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閉館。そして一つの思い出のピリオド

ここ北の街で、長いあいだ営業を続けていた商業施設が閉館した。

老朽化のためだという。

もちろんそれだけに止まらぬ、様々な理由があるのだろう。

いずれにしても、一つの時代が幕を閉じた。
時代というと大袈裟な気もする。
一つの思い出が終わった、といったところか。

若かりし頃、この施設には大変お世話になった。
買い物客としてお世話になったといった事ではなく、商売上で大変お世話になったのだ。

もちろん買い物客としてもお世話になっていた。
上層階に関東以北最大のタワーレコードがあったからだ。
2フロアーを使い、クラシック、ワールドミュージック系も充実していた。
インディーズなんかもしっかりと取り揃えてもいた。
たまに遊びに行く店長室には、壁にびっしりとアーティストの自筆のサインが書かれていた。
運良く、何人かのアーティストにその場ですれ違ったりもした。

ある意味、若かりし頃、そう青春の思い出と言っていい。

こうして閉館を見届けて思うことは、自分自身、すっかり歳をとったということだ。
建物と同様、老朽化がヒタヒタと進み、あちこちのメンテナンスが必要になっている。

建て替える訳にはいかぬこの身体。
また違った思い出は、まだまだ続いて行く。
人生の閉館を迎えるその日まで。

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