

この中でデザイナーは「Design」側の人にあたることが多いと思います。
サービスデザインの現場やプロセスでは、顧客中心にサービスを考えるに当たっては、顧客の理解とインサイトを発見→プロトタイプ→サービスインのスピードが重要視されるので「コラボレーティブであること」が重要視されるので、以下のようなポジションが重要という話があると思います。

Business、Technology、Designのスイートスポットを取りに行くというポジショニングです。
統合的な視点、統合的なチーム、など目標を共にした方向性の揃ったチームがこれにあたると思います。

かたや、実際のサービスデザインを組織内で実践するにあたっては、Business、Technology、Design、それぞれの立ち位置からそれぞれのステークホルダーを会話をするケースもあると思います。
例えば、
・ビジネスに軸足を置いて、TechとDesignと会話する(PMとかプロダクトオーナーがデザインも理解してるパターン)
・Techに軸足を置いてBusinessやDesignと会話する(デザインエンジニア、デザインを理解したCTO)
・Designに軸足を置いてBusinessやTechnologyと会話する(職能としてのデザイナー)
のようなコミュニケーションパスがあるのかな、と思います。

ただ、自分の動きを振り返ってみると上記のどれにも当てはまらないことに気づきました。

中道という立ち位置。中間で価値を出す

自分の立ち位置を3つの円を使って示してみると、以下のようになるような気がします。

Business、Technology、Designのどこにも軸をおかず、全ての間に立ってそれぞれを繋ぐ役割。

こう書くとばくっと曖昧な感じでもありますが、

ビジネス企画・戦略のフェーズに置いてはビジネスとプロトコルを合わせて、「なぜ、それをやるのか」「何をやるのか」を明確にする
今度はデザインに軸足を移して、立案した戦略を「具現化」したプロトタイプを素早く作り、ビジネスが曖昧に持っていたイメージを固め、Techに対して設計インプットを提供する
今度はTechに軸足を移して、プロトタイプや画面の初期設計を元にシステム、実装、マイクロインタラクションなど細かな部分の詰めを開発側と行う

と、プロジェクトやデザインする対象のフェーズなどに応じて「軸を移動しながら、あらゆるステークホルダーと共通のプロトコルを構築し、コミュニケーションを円滑にする役割として動く、というのが自分の動き方であり、かつそれが自分がもっとも価値提供できる部分であるというのを最近確信することができました。

DeconstructionとSynthesis

中道に立つ、という立ち位置を取るときに必要な視点として脱構築的に物事をみる、という部分と情報の抽象化、統合を行うという部分を意識するようにしています。

物事は対立的に流れる側面と、観点を変えて見ることによって物事の構造が違って見えるケースがある。そのケースを理解して、構造的、かつ客観的に物事を捉えて行くこと。

そこに自分の指向性があり、かつ自分の行動様式もそこにセットされていて、知らずのうちに中道の立ち位置を目指すようになっていた、という感じでした。

この視点で物事を見て見ることによって、今までとは「デザイン」というものも少し違って見えるようになりました。

今後はその違いをより言語化しつつ、実践を積んでいきたいと思います。

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