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実社会の厳しさを感じる(?)若者、自身の10年後の獲得年収への期待は高くない

こんにちは、『未来を数字に』プロジェクトです。
前回に引き続いて、10年後の収入に関して調査した結果をご報告します。

本日は、10年後の獲得年収です。

前回が最低これくらいは必要と考える金額であったのに対し、今回は自分は10年後にこれくらい獲得しているんじゃないかと考えている年収です。

集計に際しては、前回同様に年齢区分別を基本に整理しています。
また集計分析時には、いわゆる外れ値について、第一四分位値及び第三四分位値のそれぞれ1.5倍の値を下限、上限として除いています。

その結果、自身の10年後(すなわち15-19歳なら25-29歳、30-34歳なら40-44歳など)に獲得していると考える年収金額の平均値は、以下のようになりました。

15-19歳:350万円/年(標準誤差±9.4万円/年)
20-24歳:310万円/年(標準誤差±10.7万円/年)
25-29歳:322万円/年(標準誤差±12.3万円/年)
30-34歳:326万円/年(標準誤差±11.8万円/年)

ご覧になっている通り、最も高い金額となっているのが15-19歳で、20-24歳で一度大幅に低下、その後徐々に大きくなっていきます。

そしてこれら傾向は、性別によって少々異なっていました。
すなわち、男性はよりこの傾向が鮮明である反面、女性について20歳以上は概ね横這傾向となっています。
(15-19歳層の平均金額が高いことは、男女とも同じです。)

以上のことへ考察を加えると次のようなになります。

まだ実際に働いている人が少ないであろう15-19歳層は、自身の将来について概ね平均的な年収水準をイメージする傾向がでています。

しかしながら、実際に働きだす20-24歳層になると、この金額が低下、現実社会の厳しさを実感して控えめな金額を回答しているように見えます。

その後、男性はわずかながらも加齢に応じた平均金額の増加が確認できたものの、女性に限ってはそのようなことはなく、20歳以上は概ね同水準の年収をイメージしていました。

ただ、既にお伝えしている最低限必要な金額の平均値との比較では、いずれもそれを下回る結果となっていることが少し気になります。

全体的に今の若者は、将来の収入に対するイメージはネガティブな傾向にあるようです。
(これらギャップについては、もう少し具体的な内容を次回ご報告する予定です。)。

*本調査結果の詳細についてのお問い合わせは、矢野経済研究所 未来企画室までお願いします。

今春、矢野経済研究所 未来企画室は新プロジェクトを始動しました。 『未来を数字に』をコンセプトに、独自の切り口で、今はまだ数値化されていない未来の価値や潜在価値などを、あれこれ数字で表現していきます。