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可哀想なキティちゃん

柄にもなく「キティちゃん」の話である。

はじめに言っておくと、キティちゃんには何の罪もない。
オレ自身は、ファンではないが嫌いでもない。

本題へ

ちょいちょい見かける工事区画とを隔てる衝立。
どうも単管バリケードと言うらしい。
カエルのモノだったり、クマのモノもあった気がする。
それらがずらりと列を成し、工事区画を隔てている、あれである。
それが、キティちゃんなのだ。
雨風に晒され、かわいいはずのキティちゃんが、何とも悲しげだ。
キレイなままで、一つ二つならまだかわいらしさも残るかもしれないが、埃で薄汚れズラリと列を成したその姿は、どこか打ち捨てられたキョンシーの様にみえた。

助手席のカミさんが一言

「なんかセンス無いね」と言った。

キィテちゃんには申し訳ないが、同感だ。
カミさんも、同じ様な感覚を感じたようだ。

かわいいモノを全て「それ」にしても、かわいい訳ではないのだよ。
この辺りの感覚は、やはり大切な気がするのだ。
センスとは、足し引きの妙なのだと改めて考えた。

今日もキティちゃんは、寂しそうに並んでいる。

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