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10年後、必要とする金額の85%程度の収入しか得ていないだろうと考えている若者

こんにちは、『未来を数字に』プロジェクトです。

引き続いて、10年後の収入に関して調査した結果をご報告、本日は金額ギャップに関する内容です。

前2回にわたり、10年後、自分自身が必要と考える年収額と、実際に獲得しているであろう年収額の2つの金額を整理してきました。
今回はこのギャップ、差額について集計した結果をご報告いたします。

集計に際しては、これまで同様に年齢区分別を基本に整理しています。
また集計分析時には、いわゆる外れ値について、第一四分位値及び第三四分位値のそれぞれ1.5倍の値を下限、上限として除いています。

結論として、全体及び年齢区分別を含む、すべての基本属性別の平均値で、必要と考える金額よりも実際に獲得しているであろう金額の方が低くなっていました。
これは若者が、10年後、必要と考える年収額を得られないと考える傾向にあることを意味します。

不足していると考えている金額は、全体平均で63.6万円/年(標準誤差±5.2万円/年)です。
以前お伝えしたように、必要とする金額が380-390万円/年弱ですから、この金額に対して15%超不足しているという計算になります。

またこの不足金額を年齢区分別にみると、以下のようになっています。

15-19歳:33.6万円/年(標準誤差±8.0万円/年)
20-24歳:70.6万円/年(標準誤差±10.3万円/年)
25-29歳:60.3万円/年(標準誤差±8.8万円/年)
30-34歳:68.6万円/年(標準誤差±9.7万円/年)

15-19歳層は、20歳以上よりも一段少ない金額となり、やや楽観的に考えていることがわかります。

20-24歳層は、この金額が最も高く、かなり悲観的な考えをもっています。
社会人になる直前や、なり立ての人が多く含まれる年齢層でもあり、現実の厳しさを直視した結果なのかも知れません。

25-29歳層になると、少し金額が低くなり、悲観的な考え方がやや緩和されるようです。
責任ある役割や役職を与えられ始める年齢層でもあり、それにともない収入が増え、悲観的なところが緩和されると推察します。

そして30-34歳層になると再びこの金額が上昇します。
この年齢階層になると、結婚や出産など、ライフスタイルが大きく変化していく人が増え、自分ひとりではなく家族を含めた将来を考え始めたとき、不安感が増す傾向にあるのではないでしょうか。

以上のように、何ら根拠のないまま、年齢別の傾向と、その要因を考察してきましたがいかがでしょうか?
もし異なるご意見などありましたらコメントなどをお願いいたします。

ちなみに性別、居住地別の差異は、統計的に確認できませんでした。

次回は、過不足への考え方、すなわち自らの将来の収入について楽観的な方、悲観的な方の割合などを整理していきます。

*本調査結果の詳細についてのお問い合わせは、矢野経済研究所 未来企画室(mirai@yano.co.jp)までお願いします。

今春、矢野経済研究所 未来企画室は新プロジェクトを始動しました。 『未来を数字に』をコンセプトに、独自の切り口で、今はまだ数値化されていない未来の価値や潜在価値などを、あれこれ数字で表現していきます。