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しゃぶりなBaby尻尾を振ってWAR

この前からブラックラブホールのことばかり考えてしまい、SABRINA Babyとはなんなのかを確かめにいった。それは最後に書いてあるんだけど、期せずしてぼくはそのようなつもりで聴いているわけじゃないTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの詩について思索する感じの内容となってしまった。

ぼくは好きな歌の歌詞についてなんらどうでもよいという考え方を一貫しているつもりだが、ブラックラブホールについてはCDの題名とリンクしているのもあり考える時がありました。

わかりやすく言えばCDの題名がSABRINA HEAVEN、ジャケットに書いてある絵が猫、冒頭に入っているトラックがブラックラブホール、ブラックラブホールの歌詞にSABRINAが出てくる。

それが今回の題名の言葉なんですけど、もちろんこんな事は言っていない。正しいのは

SABRINA BABY 尻尾を振ってニャオ
フロント・ガラス 尻尾を振ってニャオ
曲がりそこねた左カーブ ニャオ

ブラックラブホール

というものだ。

ボーカルの声はいわゆる多分酒と煙草で潰し尽くし、本来休養が必要な状態でわざと発声行為をしたから出るような声となっている(ようにぼくには思える)。ぼくはがんがん上手くなっていくTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのメンバーに沿うように自分の声が楽器のように武器となるように重ねた努力の跡だったのだろうかと思った。

つまり治療が必要な状態で声を使い続けたから何かしらのダメージが積み重なってしまったのかと……言うのは野暮だろう。

GWDとかアウト・ブルーズとか(奇しくも並び順のシングルである)、ちばゆうすけの声以外で歌ってしまうと根底から意味を成さなくなってしまう歌がかなりの数ある。つまりそれは歌も楽器のひとつだということなのではないでしょうか……

翻ってブラックラブホールを聴き返すと、SABRINA BABYがしゃぶりなBABYに聴こえてしまうのも致し方のないことなのである。尻尾を振ってしゃぶる、とはろくな情景が浮かんでは来ないしTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとはそのような歌を唄わないグループなのだがSABRINA HEAVENとは姉妹のような関係であるSABRINA NO HEAVENとともに一対のCDであると考えた場合、最後にリリースされたCDであるということになる(GIRL FRIENDとエレクトリック・サーカスを除く)。

奇しくもエレクトリック・サーカスの次に入っているデビルスキンディーバという歌にも女が出てくる。こちらは正真正銘THEE MICHELLE GUN ELEPHANTが最後にリリースした歌であり、どのARUBAMUにも入っていません。

またSABRINAHEAVENの2つ前のCDであるカサノバ・スネイクの1個目にデッドスターエンドという歌があり、こちらでも俺の星にはなにもないけどあの子がいれば宇宙の果てまでぶっ飛んでいけると言っていて、別にぼくが忌み嫌うラブソングだとは思わないがそのようなことについて歌っている。

あといま思い出したけど、GIRL FRIENDこそ愛と性行為と子供たちのいる世界について唄われている。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの世界に載せられる感傷とは、次第にそのように遷移していったということなのだろうか。思えばSABRINA NO HEAVENの1個目にあるチェルシーでも娼婦が出てきたりその生活に言及されていたり、デッドマンズ・ギャラクシー・デイズやミッドナイト・クラクション・ベイビーや水色の水やPINKにも愛の対象となり得る女が出てくる。

その子の心が動いて悲しみが世界に生まれる、女達は愛を売る、その子の声が俺を動かしている、車の中で愛を造り手配師を轢き殺す、倒れるぐらい柔らかく口づけを交わす。

それで思い出したけど(再放送)SABRINAの1個前のCDつまり解説したカサノバ・スネイクの次であるロデオ・タンデム・ビート・スペクターでも1つ目にあるシトロエンの孤独ではランチキンカーニバルとお前の甘い場所とくちづけを交わす72.5MHz……はBLANKEY JET CITYのダンデライオンが混ざってしまったが斯様にCDの1個目で頑なに愛が唄われていることにぼくは今の今まで気づかなかった。でも他にもマーガレットとかあるか……

話を戻すが、SABRINAHEAVENのジャケットにいる猫は子供とも成猫ともいえないようなモチーフであるように思える。絵だからこそアニメ調に近いというべきか。つまり─────ぼくは性的消費の対象としてのプレイボーイという雑誌を読んだことがないのでマジでよく知らないのだが─────プレイボーイにおけるうさぎのように性のモチーフとしての猫であるのかも知れないと思ってしまった。

SABRINAという天国があり、そこから遣わされた天使がSABRINA BABYであり普段は猫の形をしていて男に愛を与えに来る。メッキトレーラーが天国

ぼくはそばに猫がいたことがないので、SABRINA BABYを求めに猫を探しに行った。そこで小さな猫に出会った。ぼくが彼女を抱きかかえると、彼女は小さな牙でぼくの指に噛み付いた。でも血は出なかった。

猫を抱きかかえながら頭を撫でると彼女は目をつぶり、動かなくなった。もちろん死んでSABRINA HEAVENに行ったわけではなく、気が楽だったそうだった。

でも彼女はにゃーおと泣くことがなく、本当に猫をやっているのかと思わせるのに充分だった。彼女は何を考えていたのだろうか。彼女のひげや耳にぼくは触ることはなかったが、体温はとにかく暖かかった。ぼくは多分SABRINAを探しに行くことには失敗したのだろう。

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