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初のリトルプレスを販売しての所感

 この夏は目の色を変えてthe future magazineのリトルプレス化に向けて邁進していたこともあって、友達や家族といった大事な人と語らったり耳を傾ける時間を作れていなかった。

何かを取り戻すように久々にアウトゴーイングな気持ちで飲み会に行ったり、よくわからないけど面白そうな社交場に行ったりしている。

面白そうって直感はあたるときもあれば、外れるときもあって、ふと『自分はここで何しているんだろう』って思うときがないわけではないけれど、いろいろなところに首を突っ込んで人とあって話をすることで、1人では気付かなかったことに気付けたりする。

7月からフリーランスになって仕事をしていて誰かに師事しているわけではないので、想像力を欠いて、自分本位になりがちだけど、周囲の人があって初めて自分のやることが意味を持つということを再認識できたりもする。

 the future magazineのリトルプレス『THE NEXT VOICE YOU HEAR』を書店やレコード店などに置いてもらうべく、10月は営業に奔走した。20冊くらいをダンボール箱に梱包して、クリーニング屋さんのでっかい袋に詰め込んで、小脇に抱えて、埼玉から東京に向かって行った。10月だってのに、めちゃくちゃ汗をかいて渋谷から原宿から、代官山へと歩き回った。アポなしで突然行って怒られたり、暖かく受け入れられたり、初めてのことに冷や汗をかきながら、初めて手にとってもらえる喜びと緊張に当たりながら、進んでいった。結果として、打診をしたほとんどの店舗に置いてもらえて嬉しい。リトルプレスを出せて、本当に良かった。

紙媒体を本屋に納品すると目利きとなる書店員さんの顔が見えるし、買ってくださる方、読んでくれる方があって初めて、1冊の『本』を巡るサイクルが成立するというのが手にとるようにわかる。恥ずかしいくらい、『気に入ってほしい。つまらないと思われたら嫌だ』という思いが強くなる。

そういえば、10月31日でこのメディアのプロジェクトが立ち上がって、およそ1周年を迎えた。偶然同じ日にデザイナーの水内実歌子ちゃんと吉祥寺で、発行お疲れでしたということで、ご飯を食べにいくことになったのだけど、はたと1年前の同じ日に、Ykiki Beat/DYGLの秋山くんと、きくりんを連れて吉祥寺の井の頭公園でVol.1の撮影をしたことを思い出した。

日本/海外の境界を越えて、最前線で音楽を鳴らすために

写真:北岡稔章

それから1年経って、インタビューした2人の未来へ進む速度や深度とは違えど、自分自身も全く想像してなかったことが現実になっているから不思議だ。インタビューさせてもらったアーティストと信頼関係を築けたり、会話をするなかで、次につながる話がパッと浮かんだりする。『面白いことやろうよ』って提案してくれることもある。そういうのが一番嬉しい。

そもそも「紙を出すのは来年くらいかな」って思っていたところに、ファッションレーベルのyo asaくんからイベント『Stop Making Youth』参加へのお声がかかってリトルプレスを出すことになったわけだし、メディアを立ち上げた当初の想定からだいぶ外れて、メンバーに相当負担をかけた(苦笑)でも3ヶ月間わーっと注力して、曲がりなりにも本が出せた。

それというのもデザイナーの水内実歌子ちゃんと、色々な面でアドバイスをくれる江藤氏の支えがあったからだ。そしてやりたいことを理解してくださって、撮影に協力してくれた超尊敬するカメラマンさんたちがあってこそ、だ。

なにより、個人発のメディアに賛同して、インタビューに協力してくれたアーティストには感謝しても感謝しきれない。

個人的には、一緒に何かを作ろうと面白がってくれるカメラマンさんとアーティストが交わる撮影の時間が一番好きだ。アーティストもカメラマンさんも1つのチームになっていいものを目指す瞬間がたまらなくワクワクする。

海の向こうから協力してくれたMOURNの2人にもめっちゃ感謝している。日本で一番MOURNを追いかけてるメディアだという自負があります。

 紙化に向けたプロジェクトの全部とyo asaとSTUDYと写真家の小林光大4組での合同イベント『Stop Making Youth』が過ぎさって、空っぽになった今、また紙を出したいと思っている自分がいる。でもその前にきちんと定期的にWebのコンテンツを更新していくところに立ち返ることが大事なんだと冷静に考えて気づいた。

来年の秋くらいまで、定期的にコンテンツを更新することができたら、これまでのすべてを総決算したような気合が入った成果物を作りたいと思っている。一方で、the future magazineというフィルターを通じた『場』を作りたい気持ちもある。イベントというか写真展もやってみたい。ライヴもできるかもしれない。こうやって向こう見ずな妄想はどんどんと膨らんでいってしまう。

でもその前にもう一度、原点に立ち返って1つひとつ地に足をつけながら、丁寧にやっていきたい。これまで見たことのないような素敵な写真と、語られていなかったような言葉が載ったメディアを目指していくので、面白がって、時々チェックしてくれたら嬉しいです。

やりたいことを声に出して、楽しいと思えることを純粋に追いかけていたら、もっと楽しい未来がやってくることに気付けたのは、みなさんのおかげです。

これからもthe future magazineをよろしくね。







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